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39 交錯
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家に入り、自分の部屋へ。
愛菜はベッドに座る。
今日の出来事を思い出す。
川で笑っていた蒼。
車の中で昔の話をした蒼。
家の前での会話。
愛菜は小さく笑う。
「ほんとバカだよね、私」
枕に顔を埋める。
少しして小さく呟く。
「やっぱりまだ好きじゃん」
少し沈黙。
そして天井を見る。
「でもさ」
「凛ちゃんも可愛いしなぁ…」
小さくため息。
そして布団に潜りながら言う。
「……負けないけどね」
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夜、車の中。
三郎は寝ていて、太陽が運転している。
後部座席で、凛は静かに眠っている。
その隣で
千尋は目を開けていた。
さっき車の中で聞こえた蒼と愛菜の会話。
そして、川で見た二人の空気。
千尋は心の中で思う。
「あの二人…やっぱり何かあるよね」
ちらっと凛を見る。
凛は何も知らない顔で眠っている。
千尋は小さく息を吐く。
「……まぁでも」
「凛の恋、応援するって決めてるし」
そして窓の外を見る。
「ちょっと面白くなってきたかも」
千尋はまた目を閉じた。
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