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トレモロ 4  作者: 安之丞


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4巻 2章 7話



ブオーー!!


「すごい!もう追いついたんだ!」クラウンは天狗師匠の勝利の法螺貝の音が聞こえ、士気が高まった。クラウン、ブラスト、スノー、犬達は村人達を避難させ走る。クラウン達の目の前に、円盤ノコギリのドローンが3機攻めて来た。


ブイーン!ブイーン!ブイーン!


クラウンは気持ちを奮い立たせ狙いを定めた。

「ロージー!」バン!


ドカーン!


クラウンは1機撃墜した。

「ナーイス!」ブラストとスノーは声が揃った。残る2機は横や斜めに飛び回り襲いかかってくる。スノーは殴って攻撃するが空振りした。


ブイン!ブイン!

3人の頭上に2機が揃った瞬間。ブラストが空に向かって構えた。

「ショックウェーブ!」ドン!


ドカーン!


2機は接触して左右に弾け飛んだ。

「ナーイス!」クラウンとスノーの声が揃う。


「フレイヤ!ジャミングアンテナを破壊して。」クラウンは炎の女神、フレイヤを呼び出した。フレイヤは3人の側を一周して、母屋の方へ飛んで行った。


「オレらもフレイヤを追うぞ!」スノーが追いかける。


「行こう!」クラウンとブラスト、犬達も駆け出した。


ドーン!


母屋の手前で火柱が上がった。フレイヤがジャミングアンテナを見つけ破壊した。ギルドの通信が戻った。


トントン。スピーカーがONになった音がした。

「おい!聞こえるか?オレらは長屋の避難が終わって母屋に向かってる。」スノーは呼びかけた。


「スノー殿!声が聞けて嬉しいぞ!今そちらに向かっている。もうすぐ長屋だ!」虎徹は答えた。


「虎徹さん、早く来てー!ノコギリ振り回すヤバイ人いる!」クラウンもコールした。


「自分らでレシプロソー姉妹って名乗ってた!ヤバくね!」ブラストもコールした。


「クラウン殿もブラスト殿も声に元気があるな。すぐ参る!」


「商店街は避難完了!宿の避難もあと少しよ!ヴァル来て、手伝って!」ハニもコールした。


「子供達は無事逃げてた。ハニ、今行くよ〜!」ヴァルはテンションが上がった。



ガルガルガー!


クラウンは角を曲がると、ノコギリを振り下ろして来た女に襲われた。両手に持ったレシプロソーの刃からガルガル!ガーガー!と騒音がする。


「うわっ!」クラウンは片手を大きく後ろに回し、身を仰け反らせた。


女はもう片方のレシプロソーでクラウンの踏ん張っている足を切りつけた。


ガガガガ!


「危なっ!」クラウンはギルドスーツの太ももを切り付けられ、ギルドスーツにダメージを受けた。クラウンが足を引いて次の角に逃げようとすると、屋根から女の声が聞こえた。


「頑丈ねー。切り刻んでやるわ!」屋根からもう1人のレシプロソー姉妹が現れた。両手を広げてクラウン目掛けて飛び込んできた。


ガルガルガー!


「シェル!」ガキーン!

スノーが岩肌となってガードした。クラウンに襲いかかったレシプロソー姉妹のノコギリ刃は折れた。


スノーが腕を振り回し追いかけると、女は道の消火樽に駆け上がり、屋根に軽やかに駆け上がり、替え刃を投げ捨てた。腰のベルトから新しい替え刃を装着した。


「オオヤブイヌを呼べ!」「はい!姉上!アーボー!」屋根に上がって足が止まったレシプロソー姉妹の隙をみて、クラウンが軒先に隠れて言った。「ゲームでやってる僕の得意パターンでインパクトやろうよ!」「行くか!シシッ。」「よっしゃー!」


3人は角まで走り、3方向に分かれた。犬達もそれぞれついて行った。レシプロソー姉妹と3匹のオオヤブイヌは一斉に追いかけた。


⭐️


虎徹と莉乃は長屋まで来た。


キュー!キュー!キュー!


先頭で走る虎徹に、3匹のヤブイヌが爪を剥き出して向かって来た。


「莉乃様、屋根へ!参る!」虎徹は刀でヤブイヌの爪攻撃を弾き返し、1匹を斬った。もう1匹の爪をかわし横に素早く避け、足の甲に刀を突き刺した。残る1匹が屋根の角に手をかけ飛び上がり、莉乃に襲いかかった。


バスン!


莉乃は微動だにせず、間近からヤブイヌの眉間に矢を射ちこんだ。虎徹の前にヤブイヌが屋根から落ちて来た。虎徹は刺した刀を抜き、足を引きずるヤブイヌの首を斬った。


ザンッ!


