42 変じゃない?
大学の昼休み。
キャンパスの中庭のベンチに、凛と千尋は並んで座っていた。
「ねぇ凛」
千尋がジュースを飲みながら言う。
「ん?」
凛が顔を向ける。
千尋は何気ない顔で言った。
「蒼くん誘えば?」
凛は一瞬固まる。
「え?」
そしてすぐ顔を赤くする。
「む、無理無理!」
慌てて首を振る。
千尋は笑う。
「なんで?」
「だって……急に誘うの変じゃない?」
凛は少し困ったように言う。
「この前バーベキュー行ったばっかだし……」
千尋はふーんと頷く。
「じゃあさ」
凛
「?」
千尋はにやっと笑った。
「三人で遊ぼうよ」
「え?」
「私と、凛と、蒼くん」
凛は少し考える。
「……三人なら」
千尋はすぐ言う。
「でしょ?」
凛は小さく笑う。
「それなら大丈夫かも」
千尋は心の中で小さくガッツポーズした。
(よし)
そして続ける。
「どこ行く?」
凛は少し考える。
「映画とか?」
千尋は首を振る。
「もっと遊べるとこがいいな」
少し考えてから言う。
「水族館とかどう?」
凛の目が少し輝く。
「水族館いいね!」
千尋はニヤッと笑う。
「じゃあ決まり」
凛は少し緊張した顔で言う。
「でも……蒼くん来てくれるかな」
千尋は軽く肩をすくめる。
「大丈夫でしょ」
そして、さらっと言った。
「凛の誘いなら」
凛はまた顔を赤くする。
「もう……千尋ちゃん」
千尋は笑う。
「ほら、頑張って」
「今日大学で会ったら誘いなよ」
凛は少しだけ深呼吸した。
「……うん」
小さく頷く。
千尋はその様子を見ながら、心の中で思う。
(これでいい)
千尋はジュースを飲みながら、こっそり笑った。




