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トレモロ 4  作者: 安之丞


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4巻 3章 3話



ブラストの部屋。


クラウンとブラストは、一日中ロックを聴きっぱなしで闇将軍の捜索に熱中している。クラウンはネットに闇将軍に関する情報募集のスレッドを立てた。書き込まれたコメントをスクロールしている。


ブラストは()のある惑星や恒星を調べている。「サターン、ウラノス、ネプチューン、太陽系以外だとケンタウリ方向に恒星J1407があって、サターンの200倍くらいあるね。怪しくね?」


「うーん。僕も隠れるならJ1407選ぶかなー。サターンの環って氷の塊だっけ?」クラウンはブラストに聞いた。


「そう。サターンの環は27万km。200倍だと540万kmだ。J1407周辺の探索衛星に引っかからないからなー。」


「でかっ。探すだけでもかなりの燃料かかるよな〜。」クラウンは頭の後ろで手を組んで椅子にもたれて、ブラストをぼーっと眺めた。


ブラストは立ち上がって、机に重なった荷物から小包を一つ取って開けた。嬉しそうに笑ってクラウンにトロフィーを見せた。


挿絵(By みてみん)


お奉行の松平様から贈られた、扇子の形のあっぱれトロフィーを棚に飾った。「僕もあとで飾ろ。、ん?あれ?はわ!トロフィーの方がコスパいいかも、、。」クラウンは閃いて、大きく息を吸ってクエストの検索を始めた。


⭐️


夕飯のオーガニックプレートをみなで食べている時、ギルドから通達書が届いた。


スノーはレタスをもぐもぐしながら言った。「サイプレス、読んで。」


ー通達書。皆様の日頃の働きにより「闇将軍」の所在は、57日後に特定できる見込みです。確定後、クエスト討伐解禁となります。クエストを潤滑に遂行する為、通常のクエストは1人または1組のみのエントリーですが、闇将軍討伐にはエントリーの制限はありません。情報協力を頂いた、特殊部隊、傭兵チーム、銀河機動隊、ギルドに優先してお知らせしています。討伐者もしくは討伐グループに特別報酬が支払われます。複数で討伐した場合は貢献度に応じた分配となります。最低保証も通常通りございます。なお、一定期間を過ぎても討伐がなされない場合、ギルドの討伐リスト入りし、一般クエストで公開されます。ご了承ください。推奨レベルは100です。クエストへのご参加お待ちしております。ギルド本部ー


「うわっ!何これ?初めてみた。」クラウンは驚いた。


「イベントクエストだ!久しぶりに招待来たー。」ハニは興奮して立ち上がった。


「クラウン、計画の話、みんなにしようよ。」

ブラストはクラウンの顔を覗き込んだ。


「うん。ブラストと考えたんだけど、元々闇将軍が居そうで怪しいって思ってた所があるんだ。解禁日までまだ時間があるから、ケンタウリ方向に向かいながら、トロフィーが報酬に付いてるクエストを優先して受けたいんだ。いい?」


「いーぜ。シシッ。」「余裕ね!」「OK〜」スノー、ハニ、ヴァルは快諾した。


虎徹はうなずいた後に、手を挙げた。「拙者、レベルが足りぬ。無念。」


ヴァルがパッと明るい表情で、虎徹の肩に手を置いて言った。「大丈夫!ハニと僕は100超えてるし、あくまで推奨だから。虎徹は間違いなく強いよ。レベルなんてそのうち上がるさ〜。」


「オレも100いってねーよな?シシッ。一回、レベル確認すっか。食べ終わったら順にzoneに入ろう。」


「うん!ハニ、後でイベントクエストやった時の話聞きたい。」クラウンがハニに言うと、イベントクエストをやった事のないスノーと虎徹もうなずいた。


「じゃあレベルチェック終わったら紅茶淹れるからお茶しながら話そう。」ハニが笑顔で言った。


「うん。僕、お菓子もってこよー。」クラウンは未知のクエストにドキドキとワクワクが混ざった。


みな、もりもりオーガニックプレートを食べた。


⭐️


食事を終えた順にzone入った。

ヤブイヌ族撃破、レシプロソー姉妹撃破、グランピー撃破の報酬を受け取り、みな全身が金色に3回連続で光り、3レベル上がった。


クラウンはレベル88

ブラストはレベル99

スノーはレベル76

ハニはレベル112

虎徹はレベル53

ヴァルはレベル103

になった。


⭐️


クラウンの提案通り、みなトロフィーが報酬に付いたクエストを検索した。どれも報酬額や経験値は低く、簡単なクエストがたくさんあった。


ブラストは元々調達が得意なこともあり、「メダルコレクター」「カードコレクター」のトロフィーを2つ、あっという間に手に入れた。自室で色んな所と忙しく連絡を取り合っている。


