だい7わ:からっぽだったこのては、いま。――さいこうにハッピーな結末へ!
お城の大きなバルコニーから、街を見下ろす。
今日は私の「専属魔導師」就任パーティーらしい。
あんなに「わがまま」に振る舞ったのに、結局この国は私を離してくれなかった。
「ラルラリア、準備はいいか?」迎えに来たアルヴィスは、いつもよりずっと豪華なよろいを着ていた。でも、私を見る優しい目は、初めて会ったあの日から変わらない。
「ねえ、アルヴィス。私、やっぱり空気読めないし、これからも迷惑かけると思うよ?」「ああ、知っている。
むしろ、君が空気なんて読みだしたら心配で夜も眠れない」彼は真面目な顔でそう言って、私の手を取った。前の世界のあの方は、私の手を引いて「僕の言う通りにしろ」と言った。
でも、アルヴィスの手は、私の歩きたい方向へそっと添えられているだけ。(ああ、私、本当に幸せになっちゃったんだな)前の世界を捨てたとき、私の手は空っぽだった。お金も、時間も、積み上げてきた誠実さも、全部あの方に奪われて、何も残ってなかった。
でも、今の私の手には、自由に使える魔法と、絶対に見捨てない騎士さまがいる。「ラルラリア、行こう。君が作りたい世界を、隣で見せてくれ」「うん。最高に楽しい世界にするから、覚悟しててよね」パーティーの扉が開くと、まばゆい光が溢れ出した。
拍手とか、お祝いの言葉とか、正直ちょっとうるさいけど、まあ、たまには主役をやってあげるのも悪くない。私はもう、誰かの書いた台本通りには泣かない。
自分のわがままで、自分のやり方で、私自身を幸せにする。空っぽだったこの手は、今。
愛してくれる人のぬくもりと、キラキラした未来で、いっぱいに満たされているんだから。




