裏切り者には死を
今回は書いてて個人的にヤバイ!と思いました。その真相は読んで確かめてください。
それでは楽しんでいってくださいね!よろしくお願いします!!
「ムルシエラゴぉ、オレの可愛いぃ分身よぉ。ご苦労であったぁ。お前が命をかけて集めてくれた魔法少女の力でついに本来の力を取り戻すことができたぁ。ついにこの時がきたぁ。今より人類滅亡を開始させるぅ!」
ついにカオスダークが復活してしまった。カオスダークは漆黒の魔人のような姿をしていた。カオスダークは無数の怪獣を街に放ち、人類滅亡を開始させた。
「一体何が起きているんだ!?ムルシエラゴは確かに倒したはずだ」
「現在、私たちは何者かの侵略を受けています!国民の皆様は、いち早く安全なところへ避難してください!繰り返します!きゃあああ!入ってきた!誰か助けてぇええ!!嫌だ!!死にたくなぁあい!!!!」
それを最後にテレビの放送は途切れてしまったどんな時でも冷静に情報を伝えてくれるアナウンサーの悲劇に人々は混乱を隠せず、不安と恐怖をより掻き立てた。
「綾二くん!」
街には逃げ惑う真央の姿があった。
「真央!こっちだ!」
俺は真央の手を握り、安全なところまで逃げる。
「はぁはぁ……ここまで来ればもう大丈夫だろ……」
「綾二くん……これからどうなっちゃうの?」
「わからない。でも、君だけは守るよ」
「うん。ありがとう」
絶望的な状況に真央の顔は晴れない。
「いくよ〜!」
「はあああ!!」
シューティングイエローとドラゴニックブルーが無数の怪獣たちに立ち向かっていく。
「フルバースト!!」
「ドラゴニックハンマー!!」
「ボルテックスピア!!」
そこにライトニングホワイトも参戦し、人々を守る。
また各地で魔法少女たちが怪獣たちと交戦しているようであった。
「ソニックハリケーン!!一体どうなってんだこりゃ」
「滅殺!!」
「ポイズンパープル!こいつらを片付けたら今度はてめぇをあの世に送ってやるから覚悟しろオラァ!!!」
「メテオエクストリーム」
「アブソリュートインパクト!!」
世界のピンチに魔法少女が次々と駆けつける。俺も街のみんなを助けるために戦う覚悟を決めるが―――
「俺も行かなきゃ」
「ダメ!」
真央が俺の服を引っ張る。
「嫌だ………1人にしないで……………」
真央の体はとても震えていた。今まで体験したことのない恐怖にどうしていいのかわからなくなっているのだろう。そんな彼女に何をしてあげればいいのか俺にもわからなかった。
しかし、怪獣の魔の手は既に俺たちのところまで来ていた。
「きゃああああ!!」
怪獣を見たことで、真央がより一層に怯え、俺をギュッと握りしめる。そんな彼女の手を握り返して言う。
「さっき言ったことを覚えてるか?俺は君を守る。何があってもだ」
そして優しく彼女の手を解く。俺はポケットから変身アイテムを取り出す。まさかこんな形で正体をバラすことになるとは思っていなかったが、彼女を守り抜くためならそんなことを気にしている場合ではない。
「変身!」
俺はブラスターピンクへと変身した。変身した俺の姿に真央は驚きを隠せないようだ。
「ピンク色の魔法少女………。綾二くんが?」
「いくぞ!はぁああ!ハッピーストライク!!」
怪獣を必殺技で一掃して、俺は変身を解除した。後ろを振り向き、真央を確認しようとすると真央の姿が見えない。
「あれ?真央!どこだ!」
「よう」
「んー!んー!」
口を塞がれ、捕まった真央と大滝が立っていた。
「いやいや、良いもん見せてもらったぜ」
「大滝!真央を離せ!」
「そんなカッカすんなよ。へぇー君、真央ちゃんって言うのか。可愛い子だなーおい。交換だ。お前の持ってるそれ寄越せよ」
どうやら大滝は俺の変身アイテムを欲しがっているようだ。
「これを渡せば真央を返してくれるんだな?」
