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【完結】転生したら黒魔法しか使えなかった。でもイケメン黒龍を使役した  作者: 茄乙モコ
【第1章】黒龍ルーカスとの出会い
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第14話 卒業式、前日(2)

「ちょっと!ノクスをあんな風にしたのアンタなの、アリーシャ!」


キンキンした声で怒鳴ってきたのは、この前私に絡んできたディアナという女の子だった。

いかにもプライドが高そうな感じが絶対に合わない。何よりこうやって怒鳴りつけてくる上司とかいたけど、本当にイライラする。

何でこの子はいつも私につっかかってくるんだろう。一体、どういう関係だったのやら。

でも今回は大人の対応をしよう…。こっちに非があるし。


「ディアナ…さん。お願いだから冷静に話しましょ。この前は私も悪かったから。」

「な、何よ急に。気持ち悪いわね!ノクスが死んだらどうするのよ!」


そうだ!ノクス!

ルーカスとのやり取りに気を取られていたけど、彼は大丈夫なのだろうか。


「そうね!ノクスの無事を確認しなきゃ!」


するとディアナは不審な顔をして私をジロッと睨みつけた。


「ちょっとアンタ、この前からちょっと変よ。ノクスがこんなのでやられるわけないじゃない。彼は一流の風使いなんだから!」


ノクスの方を見ると彼はゆっくりと起き上がり、こちらに手を振っていた。

良かった。大丈夫そうだ。

ほっとしたのもつかの間ディアナがいきなり火の球を飛ばし、それは私のすぐ横をかすめた。


「なに安心したような顔してんのよ!ムカつく!アンタも魔導師ならちゃんと魔物の制御くらしなさいよ!」


私はふと、この子もノクスもルーカスに近づいても怖がらないな、と思った。家の人たちはあんなにビクビクしてたのに、このディアナって子に関してはつかみかかってもおかしくないレベルだ。

とその時、ルーカスが私に顔を近づけ耳打ちした。


「この女、さっきのヤツより強い。王国魔導士に匹敵するかも。」


そうなんだ。もしかして魔力が強いとルーカスが怖くないのかも…。

でもルーカスの余裕そうな顔を見ると、倒そうと思えばできちゃうんだろうな。

取りあえず火の球飛ばすとか危ないので…。


「ルーカス、お願い!何とかして!」


するとルーカスは私にニコッと笑いかけると、瞳の色が金色に変った。


「やっとお願いしてくれた。最初からそう言えばいい。」


そして彼は私をまた抱きかかえると、背中から真っ黒な翼を広げ大空に飛び上がった。

体は人間のまま、背中から翼が生えている。何だか悪魔っぽかった。


「そんな感じで変身もできるんだ。」


私が感心していると彼は少し照れたように「まあね。」と言った。

気づけば下の方でディアナが何か叫んでいる。


「この高さならファイアーボールを飛ばしても当たらない。安心だ、アリー。」


正直こんな不安定なところで空にいるのは怖くないと言えば嘘になるが、ルーカスが絶対守ってくれる。そんな気がして心強かった。

私はルーカスにぎゅっとしがみつくと、彼は嬉しそうに頬をすり寄せた。


「アリー、高い所が怖いの?怖がるアリーも可愛い!」


私はだんだんコイツのこのセリフに慣れてきてしまっていた。

可愛いと言われて嬉しくないわけがない。

何だかそう言われ続けると、コイツに良からぬ愛情が湧いてきそうで怖かった。



「ルーカス、このままノクスの所に下ろしてくれる?」


彼はすごく嫌そうな顔をしたが「キスしない」発言が効いたのか渋々、本当に渋々ノクスの所に連れてってくれた。


「ありがとう、ルーカス。」


そう言うとルーカスは「ちっ」と舌打ちした。



♢♢♢


取りあえずディアナが追いかけてくる前にノクスの所まで行くと、彼は笑いながら「黒龍を使役するなんてすごいじゃないか。」と言った。

私が「本当に大丈夫?」と聞くと、彼は平然と「風魔法でカバーしたからね。問題ないよ。」と笑った。どうやら私の周りは強そうな人が多そうだ。


そういえばアカデミーに入れること自体、魔法の能力が高かったり魔力量が多いって言ってたから当然と言えば当然なのかもしれないが。


「アリーシャ。取りあえず僕のことは大丈夫だから早く校長の所に行きなよ。」

「うん、ありがとう。また後でね。」


私は建物の中に入ろうとして、ハタと気づいた。

そしてノクスの方を振り返って、すごく馬鹿な質問をした。


「ところでノクス…校長室ってどこだっけ?」


ノクスは一瞬目を丸くしたが、クスクス笑って流してくれた。


「校長室も忘れちゃったのかい?2階の一番奥だよ。」

「ありがとう!」


もう一度ノクスにお礼を言うと、私はそのまま校長室を目指した。きっと後ろからディアナが追いかけて来ているに違いないと思ったが、彼女はノクスの所で立ち止まり何か話している。

もしかしたらノクスが気をきかせてくれたのかもしれない。

やっぱりノクスはよくできたいい子だ。


そして私の後ろにはすぐピッタリとルーカスがついて来ている。

これからどうなるかわからないけど、なかなかこの人生も悪くなさそうだ。


私は校長室のドアを軽くたたき、勢いよくドアを開けた。








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