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トレモロ 4  作者: 安之丞


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22/22

4巻 3章 4話



みなクエストの報酬にトロフィーが付いたものを選び、トロフィーを集めながら銀河を旅している。


「ブラスト行くよー。」クラウンとチョコはクエストに出かける支度ができた。


「っしゃ。行くか!あー、ずっと座ってたから体が鈍った。」ブラストは体を左右に捻りながら出てきた。


ハニも支度して出てきた。「今日は2人で行くの?」


「うん。害虫駆除に行ってくる。ハニは?」クラウンは返事をした。


「うわっ、大変ね。私は地雷除去よ。」


「今夜のスノーの試合はみんなで行こうよ。」ブラストが誘った。


「ハニも夜には来てよ。僕、今からもうドキドキしてきた。」クラウンは胸に手を当てた。


「絶対行く!2人とも害虫にやられないよーにね。うふふ。また今夜ね〜。」ハニは1人でクエストに出かけた。


⭐️


クラウンとブラスト、チョコはステーションからバスに乗り込み、鉱山に住み着いた蜘蛛と卵のうの駆除に向かった。


人気のない鉱山に到着した。クラウンとブラストはワッペンを軽くぶつけて気合いを入れた。坑道には空のトロッコやピッケル、スコップが点々とある。壁には電球が道なりにぶら下がっている。奥に進むと最初の広間に足場が組まれていた。クラウン達は気をつけながら登り、次の坑道で蜘蛛の卵をたくさんみつけた。


クラウンはブラストと目を合わせ、うなずいた。クラウンは手をかざし呼吸を整えた。「ロージー。」バン!メラメラ。蜘蛛の卵は燃え尽きた。


「全然いけるね。」クラウンは自信を持ち、そのまま5発連続で蜘蛛の卵を燃やし、坑道は片付いた。


「楽勝ー。6発撃てるよーになってんじゃん。」ブラストはそう言って、クラウンとハイタッチした。


さらに奥に進みながら、クラウンはスタミナが回復すると、ロージーで蜘蛛の卵を次々と焼き払った。


また足場のある広間にでると、鉱山労働者が蜘蛛の糸で繭にされている。天井から繭になった死体が数体ぶら下がっている。ブラストとマップを見ると、奥の広間で坑道は途絶えている。


ブラストが眉をひそめた。「奥の広間、天井高いし蜘蛛の巣だらけでボス蜘蛛いそうじゃね?」


「絶対いるよね。気味が悪いからここで呼び出していい?」


「その方が早そーだな。クラウン頼んだ。」


「フレイヤ!奥にいる大蜘蛛を倒してきて!」クラウンは炎の女神を呼び出した。


炎の女神フレイヤは体を前に傾け奥の広間に飛んで行った。クラウン達は入り口からその様子を見守った。


フレイヤが火の玉で蜘蛛の卵を破壊しながら広間の中央に立つと、天井から2m程ある巨大な蜘蛛が降りてきた。


「やっぱり出た!」「っしゃ行け。フレイヤ!」クラウンとブラストは応援した。


フレイヤが火の玉を撃つと、大蜘蛛の顔面に当たり、大蜘蛛は足をちょこちょこ動かして後退りした。次の瞬間、大蜘蛛は大量の糸を吐き出し、フレイヤを糸で包み手繰り寄せた。フレイヤの入った繭が燃え上がり、フレイヤが中から繭を破って飛び出した。フレイヤは大蜘蛛の腹を下から蹴り上げた。大蜘蛛はひっくり返った。


ドフ!ドシーン!


フレイヤは大蜘蛛の腹に乗り、火の玉のラッシュを撃った。


バーン!バーン!バーン!


大蜘蛛の体はどんどん燃えながら膨れあがり3m程になった。フレイヤは時間切れとなり、大蜘蛛の腹の上で大炎上して消えた。


蜘蛛は暴れながら、ひっくり返って起き上がり、燃えながらクラウン達に向かって来た。


「うわっ!」「ヤベー!」


大蜘蛛が糸を吐き出した。ブシュ!


ブラストは逃げながら構えた。「ショックウェーブ!」ドン!糸を跳ね返し、大蜘蛛は糸と一緒にさらに燃え上がった。大蜘蛛の体はさらに膨れ上がり、破裂寸前だ。


「ブラスト!弾けるタイミングに合わせよう!」クラウンは足場を駆け上がりながら言った。


「ウッス、やるしかねー!行くぞ!」

「うん!」

クラウンはチョコを抱えた。


足元に向かって、燃え盛り膨れ上がった大蜘蛛が真っ直ぐ突っ込んで来た!

クラウン達は大蜘蛛めがけて足場から飛び降りた。

「わー!ロージー!」

「ゔー!ショックウェーブ!」

チョコからプリズムが出ると大爆発した。


ドカーン!!

