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蒼色の恋に。  作者: ひろねる


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129/152

128 二打席目

蒼の先制ホームランで、試合は1-0。

グラウンドの空気は、明らかに変わっていた。

相手ベンチも、先ほどまでの余裕は消えている。

「……マジで打ちやがった」

ベンチで太陽が小さく呟く。

蒼は何も言わず、グローブをいじっていた。

(……)

胸の奥が、まだ少しだけ熱い。

でも、それを表に出すことはなかった。

試合はそのまま進み、五回。

ワンアウト、ランナーなし。

四番の太陽が放った打球は、鋭く外野を抜けていく。

打球はそのままフェンス際まで転がり̶̶

太陽はそのまま二塁へ滑り込んだ。

「ツーベース!」

「ナイバッチ!」

ベンチが盛り上がる。

続く五番が倒れて、ツーアウト二塁。

そして̶̶

六番の蒼に、二打席目が回ってきた。

蒼はゆっくりとバッターボックスへ向かう。

(……)

ふと、視線を感じる。

スタンドの方へ目を向ける。

「……」

そこにいたのは̶̶愛菜。

少し離れた場所で、じっとこちらを見ている。

一瞬だけ、目が合う。

(……見てる)

ほんのわずかに、表情が動く。

その様子に気づいた七海が、隣の小夜に小声で言う。

「……あれ、愛菜先輩ですよね?」

小夜は視線を向ける。

「……ええ」

静かに頷く。

七海は少しだけ考えてから、手を振る。

「愛菜せんぱーい!」

愛菜が驚いたように顔を上げる。

少し迷ってから̶̶

小さく手を振り返す。

「こっち来ます?」

七海が声をかける。

少し間。

そして̶̶

愛菜はゆっくりと歩み寄ってきた。

「……どうも」

少しだけぎこちない声。

「お疲れ様です!」

七海が明るく返す。

その空気を見て、小夜も軽く会釈する。

「こんにちは」

落ち着いた声。

そのとき̶̶

「おーい!」

別方向から声。

三郎が手を振りながら近づいてくる。

「お前らも来てたのか!」

「三郎さん!」

七海が笑う。

「なんか全員集合ですね」

三郎は笑いながら言う。

「つーか蒼やばすぎだろ!」

興奮気味。

「さっきのホームラン何だよあれ!」

四人は並んでグラウンドを見る。

バッターボックスには、蒼。

その背中を見ながら̶̶

小夜がぽつりと呟く。

「……ここは多分、歩かされるね」

三人が一斉に小夜を見る。

「え?」

七海が首をかしげる。

小夜は静かに続ける。

「一塁空いてるし」

「さっきホームラン打ってるから、勝負するメリットがない」

冷静な分析。

三郎が目を丸くする。

「小夜さん、めっちゃ野球詳しいっすよね!」

小夜は少しだけ笑う。

「まあね」

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