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トレモロ 4  作者: 安之丞


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4巻 3章 6話



「みんな、トロフィー持って下層デッキに集合しよう。隊長さん達も手伝って。ついて来て。」クラウンはみなに言った。


みな、すぐさま散らばり下層デッキに集結した。


⭐️


「隊長さん、トロフィーをここに入れて。」クラウンは蜘蛛の卵の型のトロフィーを燃料タンクの投入口に入れた。


コロン。ウィーン。

燃料タンク1が一気に1/3補給された。


「おおーっ!」隊員達は湧いた。


隊長は大きめの山のトロフィーを1つ掴み入れた。コロン。ウィーン。燃料はほぼ満タンになった。隊員達は拍手した。クラウンは笑顔になった。


「私達はいつも戦闘機や小型戦艦を使うので、トロフィーの活用は盲点だった。しかも、こんなにたくさん。素晴らしい。これなら近づけそうだ。」隊長はマップとシミュレーションを使って近づくルートをアドバイスしてくれた。


「クラウン。近づいて、次はどうする?」隊長はたずねた。


「それもとっておきがあるんだよね?ブラスト。」みなブラストを見た。

「ウッス。ブッチさんが護身用に付けてくれた絶縁弾が命中すれば、しばらくハーベスターすら撃てなくなると思う。」


「結構近づかなきゃいけないけどな。」スノーはフォローした。


「いいぞ。隊員達で空になったタンクにトロフィーを補充、私ともう1人も操縦サポートにまわる。必ず乗り込むぞ!」


「イエッ!」「イエス!」「オッス!」みな気合いを入れた。


⭐️


サイプレス号は砲撃を避けつつ闇将軍に近づいて行く。大きな隕石を越えると、さらに巨大な隕石と氷山の中に戦艦が見えた。


戦艦の横にGALAXY FROM CHAOSのペイントをみつけた。「本当に闇将軍の船だ。」クラウンは興奮してログを撮った。


挿絵(By みてみん)


銀河機動隊との連携でハーベスターを3度くらっても、みな落ち着いて対処し、休憩や交代もスムーズだった。


最後に食事をみなで取り、エナジードリンクで乾杯した。


最後の確認をして、全員配置についた。スノーが合図した。「絶縁弾発射!」「ファイヤー!」


ポン!ポン!ポン!


ビリビリビリ。


激しい閃光が広がり、闇将軍の戦艦は停電した。

砲撃も止まった。

「全速前進!」スノーの合図でサイプレス号は、闇将軍の戦艦が隠れている隕石に猛スピードで近づき、氷の湖の近くに着陸した。



サイプレス号にメッセージが届いた。

ーギルド本部より。闇将軍の戦艦が潜伏している隕石要塞に7チーム到着しました。最初に到着したAサイドに4チーム。逆側に到着された皆様はBサイドとなります。Bサイドは3チームです。リタイアしたチームは救護班が向かっています。ー


サイプレス号のハッチが開いた。「ここからは別で。本当にありがとう!お互いベストを尽くそう!」銀河機動隊員達はジェット噴射で移動しながら氷山に沿って登って行った。


クラウンはチョコに言った。「チョコ、イカロスを使って。僕達に合わせると危ないから、駆け抜けるんだ。行けっ!」


チョコとゴーストは岩の上を元気に駆けて行き、あっという間に見えなくなった。「追いかけよう。」クラウン達はチョコのマーキングポイントを追いかけながら、岩を掴み、隠れながら無重力を利用して進んだ。


クラウンはなるべく外を見ない様に岩を必死に掴んだり、岩を押して慎重に飛び出した。


しばらくして、スノーのコール。「クラウン、犬達のポイントが止まったぞ。あと少しだ。」


「うん。あった。通路口はこの先の崖の下だ。」


みな崖を蹴って降りて行き、下の通路に入った。扉を開け、次の通路に入ると重力が戻った。


通路の先に十数人の人影が見えてきた。銀河機動隊と傭兵チームが集まっていた。銀河機動隊は軽く手を挙げて挨拶した。傭兵チームはこちらを睨んで絡んで来た。「腹減ったー。さっさとしろよー!」「先着順だからって犬を使うのはズルいよな!」


銀河機動隊の隊長が間に入った。「これはイベントクエスト。先着順がルールだ。問題ない。」「先に扉を開けようとして、開けられなかったのを見たぞ。」隊員も言った。


傭兵達がさらにギルドチームを睨んだ。クラウンは少しうつむき、空気に耐えられなくて言った。「お先に失礼します。」


寒さと空腹でストレスが溜まった傭兵の1人が、クラウンが目の前を通り過ぎた瞬間、後ろから殴った。

ポカン!