ドカーン!!


大蜘蛛は破裂した。クラウン達は大爆発を起こして衝撃を免れた。


ドチャドチャ。大蜘蛛の紫色の体液を全身に浴びた。


「うえーっ。」「ドロドロ、最悪っ。」クラウンとブラストは「卵のうの破壊者」のトロフィーを手に入れた。


⭐️


朝早くから虎徹とヴァルは別の山に来ていた。山道の途中、水飲み場でひと休みしている。


「ヴァル殿!これは運ぶだけでトロフィーが貰えるそうです。やりましょう!」虎徹は嬉しそうにギルド装備のストールを取り出した。ウォーターボトルを数本包んでいる。


「追加トロフィーゲット〜。虎徹、何本持った?」

「6本です。」

「え?!そんなに?じゃ、じゃあ〜僕も同じ数いこう。」

ヴァルもストールを出した。

2本残ったボトルを見た、虎徹とヴァルは目を合わせると、一本ずつ追加して縛り直して背負った。2人は息をふうふう吐きながら山頂の近くの山小屋にウォーターボトルを届けた。山頂の寺院にお参りをしてサインを貰い、「巡礼者」「山のボランティア」のトロフィーを手に入れた。


⭐️


ハニは地雷除去が終わり「命の守護者」のトロフィーを手に入れた。音楽を聴き歌いながら車を走らせ、夜の格闘技会場へ向かう。会場周辺だけ照明が連なり、闇夜に浮かぶ闘技場が見えた。


ハニは売店でビールを買って飲みながら会場に入った。劇場型のスタジアムの中央へ降りて行き、クラウン達を見つけて合流した。


「ハニ!お疲れー、カンパーイ!」みなごくごく飲んだ。


「ね、ね、スノーにいくらベットする?」ハニはほろ酔いで聞いた。


「そっか。僕らも賭けていいんだった!1000クレジットいこうかな。ははっ。」クラウンは大きくでた。


「オレも」「私ものった!」「拙者も」「OK〜みんなで1000ずつ出し合って5000クレジット買っちゃうよ!」ヴァルはベッテイングチケットを購入した。


しばらくすると会場の電気が消えた。


フォー!!大歓声があがる。


チャレンジャーの入場口がライトアップされ、ドラムの音が鳴り響く。


アナウンサー「今宵のチャレンジャーの登場だーっ!岩石竜のースーノーッ!!」


スノーが両手をあげて入場し、リングに上がった。クラウン達は力一杯応援した。


「対しまてー、チャンピオンズから。激闘の音を聞きたいか?耳をすませ!かみきりーレーミーッ!!」


大歓声の中、チャンピオンの入場口がライトアップされ、ドラムの音が鳴り響く。


かみきりレミーが手を横に広げて一周グルっと回り、拳を顔の近くで構え、揺れながらリングに上がった。


試合開始のトランペットが一斉に鳴った。

プーッ、パァーッ!

ドン、ドン、ドン。ドラムが一定のリズムで鳴る。


スノーが構えて近づくと、レミーはロープをひょいと飛び越え、コーナーポストの後ろでロープを噛んだ。

ギリギリギリ、ガチャーン!レミーはロープを噛み切って外すと、ニヤっと笑って牙を見せた。スノーが片眉を下げると、レミーはロープを持って振り回し、スノーにバチバチ当ててきた。スノーは片手でガードしながらロープを掴み、ぐいっと引き寄せた。スノーが力いっぱいロープを引くと、レミーが手を離した。スノーはバランスを崩し尻もちをついた。レミーはその瞬間飛びかかり、スノーの足首に噛みついた。ガブガブ!ギリギリ!レミーの鋭い牙がスノーの足首に喰い込む。スノーは歯を食いしばり、反対の足でレミーの顔面を数回ガンガン蹴った。レミーは蹴られる度に頭がのけぞってきた。スノーが勢いをつけて強く蹴ると、レミーは素早く離れ蹴りをかわした。レミーはコーナーポストに飛び上がり、観客をあおった。大歓声が上がる。スノーは足首から流血し立ち上がった。


大きく口を開けて飛びかかってくるレミー。スノーは片手で喉を掴み上げた。レミーは足をジタバタさせた。

スノーがもう片方の手でレミーのベルトを掴んで高く持ち上げると、レミーは浮きあがったまま仰向けになった。

スノーはレミーの背中を床に叩きつけた!バーーン!!スノーはサウス・オブ・ヘブンを決めた。レミーは白目になってダウンした。


カン!カン!カーン!試合終了の鐘が鳴った。勝利のトランペットとドラムが鳴り響く。


スノーはリングのコーナーポストに寄りかかり呼吸を整えた。


アナウンサー「ウェーブ2ーッ!チャンピオンズからー。秒殺してやるっ!蝋燭(ろうそく)売りのミーッキーッ!!」


大歓声の中、チャンピオンの入場口がライトアップされ、ドラムの音が鳴り響く。


蝋燭売りのミッキーがしなやかな身のこなしで軽やかなステップを踏みながら入場した。


スタッフがリングのロープを全て外してレバーを引くと、リングを囲む床の金網から炎があがった。


「マジかよ。シシッ。」スノーはリングの中央でミッキーを待った。クラウン達は力一杯応援した。会場は熱気に包まれた。


ミッキーは勢いよく炎の中に飛び込みリングに上がった。


試合開始のトランペットが一斉に鳴った。

プーッ、パァーッ!

