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やったれ魔法少女  作者: 千園参
50/65

俺に力を貸してくれ……

「やったれ魔法少女」記念すべき50話目に突入しました。6月末から連載をスタートさせた今作が50話まで続き、これからも続こうとしているなんて、連載当初は思っていませんでした。多分5万文字くらいで30話いけば初めにしてはいった方なんじゃね?とか思ってました。

更新頻度が落ちてしまって、すいません。もっと精進していきますので、どうかこんな作者を見捨てないでください!!(切実)

それでは楽しんでいってください!

 とある病室。病床で眠る少女に対して―――


「沙月…。君は一体いつになったら目を開けてくれるんだい?俺はあと何を犠牲にしたらいいんだ……。お願いだ……。目を開けてくれよ……」


「感傷に浸っているところ悪いが時間だぜぇ」


「ムルシエラゴか。貴様、病室には入らない約束のはずだ!」


「おうおうぅ。そう怒るなよぉ。お前はどうせ俺の言いなりになるしかねぇんだからさぁ。仲良くやろうぜぇ。なぁ梅西ぃ」


「クソ……」


 場面は変わり放課後の賀晴高校―――


 学校には隣町から松本の復讐に燃える仲本と上野が姿を見せていた。


「このままやられっぱなしで年は越せねぇぞ!俺はなんとしてでも松本の仇を討たなきゃならねぇ!どうなんだよ築村!!」


「………」


 築村は黙ったまま、ただ一点を見つめていた。


「もういい。お前がやらないなら俺たちだけでもやるぞ」


 そう言って仲本と上野は駆け出していった。向かう先はただ一つ―――梅西隼のいる学校である。梅西は丁度、下校しようと門を出たところであった。


「よう!俺のこと覚えてるか?」


「お前は……」


 突然の来客に梅西の足が止まる。


「今日は松本の敵討ちに来たっす!」


「「変身」」


 仲本はスラッシュグリーンに上野は上野ゴーレムにそれぞれ変身した。


「ちっ、面倒だな。変身」


 梅西もポイズンパープルへと変身し、襲いかかってくる2人を迎え撃つ体勢を整えた。

 頑丈さに自信のある上野ゴーレムに苦戦することなくダメージを与えつつ、スラッシュグリーンの猛攻を防いでいく。ポイズンパープルの戦闘力はやはり異常なまでに高い。


「てめぇだけは許さねぇぞ!食らえ!ソニックハリケーン!!」


「滅殺!!」


 2人の必殺技が激しくぶつかり合う。スラッシュグリーンも力を上げており、以前はポイズンパープル相手になす術なく敗北していたが、少し劣勢ではあるものの、負けずに食らいついていた。


「まだだ!」


「何度やっても結果は変わらない。お前たちでは俺には勝てない。それがわかっていて何故だ、なぜ挑んでくる?」


「勝てないって一体全体、誰が決めたんだよ。俺は勝つぞ、勝って仲間の仇を討つんだよ!!」


 2人の戦いがさらなる激しさを増していく中、戦いの場に築村がやってきた。


「溱……」


「ようやく来たか!おせぇんだよ!」


「待たせたな。隼……。俺は今度こそお前を倒す。お前を倒して俺は未来を切り拓く!変身!!」


 築村はドラゴニックブルーへと変身した。


「揃いも揃って敵討ちか……」


「うおぉおおおおお!!!」


 ドラゴニックブルーは雄叫びと共に、ポイズンパープルに突撃を開始した。その戦い方は今までとはまるで違い、例えるなら全てを喰らい尽くさんとする獣であった。龍なのに獣とはおかしな例えかもしれないが、その例えが妥当だと思えるほどに荒れ狂っていた。予測できない攻撃にポイズンパープルも苦戦を強いられているようであった。そこにスラッシュグリーンと上野ゴーレムも加勢し、一気に畳みかけていく。


