まぁカクカクシカジカで
最近、更新頻度が落ちてきていて、楽しみにされている方はすいません。仕事が慌ただしくなってきており、なかなか書いている余裕がなくなってきてしまっています。大筋の流れはできているので、ざっと書くことはできるのですが、やはり皆様にはちゃんとしたものを提供したいと思っていますので、時間をかけさせていただきたいと思います。これからもそんな作者が描く「やったれ魔法少女」をどうかよろしくお願いします!
それでは楽しんでいってください!
「築村ってやつはどこだ!」
2学期も終盤へと差しかかってきた今日この頃であるが、とても穏やかとは言えない現状となっていた。
「誰だお前?俺に何か用か?」
「お前が築村か!ちょっと顔を貸せ!お前を倒してやる!」
「それはいいがお前、なんで俺のことを知ってるんだ?誰から聞いた?」
築村が素朴な疑問を真壁にぶつけた。これはまずいかもしれない。ここで俺の名前が出てくれば、また話が変わってくるかもしれない。どうなるのかと俺は物陰から様子を確認していた。
「あぁ?誰からだと?アイツだよ!お前らの学校の……。あれ?そういえば名前聞いてなかったな。誰でもいい!顔貸せよ!」
馬鹿で助かった。真壁寛人という男はとにかく馬鹿だということがわかった。ありがとう。これからも愛くるしい馬鹿でいてくれ。
「お前今何時だと思ってる?お前学校はどうした?俺はこれから夕方まで学校で授業を受けなくちゃならない。めんどくせぇけどな。悪いが放課後また来てくれ」
「お、おう。なんか悪かったな。じゃあ、また来るわ」
そう言って真壁は学校を去っていった。なんて馬鹿な人なのだろう。去っていく真壁の背中を見ながら俺はそう思った。
そして放課後―――なんだかんだあって2人は河川敷にやってくることになった。俺も2人がどうなるのかを見届けるために後を追いかけようとすると、木山に見つかってしまった。
「アンタ何やってんのよ?」
「築村と真壁が対決するらしいから見に行くんだよ」
「はぁ!!?なんで昨日の今日でそんなことになってるのよ!」
「まぁカクカクシカジカで……」
「何よそれ!早くあの2人を追いかけないと!」
こうして俺と木山で河川敷に向かうことになった。
河川敷では既に真壁はヒートアップしているようであった。
「俺はお前を倒す!そして玲奈を……」
「話がよく見えないな。玲奈って……あぁ木山か。アイツがどうかしたのか?」
そんな築村の飄々とした態度に対し、真壁は鬼気迫る表情で続ける。
「玲奈はお前にゾッコンだと聞いた!そのお前を倒せば玲奈は俺に振り向いてくれる!」
この男、とても単純な考えをしているようである。築村を倒したからといってストレートに心が移るはずもないということにどうして気づかないのだろうか。
真壁の面倒くささに呆れながら、築村は―――
「木山が俺にゾッコンってそんな話、誰から聞いたんだよ」
再びこの流れになってしまった。さすがに今回ばかりは避けられまいと腹をくくることにした。
「誰だと?えっとアイツだよ!お前んとこの学校の!あれ?誰だっけ?」
腹をくくった俺が馬鹿だったようだ。こいつはこういう男なのであった。そう、どうしようもないほどの馬鹿なのだ。きっと築村に俺が話したということが伝わることは一生あるまい。真壁の馬鹿さ加減に木山も思わず溜息を吐いていた。
「寛人は本当に何やってんのよ」
「お前ふざけてんのか?」
築村が面倒臭そうに言うと―――
「ふざけてるのはお前だ!」
「はぁ?」
真壁は突然怒り始めた。この男、馬鹿な上に情緒も不安定というキャラの持ち主であったようだ。負けるな築村。
「で、お前は一体どうしたいんだよ」
築村の言葉によって、馬鹿の一つ覚えだった状況は一変することとなった。
「だから!お前を倒すんだよぉおおお!!!」
真壁はそう叫びながら、姿を虎のような怪人に変化させたのだ。
「なるほど、そういう訳だったか。それなら先に言え。ようやく話がまとまったな。変身!」