⭐️


アボボー!

ガルガルガー!


3方向に逃げたクラウン達にレシプロソー姉妹とオオヤブイヌが襲いかかる。クラウンもブラストもスノーも切り傷だらけだ。家をぐるっと周り、元の角に戻って来た。クラウン達は消火樽に駆け上がり屋根に飛び乗った。


レシプロソー姉妹と3匹のオオヤブイヌが角に集まった。その瞬間、屋根からクラウン達は飛び出しパワーを放った。


挿絵(By みてみん)


「ロージー!」「ショックウェーブ!」「シェル!フリーズ!」


ボカーーン!!


隕石の様に5つの燃え盛る火の玉は敵にクリティカルヒットした。


⭐️


駆けつけていた虎徹達にも爆発音が響いた。莉乃はその瞬間を屋根から見ていた。


ジャミングアンテナの火柱を背に、真ん中で怒った顔のクラウン、右に拗ねた顔のブラスト、左にキレた顔のスノー、飛び上がる犬達、そして閃光。


莉乃は屋根の瓦に両膝をついて言った。「天下無双のお働き、、。」


「キマッタ〜〜!オールクリア!」ヴァルのコール。


虎徹は勝利の笛を吹いた。


⭐️


救助や町奉行、火消し隊もすぐやって来た。阿弥陀村は数軒家を失い、火事も数軒がボヤ程度で村民はみな無事だった。


⭐️


虎徹は父親の病院の付き添いに、ハニとヴァルは運搬や重機作業などを行なっている。


⭐️


クラウン、ブラスト、スノー、犬達は報告の為、ログを取りながら阿弥陀村を歩いている。


「ブラストここも切れてるよ。」クラウンがブラストの二の腕を突いた。


「マジー。空気漏れ起こすじゃん。オレらスーツの修復した方がいいな。さっきクリティカルヒットでたね。すんごい衝撃。」ブラストは目を見開いた。


「おう。クラウン、ビビんなくなってきたな!シシッ。それも良かったんじゃね?」スノーはクラウンと肩を組んだ。


「バスが転倒してさー、炎とレシプロソー姉妹見たらアドレナリン出たかも。ははっ。」


「ドローンもノコギリに改造してたし、マジヤバかったな!シシッ。」


「マジヤバ。お!って事で、モジュール探しにいかね?どっかにあるだろ。」ブラストが閃いた顔で言うと、チョコが嬉しそうにシッポをふった。それを見たクラウンはチョコの探索パワーを使った。「やる気に満ちた顔してるねー。じゃあ行くよ、イカロス!」チョコはクルンと回った。チョコからプリズムが出てクラウン達は追跡した。


1つ目は、ジャミングアンテナ側に転がっていた、レシプロソー姉妹の姉のベルトのポーチに入っていた。2つ目は虎狼庵の地下道、ヤブイヌの族長が持っていた。クラウンは回収する時、ヤブイヌ族の死体に悲鳴を上げ、いつものクラウンに戻っていた。モジュールを2個回収した。


⭐️


その日の晩。


戻って来た村人達は解放された宿で、柿の葉寿司をみなで食べている。


「おかえりなさいませ、虎徹様。お父様はどうでした?」莉乃が出迎えた。


「打ち身が数ヶ所、念の為MRIなど検査して明日、病院からそのまま帰るそうです。ご心配おかけしました。」


「ご無事で何よりです。虎徹様、結婚そうそう申し訳ありません。私は明日から納品の為、職人達と3か月家を空けますが、いつでもここに帰って来て下さい。時々コロ達と遊んでやって下さい。コロ達もお侍様が大好きです。」そう言って、愛しい目をした莉乃はほっぺたを虎徹の頬に軽く当て、ハグをして旅立った。


食事を終えた職人達や村人達は、虎徹にお祝いを述べて、家が無事な者達は帰って行った。


⭐️


翌朝、早朝。


「ギルドの皆様、起きて下さい。奉行所から松平様がいらっしゃいました。ご無礼のない様に。そのままの格好で良いそうですので、急いでお越し下さい。」女将が障子を少し開け、みなを起こしに来た。


「え?誰?」クラウンはスノーの足を押しのけて起きた。

「みな、起きよ。ほら、ブラスト殿、目を開けて。」虎徹はみなを起こした。

「シー!虎徹、こんな朝早くに誰なんだ?」

「奉行所からいらしたお奉行様の松平様だ。お奉行様は裁判官、役人、警察官などをこなすお方だ。」

ヴァルは飛び起きた。「僕らを今から取り調べるのかな〜。」

クラウンは浴衣の帯を縛り直して眠たい目を擦りながら、みなが起きるのを待つ間、チョコとゴーストにドライフードと水をあげた。


⭐️


続く。

絵:クサビ

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