ドン、ドン、ドン。ドラムが一定のリズムで鳴る。


ミッキーはしなやかに体を揺らしステップを踏み、スノーと間合いをとった。両者は見合ったままリングを回る。


ミッキーが助走をつけて片足で前蹴りし、そのまま突進してきた。スノーは体を斜めに引いて避けると、コーナーポストを蹴ってミッキーは足裏でスノーを蹴り飛ばした。ミッキーは体をくねらせ、もう一度コーナーポストにダッシュし飛び乗り、両足を揃えて飛び蹴りした。スノーは足を開いて側転し、ミッキーは足の間を通り抜けた。ミッキーが片膝をついて着地すると、スノーは駆け込み片足で踏み乗り、ミッキーの頭を床に打ちつけた!バゴン!!カーブストンプを決めた。ミッキーは目がクラクラして立ち上がれずダウンした。


カン!カン!カーン!試合終了の鐘が鳴った。勝利のトランペットとドラムが鳴り響く。


スノーはリングのコーナーポストに寄りかかり呼吸を整えた。


アナウンサー「ウェーブ3ーッ!本日最後のチャンピオンズからー。どっちが強いか決めようぜーっ!狂拳のフィールーッ!!」


大歓声の中、チャンピオンの入場口がライトアップされ、ドラムの音が鳴り響く。


狂拳のフィルは拳を顔の前で3回ぶつけ合って両手を振りながら入場した。


スタッフがコーナーポストから離れる様にスノーに合図して、レバーを引いた。コーナーポストから10cm程のスパイク棘がいくつも出てくると、コーナーポストは一斉に回転し始めた。


「ぶっ飛んでんな。シーッ、シーッ。」スノーは脱力してリングの中央でフィルを待った。クラウン達は立ち上がって応援した。会場は興奮の渦に包まれた。


フィルは炎を走り抜けリングに駆け上がった。


試合開始のトランペットが一斉に鳴った。

プーッ、パァーッ!

ドン、ドン、ドン。ドラムが一定のリズムで鳴る。


フィルは素早いジャブを打ちながら間合いを詰めてくる。スノーはコーナーポスト越しになる様に間合いを取る。フィルはフェイントをかけてスノーに真っ直ぐパンチを打ち込んだ。スノーは片手を曲げガードし、片足を大きく上げて蹴り込んだ。フィルはコーナーポストに隠れる様に避けた。スノーは蹴りを避けられたが、バックから肘打ちした。フィルは顔面をコーナーポストに打ちつけ、眉間と鼻先から流血した。


「ウオーッ!!」フィルは体当たりで駆け込み、スノーの胴を両手で抱えると高く持ち上げ走った。回転するコーナーポストにスノーの顔を押し当てた。スノーの頬と目尻に3本線の傷がついて流血した。


「うおー!」スノーは吠えた。スノーは体を振り上げ、両足でフィルの首に絡みついた。抱えていたフィルはバランスを崩してスノーの下敷きになった。ドフッ!スノーは立ち上がり、両手を組んで、半分起きて来たフィルの肩に振り下ろした。ドーン!肩を抑えて片膝をついたフィルにスノーは近づき頭部を脇に抱えた。そのままフィルの両脇に腕を差し込み、スノーは足を大きく振りかぶって後ろへ倒れ込み頭を床に突き刺した!バーーン!!デスライダーを決めた。


フィルはゴロンと仰向けになって倒れ、一瞬落ちた。フィルはハッとして数回瞬きしてスノーに起こしてくれと手を伸ばした。

スノーは手を伸ばしてフィルを起こした。フィルはスノーの腕を高く持ち上げ、勝利を讃えた。


挿絵(By みてみん)


カン!カン!カーン!試合終了の鐘が鳴った。勝利のトランペットとドラムが鳴り響き、会場はスノーコールが起きた。


アナウンサー「今宵のチャンピオンはー、岩石竜のースーノーッ!!」


スノーは格闘試合、初級3ウェーブを達成し「猛き牙が閃く時」のトロフィーを手に入れた。


⭐️


続く。

絵:クサビ

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