「次、これいいじゃん!霊薬を届ける。『エンチャントの愛用者』のトロフィーも頂きっ。マザー、ケンタウリdにいるポレポレにコール。」


ブラストのコール。


「あら。久しぶり。元気にやってんのー?」ポレポレがモニターに映った。植物の鞘から豆を取り出している。


「元気だよ!ポレポレさん、エイムスさん達も元気?」


「こっちは相変わらずよ。食料危機は前よりマシになってきたわよ。なんか用があるんだろ?」


「うん、ポレポレさんに作って欲しい霊薬があって。頼める?」

「今手が空いてるから、私でできるやつなら。」


「ありがとう!」


⭐️


クラウンの部屋。


スイン。

扉が開き、スノーが暗い部屋に顔だけ出した。「シシッ。まだ寝てんのか?クラウン、ステーション着いたぞ。行くだけで貰える『9クラブへようこそ』ってトロフィーがあったから、ヴァルとハニと行ってくる。ゴースト預かってくれない?」


「んん?あー、ゴースト?いいよ。おいで。」

チャカチャカチャカ。ゴーストは静かに部屋に入ってクラウンのベッドに潜り込んだ。クラウンはチョコとゴーストとすやすや寝た。


ガバッ!


二度寝したクラウンは目を覚ました。「僕も行くんだった!」犬達がクラウンをじっとみつめている。「よしよーしっ!」クラウンは犬達に飛びついた。「ごはんにしよう!」クラウンは起き上がった。


クラウンは急いでギルドスーツに着替え、犬達を連れてキッチンに向かいオーガニックフードと水をあげた。その横をBMXを押してやってきた虎徹は準備万端だった。「クラウン殿、準備はいいか?」


⭐️


クラウンと虎徹、犬達はレース場に着いた。


虎徹はBMXレースに出場した。ゲートが開き、8名が一斉にスタートした。スピードを上げて凸凹を飛び越えて行く。虎徹の前の2人がインコースを攻め合いクラッシュ!虎徹は高く飛び越え、アウトコースからカーブを曲がり1着で走り抜けた。「ワイルドスピード」のトロフィーを手に入れた。クラウンと犬達はジャンプして喜んだ。


次の会場に向かう途中、ドッグレース場をみつけたので、聞いてみるとトロフィーが貰えることがわかった。クラウンと虎徹は面白がり、犬達を参加させた。


ゴーストは大型犬6頭で出場するガチンコレースに出場した。ゲートが開き5番手で先頭集団にくらいつく。ゴーストは先頭を走る犬のすぐ後ろにつけた。先頭の3頭がカーブを曲がりながら競り合い体を寄せ、少し失速した瞬間ゴーストはインコースから抜き去った。ゴーストは鼻の差で1着でゴール。「ビースト・ラッシュ」のトロフィーを手に入れた。モニターには鼻の差で競り勝ったゴーストが映しだされ、会場に大歓声が上がった。クラウン達も大興奮した。


チョコは障害物ハントレースに出場した。スタート前、電動ネズミが6頭の前に現れた。ゲートが開き、猛スピードで電気ネズミが走り出した。犬達は追いかけ、スロープ、ハードルジャンプと飛び越えて行く。トンネルの巣穴ゾーンで姿勢を低くすると失速したり、別れ道を迷ったり、レースは荒れた。そんな中、チョコはトンネルに入るとプリズムを出し、電気ネズミを真っ直ぐ追いかけガブリと咥えた。チョコがトンネルから飛び出し、最後のフープジャンプを一回転して飛び越え、1着でゴールした。会場から拍手が湧いた。チョコは「アドレナリン・ハウンド」のトロフィーを手に入れた。


クラウンはナイトメアとバトルクロスカントリーレースに出場した。14頭がゲートに入った。歓声の中、ゲートが開いてスタートした。クラウンは後方3番手。ゆったりナイトメアを落ち着かせながら走る。丸太を飛び越え、後方4番手に上がって行く。


挿絵(By みてみん)


直線ゾーンで各馬一斉にスピードが上がる。丘を登り、下り坂を駆け降りた先の池ゾーンへ入って行く。前の馬達が一斉に水飛沫をあげる。ナイトメアはスピードを出し、丘の上から水溜まりを飛んだ。池に入る事なく飛び越えると、クラウンは小さく身を屈め手綱を力強く振る。外から一気に追い上げ、ナイトメアが先頭集団を抜き去り、そのまま1着でゴール。「人馬一体」のトロフィーを手に入れた。


会場にナイトメアコールが起きた。クラウンはナイトメアの立髪をなでた。


2人と2匹は4つのトロフィーを手に入れた。


⭐️


続く。

絵:クサビ

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