29 ほのぼの
炭火で焼かれた肉の香りが川沿いの空気に漂う。
みんなは手に箸やトングを持ち、焼きたての食材を皿に並べて食べ始める。
「うわ、これめっちゃ美味しい!」
千尋が口に頬張りながら笑った。
「やっぱり凛、料理上手だね!」
千尋が嬉しそうに言うと、凛は少し照れて頬を赤くする。
「わたし、次は野菜焼くの手伝う!」
愛菜が元気に手を伸ばす。
「いいね、でも凛ちゃんも手伝ってよ」
「もちろん、でも火加減は任せて」
「三郎、野菜もちゃんと食べてよ」
「うるせー、肉が先なんだよ!」
太陽が冷静にツッコミを入れると、三郎が照れ笑い。
「まあまあ、焦げないように気をつけろよ」
川のせせらぎが心地よく聞こえる中、千尋がふと空を見上げる。
「川、すごくきれい……水も冷たそう」
「手、つけてみる?」
凛が隣で笑いながら差し出すと、千尋も手を伸ばしてひんやりとした水に触れる。
「わあ、冷たっ!」
「気持ちいいだろ?」
蒼がにやっと笑う。凛は少し嬉しそうに顔を赤らめる。
「ねえ、蒼くんってアウトドアとかよく来るの?」
凛が興味津々に尋ねる。
「まあ、たまにね。こういうのは楽しいし」
「ふーん、意外とイメージと違うかも」
「そう?俺、家でゴロゴロするのも好きだけど」
三郎が焼き網の上を覗き込みながら言った。
「ちょっと待って、肉焦げそうだぞ」
「大丈夫だよ、俺が見てるから」
凛がにっこり笑って肉を返すと、みんなから「おおー!」と声が上がる。
「そういえば、凛ちゃん、最近ハマってることとかあるの?」
「うーん、最近は料理かな……かなり作る量増えちゃったけど」
「へえ、そうなんだ!」
愛菜が笑うと、凛も微笑み返す。
川のせせらぎ、炭火の匂い、みんなの笑い声。
午後の時間はゆっくりと過ぎていき、食事と雑談の空気は心地よく、日常の延長のようだった。




