4巻 3章 7話
闇将軍、戦艦内。
通路の奥から敵兵の頭が2つ、3つと前進して来るのが見え、柱や仕切り窓の下に隠れながら発砲して来た。
銀河機動隊は通路の中央で遮蔽物に隠れながら応戦している。傭兵チームは通路右側から、遮蔽物に潜む敵兵に手榴弾を投げた。
ドーン!
その隙にギルドチームは通路左側から進む。柱に隠れた敵兵が銀河機動隊員を狙っているのを見つけ、クラウンは撃った。「危ないっ、ロージー!」バン!
銀河機動隊は側面から援護を受けながら、正面の敵兵に集中して発砲し、少しずつ進む。
奥から敵兵は姿勢を低くし、かがんだまま前進して来た。
敵兵数人が、手榴弾を中央に向かって投げようと片腕が見えた瞬間、ブラストは手榴弾に向けて撃った。「ショックウェーブ!」ドン!
手榴弾を跳ね返し、周辺の散乱した物も一緒に吹き飛ばした。
ドーン!ドーン!ドーン!
跳ね返った手榴弾は敵兵を吹き飛ばした。
敵兵を倒しながら、傭兵チームが奥の入り口まで前進し通路に入って行った。銀河機動隊、ギルドも続く。
廊下通路の先で傭兵チームが盾を構え、傭兵は敵兵と手榴弾を投げ合い、そこから動けず交戦となった。
その場で手榴弾の投げ合いが数分間続いた。クラウンはじれったくなり、味方を避けながら前に進み、傭兵長に言った。「僕に代わって。」「あん?やれんのか?」傭兵長が煙たそうに言ったが、クラウンはうなずき傭兵チームの盾に隠れ、フレイヤを呼び出した。
「フレイヤ、手榴弾を箱ごと吹き飛ばして来て。」現れた炎の女神は宙返りし、天井ギリギリを飛んで敵兵に突っ込んで行った。
金網のデッキの先で手榴弾を投げていた敵兵は慌てて銃を構え、フレイヤを狙って天井や壁に向かって撃ちまくった。
ババババン!
ババババン!
フレイヤに銃弾は効かない。フレイヤは先頭で銃を構えた敵兵を蹴り飛ばした。手榴弾の箱の横で敵兵が握っていた手榴弾のピンを抜きとり、フレイヤはピンを指先でくるくる回して遊んだ。敵兵達は口を開け青ざめた。
ドドーン!ドン!ドーン!
敵兵達を手榴弾の箱ごと吹き飛ばし、フレイヤも炎上して消えた。
「いいぞ!クリア!」傭兵長がクラウンの肩をポンと叩き、傭兵チームは盾を構えたまま素早く前進した。
銃撃しながら進む傭兵チーム。銀河機動隊がサポートしながら続き、ギルドチームはクラウンにグータッチしてから続いた。
逃げ惑う敵兵、容赦なく撃ちながら追う傭兵チーム。備品棚やコンピューターが並ぶ機械室で撃ち合いが始まった。犬達は棚の下にぐいぐい潜り込んで行く。
少ししてゴーストが「くうん。」とスノーの横で鳴き、スノーが振り返ると、犬達は靴の箱ほどの荷物を鼻先で押して戻って来た。
ハニと虎徹が箱を開けてみると手榴弾が詰まっていた。ギルドチームはスノーの指示で、棚の下が繋がっているのを確認し、1人1個手榴弾を持ち横に並んだ。
スノーのコール。「手榴弾を見つけた。棚の下から一斉に投げ入れる。退避せよ。」
「ラジャ。退避。退避。」撃ち合いをすぐやめ、傭兵チーム、銀河機動隊は数秒でギルドの元に集結した。
敵兵が機械室に侵入して棚に隠れると、スノーは合図した。「3、2、1、GO。」ギルドチームは一斉に手榴弾のピンを抜き棚の下に投げ入れた。
カン、カン、コロコロ。
ドーン!ドーン!ドーン!ドーン!
機械室の敵兵を倒した。
「クリア!」スノーが振り返ると、ギルドと銀河機動隊、傭兵チームはハイタッチした。
「あと少しで本丸だ!行くぞ!」傭兵長が先頭でメインデッキに進んで行く。
「オッス!」「ウッス!」「オー!」「イエスッ!」みなも気合いを入れ続いた。
メインデッキのシャッターは閉まっていた。銀河機動隊長がヴァルに手招きした。「ヘイ!」「カモン。」ヴァルが呼ばれて前に入ると傭兵達が盾を2つ構えてヴァルの前に立った。ヴァルが構えようとした時、シャッターが勝手に開いた。
ウィーン。ガシン、ガシン。
重装甲の闇将軍が中央に立ち、両脇の機関銃タレットが火を吹いた。
タンタンタンタン!
タンタンタンタン!
無数の銃弾に傭兵2人とヴァルは盾に身を屈め、傭兵が後退りして通路に戻ろうとした。
「踏ん張って!僕がやるっ!スピリット!」ヴァルは機関銃タレットの向き変え、お互いを撃ち合わせた。
タンタンタンタン!
タンタンタンタン!
両脇の機関銃タレットを操作していた敵兵と横にいた敵兵の4人は倒れた。
「いいぞ!交代しろっ!」傭兵達は重装甲の闇将軍に向かって撃ちまくった。
ババババン!ババババン!