「ああ、約束だ。ほら早く寄越せよ」
しかし、これを渡してしまえばこの混沌と化した世界で真央を守ることができなくなってしまう。でも、俺は迷わなかった。例え変身できる力があっても、守りたいものがなければ意味を為さない。ならば―――
「わかった」
俺は大滝に変身アイテムを投げ渡した。
「サンキュー。やっぱお前は中坊の時から変わんねぇなぁ!間抜けで仕方ねぇよ!」
大滝は俺の腹に蹴りを入れた。
「うぐぅ!」
俺は膝から崩れた。
「騙したな……」
「んー!んー!!」
「こんな可愛い女をそう簡単に手放すわけねぇだろ!お前の大事なもん全部奪ってやった!これでお前はまた一人ぼっちだ!!はははは!!」
「待て!大滝!待てぇええ!大滝ぃいいいいいいい!!!」
そう言って大滝は真央を連れ去ってしまった。
俺たちがそんなことをしている間に、街では魔法少女たちが怪獣と戦い続けていた。そんな魔法少女たちの前に2人の強敵が立ちはだかることとなった。
スラッシュグリーンとポイズンパープルの前に現れたのはカオスダークだった。物凄い衝撃波と共に街に飛来した。
「何もんだてめぇ」
「オレの名前はカオスダーク。ムルシエラゴの本体だぁ」
「ムルシエラゴの本体だと?」
「梅西ぃ、お前に魔法少女と戦わせたりぃ、怪獣を送り込んでいたのは全てオレの復活のためだぁ!怪獣には特殊な細工がしてあってなぁ。魔法少女の力がオレに流れ込むようになってたのさぁ!お前たち魔法少女はそうとも知らずによく今日まで協力してくれたもんだよぉ」
「てめぇふざけやがって!!」
そう言ってスラッシュグリーンが攻撃を仕掛ける。そこへポイズンパープルも加勢するも、どの攻撃もカオスダークが展開した黒いバリアで届くことはない。
「お前たちの攻撃はこれまでの怪獣やムルシエラゴで知り尽くしているぅ。お前たちに勝ち目はないぃ」
「これならどうだ!!テンペストブレイク!!!」
スラッシュグリーンが必殺技を放つ。
「杏、力を貸してくれ!」
ポイズンパープルはヘルファイアパープルへと変身し、同じく必殺技を放つ。
「地獄滅殺!!」
「その技も全て知っているぅ。ヘヴィーダークネス」
カオスダークも2人に向けて、必殺技を放つ。漆黒の闇が2人の体を蝕み、爆発させた。
「うわぁぁあああ!!」
「ぐわぁああああ!!」
「弱いぃ。お前たちではオレには勝てないぃ。滅びよ魔法少女ぉ」
そう言ってスラッシュグリーンの顔を掴み、持ち上げた。そして追い討ちをかけるように闇のエネルギーをスラッシュグリーンに流し込む。すると、スラッシュグリーンはもがき苦しみ始めた。
「やめろぉおおおおおおお!!うわぁああああああああ!!」
カオスダークが手を離すとスラッシュグリーンは鈍い音を立てて地面に落下した。スラッシュグリーンは沈黙したまま動かない。
「貧弱だなぁ。次は梅西ぃ、お前の番だぁ。裏切り者には死を」
「く、来るな……。来るなぁあああああ!!」
カオスダークがヘルファイアパープルに迫る。
シューティングイエロー、ドラゴニックブルー、ライトニングホワイトの3人の前に現れたのは大滝だった。
「あぁ?誰だお前?」
「おうおう、見つけたぜ。魔法少女」
「アンタ誰よ?それにアンタが連れてるのって川端ちゃん!?アンタ何やってんのよ!!」
「俺はこういうもんだ」
大滝は俺から奪った変身アイテムを見せつける。
「それって藤崎の〜!どうしてお前が〜!?」
「へぇーお前ら藤崎の知り合いってわけか。後で群られても困るしな。ここで消しとくか。変身」
続く。
今回も読んでいただきありがとうございました!!
こんなに絶望的なのは今作始まって以来初めてかもしれませんね。テレビのアナウンサーのシーンをもっと恐怖チックにしたかったのですが、こういうところで私の力不足が目立ってしまいますね。
さて、どうなってしまうのか。次回をお楽しみに!!