32 ニヤニヤ
川の流れに足を浸しながら、跳ねる水、光に反射する水面、笑い声とささやかなドキドキが混ざ
り合う。
午後の時間は開放感に満ち、みんなの無邪気な姿が鮮やかに心に残った。
川沿いで足を浸しながら遊んでいたみんなは、ますますはしゃぎだした。
千尋が水を跳ねさせながら笑い声をあげ、三郎と太陽は水を掛け合う。
凛と蒼は浅瀬の石を飛び越えながら小さな水鉄砲を手に取り、互いに狙いを定めて反撃する。
「おっと、蒼くん、逃げて!」
凛が水鉄砲で蒼を狙うと、蒼も慌てて反撃し、水しぶきがキラキラと光る。
遊びの最中、凛が石に足を滑らせ、川の中で倒れそうになる。
咄嗟に蒼が手を差し伸べ、凛の体を支えた。
その瞬間、二人の距離が一気に縮まり、互いにドキッとする。
凛は顔を赤らめ、蒼も慌てて手を離しながら少し照れる。
千尋はにやにやしながら声をあげた。
「おっと~?ニヤニヤ」
三郎も肩を叩きながら笑う。
「なにそれ~蒼、ちゃっかりしてんじゃん!」
蒼は照れくさそうに肩をすくめ、恥ずかしさで目を逸らす。
「ち、違うって……」
その後も川遊びは続き、やがてみんなが少し疲れて川沿いの岩や砂地に座り込む。
水に濡れた髪を払いながら、蒼と凛は隣に座り、遊びの余韻に浸る。
千尋や三郎、太陽はまだ水遊びの話題で盛り上がり、愛菜は少し離れた場所からまた少し寂しそ
うに笑った。
川のせせらぎ、跳ねる水、光に反射する水面――
午後の時間は無邪気さとほのかなドキドキに包まれ、みんなの笑顔が鮮やかに映えていた。




