27 到着
三郎の運転する車は、ついに山あいのバーベキュー場に到着した。
車を停めると、目の前には澄んだ水がキラキラと輝く川が流れていた。
「おお、川がすぐそこだ!」
三郎が得意げに言うと、太陽も窓の外を眺めながら頷いた。
「なかなかいい場所だな」
「わぁ、きれい!」
千尋が思わず声を上げる。
凛も笑顔で川面を眺めた。
「自然の中でバーベキュー、楽しみだね」
全員で車から荷物を降ろし、川沿いの広場に移動する。
「重いものは俺がまとめて運ぶ」
蒼が炭や肉の入った袋を抱えながら声をかける。
「私は飲み物チェックするね」
愛菜が手際よくクーラーボックスを確認する。
「じゃあ、私は火起こし手伝う!」
三郎が笑いながら炭の準備を始めると、太陽も横で手伝いながら言った。
「火の管理は任せてくれ」
千尋がにこやかに言う。
「じゃあ、凛は下ごしらえやってくれる?」
凛は軽く頷き、まな板の前に立つ。
手際よく包丁を握り、野菜を切るその動きは正確で素早く、見ているだけで惹きつけられる。
「ほらね、凛、本当に料理上手なんだって!」
千尋が声を上げると、みんなも自然と注目して感心する。
「すごーい!」
「手際いいな」
「プロかよ!」
後ろから蒼がぽつりと声を出す。
「新井さん、本当に料理上手なんだね!」
その言葉に凛は思わず口元を押さえ、顔を赤くして小さく笑った。
「も、もう……恥ずかしい……」
川沿いのバーベキュー場には、笑い声と雑談が響き渡り、準備の手も自然と弾んでいた。




