インフルエンザにかかったら、透析はどうなる?
火曜日の朝、体温を測ると37.5度あった。
微熱ではあったけれど、特に頭が痛いわけでもなく、これといってつらい症状もなかった。そのため、いつもどおり掃除の仕事に出かけた。
ところが、仕事から帰ってきて熱を測り直すと、38.1度まで上がっていた。
さすがにこれはおかしいと思い、病院で検査を受けることにした。検査の結果は、インフルエンザA型だった。
病院ではゾフルーザを4錠処方されたので、帰宅してからは一日中寝て過ごした。ところが、水曜日になっても熱は下がらず、むしろ38.5度まで上がってしまった。
水曜日は掃除の仕事も休むことにした。
そして、もうひとつ問題があった。私は普段、水曜日の17時から透析を受けている。透析は定期的に受けなければならないので、インフルエンザにかかったからといって、簡単に休むわけにはいかない。
そこで、透析クリニックにはこちらから連絡した。
その結果、予定していた水曜日の17時からではなく、木曜日の10時半から透析を受けることになった。ほかの透析患者さんと、できる限りすれ違わないように時間を調整してくれたのだと思う。水曜日も高熱が続いていたので、そうした事情も日時の変更に関係していたのかもしれない。
木曜日になると、熱は下がっていた。ただし、体調が完全に戻ったわけではない。かなり頭が痛く、それがきつかった。
普段から透析を受けると、頭が重くなるような感覚がある。今回はインフルエンザからの回復途中だったこともあり、余計につらく感じた。
クリニックでの対応も、いつもとは大きく違っていた。
普段ならロッカーで着替えてから透析室に向かうのだが、今回はロッカーを使うことができなかった。いつもとは違う場所から入ると、すぐのところにカーテンで囲まれたベッドが用意されていた。
そこで体重を測り、そのまま透析を受けることになった。
カーテンで隔離された状態で透析を受けるのは、普段とはまるで違う経験だった。
透析が終わったあとの対応にも違いがあった。いつもなら、針を抜いたあとに止血ベルトで5分間押さえ、そのあと出血していないか確認してもらう。ところが、今回はその出血確認がなかった。
また、普段は透析中の暇つぶしにタブレットを持ち込んでいるのだが、今回はそれもできなかった。何時間も透析を受けていると、何もせずに過ごすのはなかなか退屈だ。仕方がないので、スマホを使ってなんとか時間をつぶした。
この透析中に、もうひとつ気になる話を確認した。
普段、私が透析を受けているベッドの右隣にいる患者さんが、インフルエンザにかかった直後にも透析を受けていたらしいのだ。
それを聞いて、もしかすると、その人からインフルエンザがうつったのではないかと思った。ただ、感染源が確実に分かったわけではないので、あくまで私の推測にすぎない。
金曜日になると、体調はほとんど回復していた。
ただ、仕事を休み続けるわけにもいかなかった。厳密に考えれば、まだ出勤を控えるべき時期だったと思う。それでも、掃除の仕事は基本的に一人で行うもので、作業場所も屋外に近い。通勤も自転車なので、人と接触する機会は少ないだろうと考えた。
もちろん、人にうつす可能性がゼロになるわけではない。それでも、生活費のことを考えると、これ以上仕事を休むのは厳しかった。
そんな事情もあって、金曜日は掃除の仕事に出た。
一方、土曜日には透析のあとにキャバクラの仕事があったのだが、こちらは休むことにした。透析を受けたあとに出勤するのは、やはりきついからだ。
土曜日も、透析は木曜日とほぼ同じだった。カーテンで囲まれた場所で透析を受け、タブレットは使えず、スマホで暇をつぶす。普段とは違う環境での透析が、もう一度続いたわけだ。
しかも、土曜日には頭痛が少しぶり返した。
そして日曜日の今日は、頭痛などはほとんど気にならなくなった。喉が腫れているような感じは残っているし、食欲もまだ戻っていない。それでも、それ以外はほぼ問題ないところまで回復した。
今回、インフルエンザにかかって分かったのは、透析を受けていると、病気になったときにも普段どおりにはいかないということだ。
透析の日時を変更してもらい、ほかの患者さんとの接触を避けるためにカーテンで隔離され、普段とは違う場所で体重を測って透析を受ける。暇つぶしに使っていたタブレットも持ち込めない。たった数日のことではあったけれど、いつもの透析とはずいぶん違っていた。
そして、体調が悪ければ仕事を休んで療養するのが望ましいと分かっていても、生活費の問題があると、そう簡単には休めない。
病気を治すことだけを考えていればいいわけではない。生活を維持しながら、定期的な透析も受けなければならない。
インフルエンザそのものも大変だったけれど、今回の経験では、そうした日常生活への影響も改めて実感することになった。




