4巻 3章 5話
格闘技会場の関係者入り口で、クラウン達はスノーが出てくるのを待った。
スノーの傷はシャワーを浴びて回復し、スタッフからは、いつでもチャンピオンとして参加して欲しいと誘われた。スノーはみなぎる闘気を纏い、会場から出てきた。クラウンはスノーの姿が見えると気持ちが高ぶり、スノーに駆け寄りハグした。みなもスノーとハグをした。犬達もスノーに飛びつきはしゃいだ。
「さすがに3連続はキツかったー。」スノーはみなの顔を見てホッとした様子で言った。クラウン達の興奮は全然冷めていなかった。「ハニ達は酔ってんのか?」スノーがクラウンに聞いた。
「うん。ハニ達は飲んでるね。みんなでスノーに賭けたんだよ。20倍になったから、それもあってより嬉しい感じ。」クラウンは笑顔でエナジードリンクをスノーに渡した。
「サンキュー。相変わらずちゃっかりしてんな!シシッ。そんで、いくら賭けたんだよ?」スノーはエナジードリンクを一口飲んだ。
「5000クレジットの20倍だから10万クレジットになったよ。ははっ。」
ブーッ!スノーはエナジードリンクを吹き出した。「シシッ。マジか、、探索衛星買えるな。」
「それいいね!リストに衛星手に入れたらトロフィーもらえるクエストあったよね?」
「おう!オレが負けてたらシャレになんねー金額だぞ。味しめて大金をギャンブルに使うなよ。」
クラウンは笑顔でうなずいた。
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それから、手に入れたクレジットの使い道はみなで話し合って、探索衛星を購入した。探索衛星は新しいエリアを発見したり、資源の収集に役立つ。みな思い思いのメッセージを衛星に記し、宇宙平和を祈って探索衛星を打ち上げた。
「解放」のトロフィーを手に入れた。
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プロキシマケンタウリcのステーションで、少しの休暇と準備や補給を済ませ、イベントクエスト 闇将軍討伐の解禁日となった。
サイプレス号のモニターにメッセージが届いた。
ー討伐解禁日です。体調は大丈夫ですか?メディカルチェックを済ませ、クエスト詳細をクリックして、エントリー下さい。ギルド本部。ー
みなメディカルチェックを済ませ、詳細をクリックしてクエストにエントリーした。巨大な環をもつJ1407にマーキングポイントがついた。読み通りの場所に、クラウンとブラストはハイタッチした。
「まだ到着まで数日かかりそうだな。」スノーが操縦席で言った。
となりでサポートしているヴァルはログの更新を見ている。「あっ、また参加グループが増えた。もう9組エントリーして向かってる。近くまで来てたのに、それでも出遅れたって事?僕らの出番あるかな〜。」
ヴァルの横の席で、クラウンはチョコを抱えて座り、チョコの顔や耳の周りを拭きながらなでている。「何があるかわからないから、様子見ながら行こう。」
「OK!焦っちゃダメだね〜。」ヴァルは、はやる気持ちを落ち着かせた。
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数日後。
J1407が見えた。
巨大な環は、巨大隕石や氷の塊、宇宙デブリが無数に続いている。
「結構近くまで来たよ〜。」ヴァルがみなを手招きして呼んだ。
「僕たちエントリー21組中18番目だ。」
「うおっ!」
「すでに撃ち合ってるな。」
閃光を放つミサイルが飛んできて、戦闘機を撃墜した。
隕石の合間で砲撃戦が始まっていた。
みな息をのんで黙ってしまった。
ディスプレイには20組中18番目と表示された。
数分間の沈黙の後、ハニがスノーに近づいて言った。
「スノー、相談してたやつ、やっぱり役に立ちそうじゃない?」
「おー、だなー。シシッ。」
「え?何?まさかカエサルで飛び出すとか言わないよね?無茶だよ。」クラウンは慌てた。
「ちがうー。私、地雷除去のクエストしたでしょ?回収した地雷、処分に困ってたから引き取ったの。今回使うかもしれないし、サイプレスは戦闘機じゃないから乗せていい?ってスノーに相談してたのっ。見て、砲弾熱源に対して反応してるから、地雷を放出して、隕石に隠れながら近づけると思う。地雷をきっと撃ちにくる。」
「よしっやろう。」「オー!」「ホウ!」手を叩いたり、みな怯んだ気持ちを奮い立たせた。
クラウンとハニ、虎徹はシャトル内を無重力モードに変え、地雷の準備をした。スノーとブラスト、ヴァルは運転に集中した。
地下下層デッキ、貨物室に降りたハニはエアロックし、地雷処理ボックスを開け、クラウンと虎徹は、排出口から地雷をそっと5つ放出した。
ハニは地雷から距離が取れると合図した。サイプレスは隕石の陰へ全速力で退避した。1分後、闇将軍の戦艦は地雷を撃ち爆発させた。サイプレスは攻撃されないように、地雷を陽動に使いながら闇将軍を追いかけた。丸1日戦いは続いた。
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2日目。
18組中、14番目。
休憩を取りながら交代で見張りをした。クラウンの番が来た。眠たい目をこすり、窓の外を見た。クラウンは砲撃の間合いが短くなっている事に気づいた。
「近づいてるね。」クラウンは寝起きの声で言った。
「起きた?」ブラストは小声で答えた。
「うん、交代してくる。あともう少しで戦艦見えそうじゃない?はわー。」クラウンは大あくびした。
その時、オレンジ色の閃光が窓から差し込んできた。
ドゥーーン。
「まぶしっ!」クラウンは思わず目をつむった。ゆっくり目を開けると、真っ暗になっていた。
