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40 ちゃんとした形
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夜。
部屋のベッドに寝転びながら、凛は今日一日のことを思い返していた。
川の流れる音。
みんなで笑いながら食べたバーベキュー。
水遊びではしゃいだ時間。
そして̶̶蒼。
「……楽しかったな」
ぽつりと呟く。
蒼が「凛」って呼んでくれた瞬間を思い出して、思わず顔が熱くなる。
「もう……思い出すと恥ずかしい……」
枕に顔を埋めて、足をばたばたさせる。
少しして、ふっと顔を上げる。
頭の中に浮かんだのは、川辺で笑っていた蒼の姿。
優しく笑った顔。
少し照れた顔。
自分の名前を呼んだ声。
凛はぼんやりと天井を見つめる。
「蒼くん……」
小さく呟いたその瞬間。
胸の奥が、ぎゅっと締めつけられる。
そして、凛はゆっくり目を閉じた。
「……あ」
少しだけ驚いたように呟く。
「そっか」
小さく笑う。
頬がほんのり赤くなる。
「私……」
少し恥ずかしそうに、でもどこか嬉しそうに言った。
「蒼くんのこと、好きなんだ」
静かな夜の部屋。
凛の胸の中で、新しい恋がはっきりと形になった




