Three「俺は神様、コイツは天使」
俺は神様だ。
えっ?最初に中三って言ったじゃないかって?・・・。まぁ、それは今から説明しよう。
俺は時々、こうして人間界へ降りてくることがある。理由は二つ。
一つは、いま、この世界の状況を把握するためだ。世界は一つだけじゃない。沢山の世界が、この時間、存在しているのだ。まぁ、一つの世界に一人の神様っていったカンジだ。世界は正しく回っているか?おかしなことは無いか、そういったことを探し出すもの、俺たち、神様の仕事だ。
もう一つは、今日のような自殺をする人間を救うためだ。
『自殺をして天国に行こうっ!』
なんて考えは通用しない。自殺をした者は、地獄に落ちるのだ。多くの人間を、地獄へと行かないようにする為に、時折、こうして人間社会にひっそりと入り込むのだ。
俺は、なぜか人間になるとき身長がとても小さくなる。理由はさっぱりわからないが、そこまで気にしていない。まぁ小さい方が目立たないからいいけどね。ははは。
そういった具合で、俺は今、人間界に降りてきている。最近は中学生の自殺が多いということもわかったから、俺は中学生になり、この中学校に入り込んでいる。だが、あまりにも平和すぎた。いじめのなければ自殺もない、優秀な中学校だった。まぁそれはいいことなんだけど、俺からすればハズレくじだった。
まぁ、そんなこんなで俺は神様をやっている。
「ここは天界じゃないんだ。神様はやめろ。」
「ぇ〜。神様がカッコいいじゃないですかー♪」
そう言って、男は笑ってきた。コイツの名前は“天満 善弥”。身長は175cmくらい。女子が隣を通ったら、絶対振り向き目からハートがビームのように出るくらいの超絶美少年だ。・・・よくわからない?気にするな。
俺の顔?・・・一応、ブサイクではないと言っておこう。
そんな善弥は、なんと、天使だったりするのだ。
天使とは、神様の手助けをするヤツのことだ。って、普通は知ってるかな?
天界には、寿命が尽きた者が沢山いる。一定の時間、天界にいると、記憶を消して、赤ちゃんになって人間界に戻るというのが、この世の摂理なのだが、そういった、摂理の影響を受けない連中がたまにいる。そういったヤツらは、天使となって神様の手助けをしたりする。
まぁ天使っていっても数から能力から、多種多様で沢山いる。俺は別に一人でも人間界での仕事はやっていけるから、天使とかは一切雇っていない。
善弥は例外だ。雇ったというか、コイツが勝手についてきたカンジだし・・・。
善弥は俺が小さい頃から一緒にいた天使で、いわば幼馴染という関係である。
しかも、“未来視”という、未来がわかる能力の持ち主でもある。
「しかし、なんでお前が手を出したんだ?俺とアイツはなにか関係があるのか?」
善弥は他の天使に比べて、天使の力が異様に高い。だから、人に夢を見せたり、ある種の感覚操作などは簡単にしてしまう。その気になれば、人を救うことぐらい出来る。なのに、その力をことあるごとに神様である俺に使う。
「・・・さぁ?分かったら面白くないでしょ♪未来。」
・・・コイツはほんとに天使か?俺の手助けどころか、俺を煩わせている気がする。
「でも、流石は神様だったね♪まさか瞬間移動を使うとは思わなかったよ♪」
俺と善弥の身長差はおよそ25cm。よって、俺が善弥を見上げるような流れになる。俺が神様なのに、なんで天使のコイツに見下ろされなければならないのだ?不満だ。
「・・・まぁな、本当に落ちるとは思っていなかったんだよ。」
俺にとって、瞬間移動なんて朝飯前だ。彼女が屋上から身を投げ出した瞬間、俺は落ちる彼女の元に瞬間移動をして、そのまま彼女を抱きとめながら地面に着地した。
ちゃんとお姫様抱っこをしながら助けたんだ。彼女に嘘はついてないぜ☆
最初に彼女へ近づいたときのアレも、神様である俺には難なく出来る技の一つだ。まぁ他の神様はもっと強烈なのだが・・・。
「そういえば、制服はどうしたの?」
「・・・あ。アイツに着せたまんまだ・・・。」
そう、俺は泣き止まない彼女に制服の上着を着せて保健室まで連れていった。そして、ベッドに寝かすときに取り忘れて、そのまんまだ。
俺の返答が可笑しかったのか、善弥がニヤニヤしてきた。
「へぇ〜〜♪着せてやったの〜〜♪優しいねぇ〜〜〜☆」
・・・こいつは本当に天使か?無性に殺意が芽生えてくるぜ・・・。
「じゃ、僕にもやることあるから。もう行くね♪」
ったく、勝手に手を出してきて、勝手に帰りやがって・・・。ガキか、お前は・・・。
「じゃあな。」
善弥は現れたときと同じように屋上の床へ沈むように消えていった・・。
あれから一日経った。現在、昼休み。ここは屋上の上、俺のお気に入りの場所。屋上には俺以外、誰も居なかった。
昨日の違和感は善弥が原因と解ったから悩みなんてものはもう無い。
えっ?じゃぁなんでまた屋上の上に居るかって?・・・さぁ?大した理由なんてない。
俺はここが好きなんだ。ここは天界に似ている。暖かい陽だまり。透き通った風。見渡す限りの蒼。ここに居たら、とても落ち着く。
『ガチャッ』
・・・また自殺志願者でも来たのか?それとも昼休み、恋人同士一緒にお弁当でも食べようってか?
どちらにしろ、誰が来たかは確認するべきだ。
俺は寝転がっている状態のまま、ヒョコっと顔だけを出し、突然の来訪者を見てみた。
「「・・あっ・・。」」
彼女だった・・・。
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