「このヤロー。」キレたスノーが傭兵の首根っこを掴み、側頭部を押して突き飛ばした。


「テメー。」スノーの横から、もう1人の傭兵が飛びかかって、もう1人も乗っかり、スノーを2人がかりで殴った。虎徹は助走をつけて後ろから高く飛びかかり、スノーを殴る傭兵の上に体当たりで乗っかり、クラウンを殴っている傭兵に手を伸ばし、後ろに引き倒した。


クラウンとブラストは傭兵2人に囲まれキックとパンチのラッシュにガードしてうずくまった。


慌てて銀河機動隊が止めに入ったが、止めたというより、ギルドチームの反撃に加勢した為、大乱闘になった。


挿絵(By みてみん)


ヴァルは向かってくる傭兵長に手をかざした。「スピリット!」傭兵長は瞳が紫色のグラデーションになり目眩を起こしてふらふらになった。


「みんなやめてっ!タクシス!!」ハニは両手を広げて上下に振った。


「おわっ!」「だーっ!」「おろせ!」「うわわっ」

みな黄緑色のオーラに包まれ、宙に浮いたままバランスを崩し動けない。傭兵達は顔を歪めて歯を食いしばり悔しがった。


ハニはゆっくり地面にみなを降ろすと、パッと手を離してタクシスを解除した。


犬達は、傭兵達に入り口の資材置き場の上の箱に入れられていた。ハニがクラウン達に駆け寄り、スノーは犬達を助けた。


他のチームが開けられなかった入り口にヴァルは手をかざした。「スピリット。」ギリギリギリ、カッチャン。戦艦の扉が開いた。


傭兵チームは驚いた。


虎徹が扉の前で見張り、クラウン達は扉の中に入った。小さなステップの下からはエレベーターのワイヤーや通気口などが見えた。ハニはタクシスを使って、ギルドのみなを引き連れ、エレベーターのワイヤーにそって降りていった。


開いた扉から明かりと通路が見えた。ハニは耳をすませた。「静かね。」と言い、警戒して通路に入った。


傭兵達、銀河機動隊はロープ降下して順にやって来た。


扉の横で、クラウンはしゃがみ、チョコのイカロスを使ってマップを確認していると「どけっ!」傭兵チームが装置を使ってセキリュティーロックを開け、先に入って行った。銀河機動隊も続いて入ったが足がすぐ止まった。クラウン達も中を見た。


戦艦の中は銃撃戦のあとで、仕切り窓や壁には弾痕やひび割れ、床には破損した物が散乱し、非常灯の赤いランプが点滅していた。


傭兵達はかがんで前進した。銀河機動隊は横の部屋に入り、ログを撮ったり証拠品を探している。


ババババン!

バン!バン!


銃撃戦の音が響き、クラウン達は床に伏せた。


ギルド本部のコール。「Aサイド全滅。回線オンのままBサイド、突入開始。」


傭兵チームのコール。「ラジャ。クリア。前進。」


銀河機動隊も武器を構え、階段を上がって行った。


コールを聞いたクラウンの鼓動は高まった。

スノーと虎徹を先頭に通路を進む。階段横の通路にマーキングポイントが1つ。虎徹が忍びより、背面から敵兵の喉を刀で静かに斬った。


その先の部屋にマーキングポイントが2つ。歪んだブラインドの隙間から人影が見える。スノーがブラインドの隙間から狙う様にクラウンに合図した。クラウンはゆっくり手を開きブラインドの隙間に両手をかざした。


「ロージー!」バン!バン!ヘッドショットで敵兵を2人倒した。


スノーのコール。「クリア。前進。」


階段を上がって行くと、2人の銀河機動隊が止まれの合図をした。スノーはしゃがみ、みなに止まれの合図した。


ズバン!!銀河機動隊が下のフロアの敵兵を狙撃した。「クリア。前進。」銀河機動隊は階段を下りて行った。


クラウン達も下のフロアに降りると衝撃的な光景が広がっていた。


床に血を流し倒れた黒いスペーススーツの傭兵達。爆撃され一部が黒く焦げた、グレーに紫のラインのスーツの銀河機動隊員達。吹き飛ばされ、キャビネットや棚の上に倒れたカラフルなスペーススーツのギルド達。銃弾を無数に浴びた迷彩スーツの特殊部隊員達。敵兵の死体も、あちこちにあった。


Aサイドの無惨な姿にクラウンは一度目を背け、マップを見たが、マーキングポイントはなく、生存者はいなかった。


銀河機動隊のコール。「正面から大勢来るぞ!攻撃に備えろ!」


⭐️


続く。

絵:クサビ

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