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トレモロ 4  作者: 安之丞


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4巻 3章 8話



イベントクエストを終えたクラウン達は、数日後報酬を受け取り、ギルド本部から休暇を取る様言われた。


ー御功績に心より感謝申し上げます。

闇将軍討伐イベントクエストの結果と報酬をお送りします。

闇将軍討伐イベントクエストの結果をお伝えします。総合21組中、1位Bサイド 傭兵チーム、2位Bサイド 銀河機動隊、3位Bサイドギルドチームでした。尚、Aサイドの4チームと他2チームには特別報酬、勲章と栄誉が遺族または団体に贈られます。


Bサイド ギルドチームには、通常の報酬とともに、他のチームの救助、闇将軍撃破への突破口作り、友好と調和を重視し、優れたチームワーク構築への貢献による特別報酬が贈られます。

今後とも益々のご活躍を願っております。つきましては、イベントクエスト成功後の休養を取って頂きます。1ヶ月以上を目安にご都合に合わせて調節して下さい。


詳細やログ、レポートはこちらをクリックしてご覧下さい。ギルド本部ー


⭐️


サイプレス号。


みなキッチンでブランチを食べている。


「虎徹さん、めっちゃニヤけてる。」ブラストはクラウンに言った。


「莉乃さんとさっきまで話してたからじゃない?」クラウンは笑顔で言った。


ハニが横から話しかけた。「虎徹さん、マメだよね。ねえ、ねえ、虎徹さん。休暇で莉乃さんとどこで会うか決めたの?」


「はい。莉乃様の仕事がティーガーデン星bで終わるので、新婚旅行をする計画中です。」虎徹は嬉しそうに言った。


「いいね〜。僕らも休暇取んなきゃな!ティーガーデン星bで自由に過ごさない?」ヴァルはみなを見た。


「シシッ。そーしよ。虎徹、莉乃様も誘って夕飯どっかで行かね?」スノーは言った。


「それは良いな!莉乃様が喜びます!是非。」虎徹はニタニタした。


「嬉しい〜!ティーガーデンでリフレッシュも楽しみっ。」ハニははしゃいだ。


⭐️


ティーガーデン星b。

マリーナ・バイ・ザ・ベイ・ステーション。


6人と2匹はドックに降り立った。


ゲートの先で朱い傘をさし、袴姿の莉乃と山笠を被った着物の男女が一緒にいた。


「莉乃様!」虎徹は駆け寄り、みなと挨拶をした。


「虎徹様!皆様お待ちしておりました!こちらは修復師の倉本と箔押師の澪(みお)です。食事会は肉骨茶(バクテー)晩餐室の予約をしました。おいしい骨付き肉がたくさん食べれますよ。」莉乃は嬉しそうにお店のログを見せた。


「やったー!」「最高ー!」「シシッ!骨付き肉うまそう!」クラウン達は喜んだ。


⭐️


肉骨茶晩餐室。


円卓をみなで囲んでいる。濃厚なスープやポークリブ、プライムスペアリブ、プレミアムロースリブなどが運ばれて来た。肉は柔らかく、にんにくや胡椒が効いていて、みな何杯もおかわりした。


挿絵(By みてみん)


ゆっくり食事をしながらイベントクエストの話を聞いて莉乃達は大興奮した。


クラウンも莉乃達の仕事の話を聞きたくて質問した。「さっき、金の魔術師って呼ばれてるって聞いて、どんな事したらそんな風に言われるんですか?」


「澪ちゃん、話してあげて。」莉乃は大人しい澪に微笑んで言った。


「へ?あ、その、。金をつかんでふわっと乗せるだけです。」澪は簡単に答えた。


「ふーん。」クラウンはうなずいた。


「クラウン殿、澪ちゃんは天才肌だから説明がないけれど、そんな簡単じゃないのよ。本当はね、とても薄い金のシートを掴む事すら難しいのに、彼女はそれを空中に浮かせて、シワもつけずに、金を乗せていくのよ。その手の動きはとても繊細で優雅で見た人は見惚れてしまうのですよ。」


「そーなんだ!」

クラウンは魔術師と言われる理由がわかって納得した。


「莉乃様、、ありがとうございます。」澪は恥ずかしそうに言った。


ヴァルがもう1人の職人、倉本に聞いた。「倉本さんも魔法使い?」


「僕はなんでもそっくりに直せるくらいかな?」オールバックのスラっとした倉本は優しい顔で話した。


「ワーオ。やっぱり魔術師だ。2人が新婚旅行の間はどう過ごすんですか?」


「僕達も休暇を利用して岩絵具や筆を見にいこうかと。有名な店を何軒か回ってみます。」


「ヴァル殿、倉本さんはどんな色も再現できる、色の魔術師なのよ。」莉乃は倉本に微笑んだ。


「オーウ。阿弥陀村は天才達の集まりだね。」


「いやいや、僕は色を見分ける訓練をずっとゲームアプリでやって、やっとのことよ。お兄ちゃんはおでこの所、ちょこっと黄色が入ったコンシーラーを使うたら、もっと馴染むんやなかろーか?ふぉっ、ふぉっ。」