闇将軍は撃たれても防弾のゴーグルやヘルメット、重装甲で跳ね返した。
撃たれながらタレットから機関銃を外して抱え、歩きながら撃って来た。
タンタンタンタン!
ババババン!
傭兵チーム、銀河機動隊は通路に隠れて反撃したが、どんなに銃弾を浴びせても重装甲の闇将軍はゆっくり前進して来る。
「次!撃てっ!」傭兵長がリロードしながら、傭兵に指示した。
1人は盾に隠れ、もう1人は威力の高いショットガンを撃った。
ズバン!ズバン!ズバン!
闇将軍は少しよろける程度で、機関銃を撃ちまくる。重たい足取りでだんだん近づいて来る。
タンタンタンタン!
バーン!
銀河機動隊員が手榴弾の残りを投げ込むが、少しよろける程度だった。
タンタンタンタン!
「引けっ!」「下がれっ!」傭兵チームと銀河機動隊は通路を後退し始めた。
T字通路まで戻るとスノーが止めた。「待てっ!ハニ、重装アーマーの弱点はどこだ?」
「あのタイプは腰の後ろのエアパック!」
「オレが引きつける。シシッ、長くは持たないから、クラウンと銃持ってる奴は撃ちまくってくれ。」
「うん!」「オウッ!」「イエスッ!」クラウンと傭兵、銀河機動隊員は言った。
「拙者も参ろう。片腕を落とせば機関銃も持てまい。」虎徹もスノーの横に立った。
「来るぞ!そっちで構えろっ!ゴースト来い。」
スノーと虎徹とゴーストは左の壁際で待ち伏せた。
タンタンタンタン!
闇将軍が機関銃を撃ちながらT字通路に足を踏み入れた。
「フリーズ!」闇将軍は左側に機関銃を向けたままスローモーションになった。
虎徹は地面を強く踏み込み、まっすぐ刀を振り下ろした。
ダンッ!ザンッ!!
闇将軍の片腕を切り落とした。
斬った腕の断面には機械が見えた。闇将軍はヒューマノイドだった。トリガーを引いたまま機関銃もゆっくり床に落ちて行く。
「シェル!」スノーは岩肌になり、虎徹とゴーストの前に追いかぶさり銃弾をガードした。
左を振り向いたままの闇将軍に、右側からクラウン達は一斉に撃った。
ババババン!
ズバン!ズバン!ズバン!
カラン!
集中砲撃で腰のエアパックのカバーが外れた。
クラウンは目を見開いて構えた。
「ロージー!」バーン!
クラウンの火の玉は腰のエアタンクにクリティカルヒットし、闇将軍は腰から全身に引火して倒れた。
ゆっくり転がり燃える闇将軍を見ながら、傭兵長が爆弾を取り出し言った。
「ヒューマノイドは爆破してとどめを刺す!通路の先で待機。行けっ!」
みな走って通路の先に進むと、傭兵長がコールした。「3、2、1、爆破!」
バーーン!!
大きな爆破音が聞こえた。
闇将軍はバラバラに砕けた。マーキングポイントが全て消えた。
「クリア!クエスト成功だ!」
「イエー!」「やった!」「生き延びたぞー!」みなハイタッチして喜んだ。
クラウンは嬉しそうに飛び跳ねるチョコをなでた。「チョコ、出口まで案内して。」
チョコのプリズムにみなついて行き、タラップを登り外に出た。
⭐️
傾いた戦艦の上に立ち、辺りを見回した。傭兵達の乗って来た小型戦艦は半分潰れ、氷山に埋まり脱出が難しい状況だった。
「ここで待つのは危ないから、救助船のベースまで一緒に行きましょ。みんなひとつになって。」ハニは両手を開いて言った。
みな輪になって肩や背中を掴み合った。
「タクシス!」ハニはみなを引き連れて氷の湖を飛び越え、サイプレス号に帰還した。
⭐️
ギルド本部からコール。
「クエストお疲れ様でした。救護船ベースにてお待ちしています。環から離脱して下さい。」
「了解。シシーーッ。サイプレス号、発進。」スノーは大きく息を吐いて救護船ベースに向かった。
⭐️
ハッチが開くと、みなが拍手で迎え入れた。リタイアして生き残ったメンバーも力いっぱい激励してくれた。
残った戦艦の調査や回収作業、救護活動など、みな慌しく働いている。
クラウン達は暖かい飲み物をもらい、ひと休みしていると、銀河機動隊員がやって来た。
「これ、戦艦で見つけたんだ。ギルドの方が君達に渡す様にって。色々とありがとう。助かったよ。」そう言って、ブラストにモジュールを手渡し戻って行った。
「!?、、モジュールじゃん。」ブラストはログを検索してモジュールにコードをかざした。
クラウンはブラストのディスプレイを覗き込んだ。ブラストはメッセージを開いた。
ー命を惜しまない強者達よ。銀河に解き放て。殺し屋を、掃除屋を、虐殺師たちを。己を笑った者には死を。代償を与えよ、暴れろ、一興を楽しもうぞ。魁ー
ブラストは深いため息をついて言った。「はあーあ。闇将軍がトップじゃないんだ。」
クラウンはブラストの隣に座った。「いつか探し当てようよ。」
ブラストは軽くうなずいたが、不機嫌な顔でぶーたれた。
スノーが2人の様子を見て近寄り、モジュールのメッセージを読んで理解した。「まだ負けてねーからなっ。シシッ。」
ブラストはモジュールを握りしめた。
⭐️
続く。
絵:クサビ