真壁タイガーに続いて、築村もドラゴニックブルーへと変身した。真壁タイガーの猛攻にドラゴニックブルーはなんとか耐えていた。馬鹿なのでそんなに強い訳でもないのかと思っていたが、戦闘力だけはあるようで、パワータイプのドラゴニックブルーを相手に全く引けを取らない。
「ちっ!意外とやるな。これならどうだ!」
ドラゴニックブルーはドラゴニッククローで反撃を始めた。真壁タイガーも負けじと鋭い爪で対抗する。力はほぼ互角であり、一進一退の戦いとなっていた。
「負けない!俺はお前を倒すんだ!」
「俺だってこんなところで負けてなんていられねぇんだよ。ドラゴニックハンマー!」
ドラゴニックブルーの強烈な必殺技が真壁タイガーに炸裂する。これで決着かと思われたが、真壁タイガーは攻撃を耐え凌いでしまった。
「こんなもんかよ!もっと全力で打ってこい!!」
ドラゴニックハンマーを受け切ったことで真壁タイガーに勢いがつき始めた。さっきまでの互角の勝負から打って変わって、真壁タイガーの勢いにドラゴニックブルーは防戦一方になってしまった。
それを見兼ねた木山が2人の前に飛び出していった。
「2人とも、もうやめて!一体何やってるのよ!」
「玲奈……何しに来たんだ!俺はこいつを倒してお前を取り戻すんだ!」
真壁タイガーはドラゴニックブルーを指差し、己の願望を叫んだ。
「溱を倒したからって私はあなたのところへは……チームには戻らないわ……」
「何故だ!どうしてなんだ!そんなにこの男に毒されたのか!」
木山の答えに真壁タイガーは非常に激昂していた。
「違うわよ!確かに最初は怪我が原因でダンスを遠ざけるようになった。でも、今の私にはやりたいことがあるの!変身!」
木山はライトニングホワイトへと変身した。
「私は魔法少女としてみんなを守りたいの。それにダンスを完全にやめた訳じゃないの。今はちょっと休憩して、世界が守れたら、その時はまたダンスを始めるわっ。また一からね」
ライトニングホワイトが木山玲奈という女性がこの約1年間の中で必死に導き出した心からの答えであった。
「そんなの……認めない!!」
真壁寛人の木山への想いは既に歪んでしまっていた。真壁タイガーはライトニングホワイトに襲いかかった。
「あなたは本当に子供なんだから……。残念だけど、今のあなたにはついていけないわ。ハイボルテージランス!」
ライトニングホワイトの必殺技が真壁タイガーを貫いた。真壁タイガーは変身が解け、その場に倒れ込んだ。
「どうしてなんだよ……」
真壁は倒れたまま拳を握りしめた。
「私、ダンスを辞めてから変わったみたいなの。溱に会って、藤崎の馬鹿に付き合わされて、今、結構充実してるのよね」
馬鹿とは失礼な。これでも上の下なんですけども。
「だから、今の日々を壊そうものなら、誰だって容赦しないわよ。わかった?」
俺に睨みを聞かせていた春の時とは違い、とても魅力的な女性へと成長したようであった。
そう言って木山は真壁と築村を置いて、1人でに帰っていった。そして俺の前を通る。
「いつまでそこで隠れてんのよ?ほら早く帰るわよ」
「溱と帰らなくていいのかよ?それにキーホルダー渡すチャンスだろ?」
「うーん、今回はやめとくわ。それにちょっと………………」
木山の言葉が段々小声になり、最後の言葉がよく聞き取れなかった。
「ん?最後なんて言ったんだ?よく聞こえなかったよ」
「なんでもないわよ!さっさと歩け!」
俺たちは沈む夕日を背によくわからないコンビで帰ることになったのであった。真壁はこれからどうするのだろうかとそれだけが心配である。馬鹿だから心配だ。
「うーん、今回はやめとくわ。それにちょっと渡したい相手が変わるかもしれないの////」
玲奈を書いている時が実は一番心が弾んでいるような気がします。なんでなんでしょうね(笑)
公式カップリングとして綾真央が主流ではあるのですが、綾純、綾玲も増やしていきたいところですね。
それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!