「落ちたっ。」ブラストがキョロキョロあたりを見渡した。
クラウンとブラストはギルドスーツのライトを光らせた。スノーが慌てて貨物室から戻って来た。「どうした?あっ、燃料が切れてっぞ。」
「ごめん!すぐ再起動させる。」ブラストは慌てて燃料タンク2に切り替えた。数分でサイプレス号は再起動した。
ハニも慌てて起きて来た。「交代する前、まだ半分くらいあったよね?」ハニは首を傾げた。ブラストも思い出した。「だよね?焦ったー。おかしいなーって思った!燃料漏れしてないか見てくる。」
「僕も行くよ!」ヴァルも起きて来て一緒に下層デッキに向かった。
誰もいなくなった操縦席にクラウンは座った。「チョコ、おいで。」チョコは走って来て、クラウンの足に前足を乗せた。クラウンはチョコを抱き上げた。戦況を見ながら、心と喉のあたりが震えた。チョコの頭にあごを乗せて考えた。「あの中に入っていくんだ、、嫌だな、、中はどうなってるんだろう、、誰か早く着かないかな、、ううっ、、怖いんだけど、、」
「クラウン殿、大丈夫か?」クラウンが振り返ると虎徹もゴーストを立ったまま抱えて撫でていた。
クラウンは虎徹を見て、少し落ち着きを取り戻し、少し笑って言えた。「大丈夫。」
点検を終えたブラスト達が戻り、ハニとスノーは朝食を持って来た。
6人と2匹はスープとサンドウィッチを食べながら、交代のタイミングや戦況の確認などを話し合った。
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数時間後。
クラウンは夕飯をハニとキッチンで食べていた。「こっちの味も美味しい!ハニ、ひとくちいる?」「いるー。つるつる、、んっ!ホントだ!おいしー。私のもひとくち食べる?はい。」
ハニが笑顔で差し出すと、再びオレンジ色の閃光が窓から差し込んできた。
ドゥーーン。
電気が消え、真っ暗になった。
「きゃっ!」ハニは驚いて固まった。
「また落ちたー。」クラウンのギルドスーツが光り、辺りがぼんやり見えた。ハニは器をテーブルにゆっくり置いた。
クラウンがハニの手を引いて操縦席に行くと、ヴァルが困った顔で燃料タンク3に切り替えていた。「どうなってるの〜?」ヴァルは2人をみるやぼやいた。数分でサイプレス号は再起動した。
「ヤベーペースだなー。燃料もつか?シシッ。」スノーも起きて来た。ブラストも起きて来て、深いため息をついて言った。「はあーまた?少しは節電になるかも。サイプレスー、ナイトモード。」船内の照明が薄明かりになった。
虎徹も起きて来て、犬達と窓の外を警戒している。
キラッ、キラッ。
ワン!ワン!ワン!
犬達がライトに気づいて吠え出した。
「来てくだされ!誰か助けを求めてる!」虎徹が呼ぶと、みなでライトが光ったあたりを照らした。
隕石の窪みに逃げ込んだ銀河機動隊員達が、小型戦艦のハッチを開け、白いフラッグと白いライトを振っていた。
スノーが操縦席に座り、サイプレスをゆっくり銀河機動隊の小型戦艦に近づける、クラウンたちはハッチを開き、銀河機動隊員達を救助した。
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5人の銀河機動隊員を救助した。みな、寒さと疲労で震えていた。
スノーとハニは地雷を使って、別の隕石の陰に移動した。
クラウン達は慌ただしく銀河機動隊員のケアをしている。
「これ、ブランケット。」クラウンは凍えている隊員達にブランケットを配った。
「っあ、ありがと、ハッ、ハッ、、昔、飼ってた猫が見える。」隊員は唇を震わせ言った。
「あれは僕の犬です。温かいですよ。おいで、チョコ。」クラウンが呼ぶとチョコは隊員の懐に潜り込んだ。
「ああー。あったか〜い。」
ブラストはスープを配っている。「これ、どうぞ。熱いんで気をつけて食べて下さい。」
隊員の1人が器を受け取らなかった。「食べられそうにない。」
「3日も食べてないんでしょ?少しなめるだけでもいいので食べないと、本当に食べれなくなったら大変です。ゆっくりでいいから。」ブラストは隣に座って励ました。隊員はスープにスプーンをつけて持ち上げ、少しずつ舐めた。
ヴァルと虎徹で傷の手当もしてまわった。
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3日目。
17組中、11番目。
砲撃戦はさらに激しさを増し、サイプレス号は危険地帯に近づけずにいた。その間に救助した隊員達はどんどん回復した。
銀河機動隊の隊長が丁寧にお礼を述べて、朝食のスープとサンドウィッチを一緒に食べた。一晩で隊員達の顔色は良くなり体調はずいぶん回復した。
合同でどうやって近づくか話し合っている時、再びオレンジ色の閃光が窓から差し込んできた。
ドゥーーン。
「ハーベスターだ!」「またハーベスターか!」隊員達が言った。
「ハーベスター?」スノーは聞き返し、最後の燃料タンク4に切り替えた。数分でサイプレス号は再起動した。
明かりが戻ると、銀河機動隊、隊長は操縦席の横にサポートについた。
「3日間、これをくらい続けて燃料が枯渇した。エネルギーの収穫者、闇将軍のハーベスター波を攻略しないと。君達の燃料もこれで終わりだろ?」隊長の言葉に隊員達は暗い顔になった。
「ううん。僕達いっぱい燃料持ってるよ。」クラウンは隊長に言った。
「予備タンクを積んでるのか?」
「トロフィーいっぱい持ってるから。」
銀河機動隊員達はクラウンを一斉に見た。
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続く。
絵:クサビ




