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やったれ魔法少女  作者: 千園参
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誰だ!!!

ようやく金元レオ編が終わり、一時的に日常編が帰ってきます。私的にはこんなくだらない日常編が一番好きだったりもします。皆様はやっぱり強敵と戦ってるシーンが好きだったりするんですかね?

それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!

金元レオの一件から数日が経ち、2学期も残りわずかで終わりを迎えようとしていた。

そんな中、俺たちのクラスに新しい担任が赴任してきた。このタイミングでと誰もがざわつきを隠せない様子であった。


「皆こんにちは、急ではあるが今日から皆の担任を務めさせてもらう北村晴紀だ。よろしく頼む」


美人でセクシーな担任を希望していた男子たちはかなりショックな年配の男の担任が赴任となった。男子たちからは嘆きの声が聞こえる。北村先生はとても渋い先生で担当科目はその渋さを裏切らない古文。一部の生徒はその他の先生にはない渋さを気に入り、慕い始めているようだった。


「今日の日直は藤崎か」


今日の日直は俺で、北村先生に声をかけられた。


「はい、そうです」


北村先生は見た目もかなり強面であるため、声をかけられると少し緊張してしまう。


「頑張れよ」


「あ、ありがとうございます」


しかし、そんな見た目とは裏腹にとてもいい人なのである。


そしてその日の放課後、俺は1日の学級日誌を北村先生に提出しに職員室を目指して廊下を歩いていると何やら声がした。


「あぁ、そうか……」


この声は間違えるはずもない。北村先生の声である。


「早くしてくれ!」


何か急いでいるようだ。何をそんなに急ぐことがあるのだろうか。まさか!?この人も玉置のような秘密があるのか。俺は隠れて北村先生の様子を観察することにした。


「あぁ〜恵美ちゃんでちゅうか〜!可愛いでちゅね〜!」


渋いオッサンからは到底想像もつかなかったデレデレボイスが聞こえてきた。俺はその場でずっこけた。ずっこけた勢いで学級日誌を落としてしまい、その音が廊下に響き渡った。


「誰だ!!!」


北村先生が叫ぶ。いや、怖いよ。


「あ、すいません。学級日直を届けに来ました。それでは失礼しま〜す」


「待て!!!」


一々怖いなこの人。俺は北村先生に呼び止められた。


「はい、なんですか……先生……」


震えが止まらない。最近怪獣やら敵と戦う時でもこんなに震えはしなくなっていたのにこの人はとても怖い。


「お前今の聞いてたか?」


「今のとは何のことでしょう?俺にはさっぱりです」


「とぼけるな!!!」


「はい!すいません!聞きました!!」


「くだらん嘘をつくな馬鹿タレが!!!」


「すいません!!」


何故俺は怒られているのだろうか。そんな疑問が頭から離れなくなってしまった。


「聞かれてしまっては仕方あるまい、今から言うことは誰にも言うな。いいか?」


「え?」


「わかったのか!!!」


「はい!」


教室で真央を待たせているのにとても厄介なことに巻き込まれてしまったという思いが溢れる。


「俺には8歳になる孫娘がいる。俺はその子に溺愛しているんだ」


俺は一体何を聞かされているのだろうか。


「写真見るか」


「はい?」


「見るかと聞いているんだ!!」


「はい!見させていただきます!」


写真に写っている子を見て俺は驚いてしまった。なんとその子は俺が初めて魔法少女になった時に助けた女のだったのだ。


「あ――」


「なんだ?どうかしたのか?」


「いえ、なんでもないです。とても可愛いお孫さんですね!」


「そうだろう。このことは呉々も内緒に頼むな」


「はい!それでは失礼します!先生さようなら!」


「気をつけて帰るのだぞ」


こうして俺は先生からようやく逃れることができた。しかし、まさか助けた女の子のお爺さんが担任の教師なんて世の中の狭さに驚きが隠せなかった。


「あ、綾二くん。遅かったね。それになんかすごい大声が聞こえてきたけど、何かあったの?」


「いや!なんでもない!」


きっとこのことがバレてしまったら俺はこの世にはいられないのかもしれない。戦いでもあまり感じたことのない恐怖を俺は植え付けられてしまったようだ。


その後、真央と別れた後、怪獣が出現したので、俺はブラスターピンクへと変身して戦っていた。


「はああ!これでもくらえ!」


俺の強烈な連続攻撃に怪獣が体勢を崩した。


「ハッピーストライク!!」


必殺技キックで見事に怪獣を撃破した。すると、どこからともなく聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「君は!!!」


北村先生だった。


「待ってくれ!!!」


そう叫びながら北村先生は走って俺の元へとやってきた。とてもまずい事になったと顔がひきつる。


「なぜ君はそんな顔をしているんだね?」


「あ、いえ、なんでもないです。どうかしましたか?」


「あぁそうだった。君は以前この子を助けたのを覚えているかね?」


そう言って先ほど廊下で見た孫娘の写真をもう一度見ることになった。


「あ、はい。覚えですよ」


「おぉ!それはよかった!」


北村先生はとても嬉しそうな笑顔を浮かべた。俺は一体これからどうなってしまうのだろうか。


「孫がピンク色の魔法少女の君に会いたがっているんだ。怪獣から助けてくれたのだと」


「そうなんですか」


「会ってはもらえないだろうか」


いつもあまり感謝されたことはない魔法少女の活動だった。こうして誰かに覚えてもらい感謝されるなんて初めてでとても嬉しかった。


「君、何ニヤニヤしているんだい?大丈夫か?会ってくれるのか?」


「はい!喜んで!」


こうして俺は一番最初に助けた少女恵美ちゃんと再開することになった。


「あ、魔法少女のお姉ちゃんだ!」


「やぁ!また会ったね!」


恵美ちゃんはとても喜んでくれた。それを見て俺はまた嬉しくなった。そしてそんな俺たちを見て北村先生もとても喜んでいた。


「あとね……」


恵美ちゃんは話し始めた。


「あと……助けてくれたお兄ちゃんに会いたいんだけど、お爺ちゃんに聞いてもさすがにわからないって言ってたの」


助けたお兄ちゃん。それはきっと変身前の俺のことなのだろう。この子はなんの変哲もない俺を覚えてくれていたのだ。とても嬉しかった。


「そっか!俺……じゃなかった。私ね、そのお兄ちゃんと知り合いなの!だから、街で会ったら伝えておくね!」


「ありがとう!」


「じゃあ、またね!」


「うん!バイバイ!」


「君、孫を助けてくれて本当にありがとう!孫を助けてくれたもう1人の少年にもよろしくと伝えておいてくれ」


「わかりました!失礼します」


そして俺はその場を離れた。誰も見てないことを確認して変身を解除した。帰り道、嬉しさが溢れてニヤニヤが止まらなかった。

今日は1話の回収しなくてもいい伏線を無駄に回収した回でした。女の子はお孫さんだったというね。実はこの回、個人的には5本の指に入るかもしれないほど、好きな回でした。

綾二の頑張りが少し報われる回でした。しかし、こんな怖い先生ってもう現代にはいないですよね(笑)

私が高校生の時はまだ生き残ってました。

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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