表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼色の恋に。  作者: ひろねる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

160/232

159 決めてこい

夜。

冷たい空気の中、蒼と太陽は並んで歩いていた。

街灯の光が、一定の間隔で足元を照らす。

しばらく、無言。

足音だけが静かに響く。

「……寒いな」

蒼がぽつりと呟く。

「冬だしな」

太陽が軽く返す。

それだけのやり取り。

でも、どこか落ち着く。

「最近さ」

蒼が続ける。

「またちょっと楽しいわ、野球」

「……知ってる」

太陽は少しだけ笑う。

「顔見りゃ分かる」

「そんな出てるか?」

「出てる」

即答。

蒼は少しだけ苦笑する。

「そっか」

短く返す。

また少し、間。

「……クリスマス」

不意に、太陽が口を開く。

蒼は少しだけ視線を向ける。

「行くんだろ」

「……ああ」

短く答える。

「そうか」

太陽が小さく頷く。

それ以上は何も言わない。

でも——

「……ちゃんと決めてこいよ」

ぽつりと、続ける。

「……」

蒼は少しだけ前を向く。

「分かってる」

その声に、迷いはなかった。

少しだけ間。

太陽は横目でその表情を見る。

「……まあ」

軽く息を吐く。

「お前なら大丈夫だろ」

その言葉は、昔と同じだった。

でも——

今は少しだけ意味が違う。

蒼は小さく笑う。

「なんだそれ」

「事実だろ」

「……まあな」

短く返す。

そして——

少しだけ、間を置いて。

「……ありがとな」

ぽつりと、言う。

太陽は少しだけ目を細める。

「今さらかよ」

軽く笑う。

「いいから」

蒼も少しだけ笑う。

それで終わり。

でも——

それで十分だった。

二人は、そのまま歩き続ける。

冬の夜は静かで。

空気は冷たいのに——

どこか、少しだけ軽かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