「そうなんだ!サンキュー!ここ気になってたんだよね。よく見ないと気にならないくらいなのに、すごい!休みの間、コスメ買いに行こ〜。ははっ。」


犬達も骨付き肉にかぶりつき夕食会を楽しく過ごした。


⭐️


翌日。


虎徹と莉乃は2ヶ月間の新婚旅行に出かけた。クラウン達は2人を見送り、自由にリフレッシュ休暇を取った。


⭐️


サイプレス号。


「ブラスト、入るよ?」


ウィーン。


ブラストを呼びに来たクラウンは複数立ち上げられたディスプレイを見た。


「あー。やってると思った!もうこんなに調べたの?休暇中なんだから、魁の事は忘れて遊びに行くよ?」


「うーん、ついついね。ゴメン。今日、何買いに行くんだっけ?」


「昨日、話したじゃん。夢中になりすぎっ。ははっ。これからアンプロの新しいアルバム限定のグッズとか、服でしょー?ヴァルとハニはコスメ、僕は髪につけるやつ買いたいから、ブラスト一緒に選んで。行こっ。」


「っしゃ、着替えて行くか。何着よーかなー。」ブラストはクローゼットを開け、両手にお気に入りのトップスを持ち、体に交互に当てた。


⭐️


クラウン達はショッピングしたり、カフェ巡りしたり、遊びにも出かけリフレッシュした。


⭐️


2ヶ月後。


新婚旅行を満喫し、お土産をたくさん買って戻ってきた虎徹と合流した。その後もチームワークを大切に、クラウン達は色んなクエストに挑戦した。ただ以前と違ったのは、時々殺し屋に襲撃される様になった事。スノーは「一人前のギルドになったって事だろ。シシッ。」と、どっしり構えて、いつも殺し屋達を返り討ちにした。


ブラストは殺し屋から回収したモジュールなどの解析にのめり込む様になり、クエストの合間も捜査を続けた。クラウンは時々、ブラストの熱中具合を心配する様になった。


虎徹は莉乃とクエストの合間に出先で待ち合わせしたり、休暇には時々アースに帰り、虎狼庵の子供達とも仲良くなっていった。


ハニは、残虐な殺し方を要求せず、チームワークを大切にするクラウン達と行動する事で精神的な安定を手に入れた。事業や技術で繋がるクエストに誇りを持って取り組んだ。


ヴァルはクラウン達とのクエストのおかげで収入が上がり、儗体の借金を返すスピードが早まった。逆に働くペースが少しゆっくりになった事を喜んだ。環境活動や動物の保護の仕事も儗体を使って続けている。


スノーはmcsの依頼にクラウンと出かけたり、格闘技を観に行ったり、クラウンとゲームショーに行ったり、どこか子供っぽい所のある2人は変わらずに、みなと冒険を続けた。


お互いのやりたい事を見守ったり、一緒に参加したり、励ましあって過ごした。みな出会った頃より、幸せに過ごした。


⭐️


完



⭐️⭐️


ジョーです。

トレモロ4を読んで下さり、ありがとうございます。心から厚く御礼申し上げます。5巻は13年後、ブラスト編です。最終巻の5巻は短めですが、楽しんで読んで頂けたら幸いです。


安之丞(あんのじょう)


絵:クサビ

あとがき


4巻は愛をテーマに描きました。虎徹に新しい家族ができました。愛にも色んな形があります。真っ直ぐな全力の愛、無償の愛、家族愛など様々あります。読んでくださった皆様が、それぞれの登場人物の中に、何か一つでも心に残る愛の形を見つけて頂けたなら嬉しく思います。そしてシリーズを通して犯罪もピラミッド組織からマトリクス組織など色んな形があり、クラウンは仲間達と一緒に対峙していきました。いよいよ物語は最終章へ向かいます。


毎回、素敵な挿絵を書いて下さる、クサビ先生、ありがとうございました!

いつも「あ!こうなんだ!」「こんな人なんだ!」と、驚きと感動をありがとうございます。色んなイメージを言葉や棒人間を書いて伝えるのですが、汲み取って下さるおかげでお気に入りの挿絵がどんどん増えています。


トレモロ4巻が完成しました。この様な場所があり、読んで下さった方、絵をみて下さった方、改めて感謝。



安之丞

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