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【完結】転生したら黒魔法しか使えなかった。でもイケメン黒龍を使役した  作者: 茄乙モコ
【第1章】黒龍ルーカスとの出会い
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第12話 ルーカスの邪心(2)

俺は今まで人の近くで眠ったことは一度もない。

けれどもあの人間の女が目の前で眠っているのを見て、俺はなぜか安心して目をつぶってしまった。

胸が熱いあの感覚はなんだったんだろう。

そうして眠りから意識が戻りかけたころ、女の手が俺に近づくのがわかった。

くそっ…油断した。

やっぱり俺に何かする気で…。しかも黒魔法を(まと)ってやがる。


「お前、今俺に何しようとした!」

「お前…黒魔導師だな?さては俺に…。」


けれど女は血を()こうとハンカチを差し出しただけだった。

体も昨日に比べて遥かに楽だ。もしかして昨日、俺に飲ませたのは回復ポーションか?

昨日よりもはっきりと見える女の姿はやっぱり可愛かった。

どうかしてる…。

でもこの女を見るだけで体がトクトクとして、触りたい気持ちに襲われる。

ああ、美味しそうだ。そしてこの甘い匂い。女の体を覆う甘い魔力。すべてが美味しそうだ。


「美味そうな匂いがする。」


すると女は俺に水を飲ませ、ゼリーを食べさせた。

女が触れたところがやけに熱い。


そうして俺の中にあるはっきりとした感情が現れた。

この女を今すぐ俺のものにしたい!


だが親父のように無理やりじゃなくて、この女の心もすべてがほしい…。

それならば…。

俺は俺のやり方でやろうと思った。

ゆっくりと、時間をかけて…俺の女にしようじゃないか…。

そして幸運なことにその方法もある。

もう少し回復したら言えばいい。俺と契約したがらない魔導師なんていないからな…。

取りあえずこの女をもう少しここに留めておこう。

たとえ逃げたとしても、すぐに捕まえられるしな…。


「しばらく休むからここにいろ。」


しかし目が覚めると女は消えていた。

やっぱり逃げたのかと思ったら、フルーツを取って戻って来た。仲間もおらず一人らしい。


そして女は自分の名前を「アリーシャ」だと教えてくれた。

きっと他の人間どもは、いや男どもは彼女をそう呼ぶのだろう。

俺は他の男と同じ呼び方など気に食わない。だから彼女を「アリー」と呼ぶことにした。彼女も快く承諾してくれた。


俺が川で血を落として戻ってくると、可愛らしいアリーは俺のことを「カッコイイ」と言った。

これは好感触だ。だとしたら話は早い。

俺はアリーに俺と契約するように言ってみる。

なのにアリーは俺が魔物だと気づいていなかったらしい。

その上俺より遥かに劣るちんけな魔物の「モフモフ」を使役したいと言い出した。

冗談じゃない!あんなフワフワしただけのヤツに奪われてなるものか。人畜無害な顔したモフモフに俺のアリーが頬ずりでもしようものなら、俺は奴らを全滅させてやる!


アリーは諦めずに森の中でモフモフを探しているようだが、そもそもこの森にモフモフなどいるはずもない。俺が住み着いてから弱いあいつらは真っ先に逃げ出したのだから。そして俺のアリーに他の魔物が近づかないように殺気をビンビン出してみる。

可愛いアリーは不思議なくらい何も気づいていない。こんなに俺が他の魔物を威嚇しているのに、全く怖がらないなんてこれは運命としか言いようがない。

そして俺はもう一度聞いてみる。

「俺カッコイイ?」

するとアリーは恥ずかしがって頬を赤らめていた。

何て可愛いんだ!こんな可愛い人がこの世界にいたのか!

俺は彼女にぎゅうっと抱きついた。

甘くて美味しそうな匂いと魔力がガンガン伝わってきて、酔いそうだ。


だがその時、俺が魔力を使って威嚇したせいで俺を狙った人間どもに気づかれた。

無駄に魔力を消費したせいで、俺は本来の姿に戻れない。

仕留め切れていない5人ほどの人間が追ってくる。正直これくらいの数なら今の魔力でも何とかなるけど、ここは一応アリーを抱っこして逃げてみる。

どさくさに紛れてアリーを抱きかかえられたのはラッキーだ。

ちらっとアリーを見ると、彼女は俺の腕の中でとても不安そうな表情をしている。

これは…。

もしかすると、お願いするのも一考の価値あり。


「頼む!アリー、俺と契約してくれ!」

「そうすれば俺は本来の力が発揮できる!」


彼女は不安気な顔をし、迷っている。

よし、もう一押し!