「ぐわあ!」


 とうとうポイズンパープルを追い詰めた。


「2人とも今のうちっす!」


「うおおおお!ドラゴニックバスター!!」


 ドラゴニックブルーが必殺技を放った。それに続いてスラッシュグリーンも技を放つ。


「これで終わりだ!テンペストブレイク!!」


 2人の放った必殺技が見事、ポイズンパープルに炸裂し、これまでの戦いの中で初めて大ダメージを与えることに成功した。


「うわぁぁあああ!!」


 ポイズンパープルは吹き飛ばされ、ダメージですぐに立ち上がることができなくなっていた。

 そこへとどめを刺すためにドラゴニックブルーが接近する。


「隼…………。お前との戦いもこれで終わりだ」


 とどめの拳を打ち込むと、ポイズンパープルは残された力を振り絞って攻撃を受け止めた。


「何!?」


「まだそんな力が残ってるなんて化け物じゃないっすか!?」


「はぁはぁ……。溱、それに緑の男、お前たちが大切な人の仇を討つために戦っているように、俺にだって負けられない理由があるんだ……。俺はお前たちを倒さなければならない。こんなところで負けるわけにはいかないんだよ!!!」


 ポイズンパープルの脳裏には病床で眠る少女、西條沙月の笑顔がよぎる。彼女への想いを振り絞り、ドラゴニックブルーの拳を振り払う。その勢いで立ち上がると、ポイズンパープルがいつも使っている変身アイテムとは別の青い変身アイテムを取り出した。それを見てドラゴニックブルーは絶句する。


「お前……!?それはまさか!?」


「そうだ。杏……。俺に力を貸してくれ……」


「やめろ!」


 ポイズンパープルは青い変身アイテムを起動した。すると、辺り一帯が紫の炎に包まれた。炎の中でポイズンパープルのドレスが変化していく。そしてポイズンパープルはヘルファイアパープルへと進化した。

 その一連の様子をムルシエラゴも見ていた。


「いいねいいねぇ!地獄の業火というやつかぁ?全てを燃やしたくせぇ!!」


 ヘルファイアパープルの圧倒的な戦闘力に形勢は一気にひっくり返ることになった。


「ぐわぁあああ!!」


「うわぁぁあああ!!」


「俺は負けない……。誰にも負けてなるものか……。終わりだ!地獄滅殺!!」


 紫の炎を右足に纏わせ、放たれる必殺のハイキックはスラッシュグリーンを狙っていた。炸裂したかという刹那、スラッシュグリーンを上野ゴーレムが突き飛ばし、必殺技が命中した。


「ぬうわぁぁあああ!!」


 上野ゴーレムはその場に倒れ込んだ。スラッシュグリーンが急いで駆け寄る。


「上野!おい!しっかりしろ!お前何やってんだよ!!なんで俺なんかを庇って……」


「兄貴………。俺も松本も同じ気持ちなんすよ……………。はぁ……はぁ…………。兄貴には……生きてて……欲しいんすよね……………………」


 上野はそのまま消滅してしまった。


「そんな……上野!!戻ってこい!上野ぉおおおおお!!」


 ヘルファイアパープルは上野の消滅を見届け―――


「言ったはずだ……お前たちでは俺には勝てないと……」


 そう言い残し、ヘルファイアパープルはその場を去った。人気のないところでヘルファイアパープルは変身を解除し、その場に膝から崩れ落ちた。


「誰か助けてくれ………沙月………苦しいよ……杏……」


 梅西は大粒の涙を流し、心を痛めているようであった。

 戦いはこれからも激化していくのだろう。大切な人を守るための戦い。不幸がさらなる不幸を呼び寄せるこの戦いは一体どこへと向かうのだろうか。

作中最強の男がまさかのパワーアップ回でした。そして梅西隼という男の謎が少しだけ明かされた回でもありました。上野には申し訳ないことをしたなと思っています。ごめんな。上野が梅西に倒されるという構図はかなり前から決まっていたことで、長期連載を目指す中でストーリーを何度練り直しても上野の運命だけは変わりませんでした。本当にごめんな。

今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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