28 乾杯
炭はいい感じに赤くなり、火力も安定した。
「よし、焼き始めるぞ!」
三郎が炭の前で手を叩き、士気を高める。
凛は手際よく野菜を切り、肉を並べていく。
包丁さばきも慣れたもので、蒼はついチラッとその動きを見てしまった。
「……新井さん、本当に上手だな」
心の中でつぶやく蒼に、千尋が後ろから笑いかける。
「ねえ、ほらやっぱり凛は料理上手でしょ?」
愛菜も横で頷きながら、手際の良さに感心している。
「さすがだね、これなら安心だ」
男子チームも負けじと肉を焼き、たまに焦げそうになると笑いが起きる。
「ちょ、焦げるって!俺のせいじゃないからな!」
三郎が慌てると、太陽は冷静に火加減を指示する。
「落ち着け、肉は焦がさない方が美味しいぞ」
太陽も心の中で「新井さんの手際は見事だな」と思う。
焼きあがった肉や野菜を皿に並べ、全員が手を止める。
「じゃあ……乾杯しよっか!」
千尋がジュースを片手に声を上げ、全員がそれに続いた。
『かんぱーい!』
ジュースを軽く合わせる音と笑い声が川沿いに響く。
「うめー!」
「野菜も甘くて美味しい!」
「新井さん、やっぱりすごいな」
凛は少し照れながらも、嬉しそうに笑う。
「ありがとう……でも、みんなで食べるとさらに美味しいよ」
蒼も自然に笑顔になる。
「うん、確かに……新井さんの料理、めっちゃ美味しい」
川のせせらぎを聞きながら、笑い声と雑談が響き渡る中、準備も食事も順調に進んでいった。