「アリー!早く!」




すると奇跡が起きた。



アリーが俺に熱い、熱いキスをしたのだ!



なんって甘くて美味しい!

心臓がバクバクして飛び出そうだ!

ああ、追ってくる人間なんか放っておいて今すぐ君を食べてしまいたい!


そうして俺はアリーを契約という名の鎖で一生繋ぐことに成功した。

立場は使役する君のが上だけど、一生俺と一緒なのに変わりはない。

何よりアリーも俺と同じ気持ちのようだ。

嬉しくてたまらない。


黒龍になって追ってくる人間を蹴散らしてる間にアリーはどうやら気絶してしまったらしい。

可愛いアリー。そんなにビックリしたのかい?

俺は気を失ったアリーをまたぎゅうっと抱きしめ、そして軽くキスをした。

そしたらアリーがぼんやりと目を開けるので、俺のキスで目覚めるなんておとぎ話みたいじゃないかと思っていた。


その後、アリーは俺が裸なのに驚いて真っ赤っかになっていたが、その姿が可愛くてたまらない。

やっぱり彼女にぎゅうっと抱きついた。


「アリー、やっぱ可愛いくて美味しそう。食べちゃいたい!」



アリーは見たところまだ成熟しきっていないようだが、熟れる前の果実はこれはこれでたまらない。

ゆっくり俺の色に染めて行こう。

そう思っていたのに俺はアリーと風呂をする際、まどろっこしい人間のルールを聞かされる。

その時は2年なんて今までの150年と比べれば一瞬だと思って承諾したが、寝る前に彼女に手を握られていると、俺は待たされるこの2年が途方もなく長く感じた。

やっぱり2年待つなんて言わなければよかった。

ところでアリーは俺の手を握るだけで、一体何がしたいんだろう…。


「アリー、何やってんだ?」

「いや、魔力を渡そうとしてるんだけど…。」

「ふーん…。」


なるほど。魔力を…。

だが全然、魔力の魔の字も伝わって来ないぞ。

これは、もしかして…待ってるのか?

何て可愛いアリー。自分からするのが恥ずかしいんだな。


「じゃあ、またあの時みたいにしてみる?」


俺はそう言うと唇をペロっと舐め、彼女の口にキスをした。

すると彼女から甘い魔力が伝わってくる。

やっぱり、そうじゃないか…。

わざと魔力を流さないで、意思表示をするなんて何て可愛いことを!


「アリーも素直じゃないな。俺とキスしたいなら最初っからそう言えばいいのに。」


そうして俺は彼女をぎゅうっと抱きしめ頭にスリスリした。


「やっぱりアリーは最高に可愛い。早く食べたいよ。」


ああ、本当に愛おしい。

アリーは誰にも渡さない。俺のものだ!



♢♢♢



その夜、契約者を傷つけることは使役された魔物は出来ないと伝えると、彼女は少し疑いながらも同じ部屋で寝ることを許してくれた。何よりアリーから離れたら俺が家ごと吹き飛ばすと昼に言ったのが効いたのかもしれない。

そうして俺がソファに横になって眠ったのを確認すると、彼女はベッドに入った。

でもそんなのは寝たふりに決まっている。

可愛い寝息が聞こえてきたのを確認すると、俺は横になっていたソファから体を起こしゆっくりとアリーに近づいた。


確かに俺は契約者であるアリーを傷つけることは出来ない。

だから無理やり彼女を襲うなんてこと無理に等しい。


でも彼女の意識がない時なら、話は別。気づかれない程度のことなら出来るのだ。

俺はアリーの可愛い寝顔を見ながら、ツヤツヤとした金髪を一筋手に取り顔に近づけた。

そうして髪にキスをする。

今日はここまでと思ったけれど、あんまりにも無防備に寝ているのでもう少し悪戯(いたずら)をしてみることにした。


彼女の首筋に顔を近づけ、慎重に優しくキスをする。

そして顔を離すと、彼女の白い首筋にはほんのりピンク色の(あと)が出来ていた。


これくらいはいいだろ?

2年も待ってやるんだから。


そうして俺はまたソファに戻って横になった。

アリーはあの(あと)に気づくだろうか…。

俺はウキウキしながら眠りについた。





やっとルーカスの溺愛・ヤンデレ感が書けました!

良ければブクマや評価・感想をいただけたら幸いです。

そしてこれからも応援よろしくお願いします。


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