XⅢ - 2
寺や神社や墓とかを、下校途中に寄り道して行ってみた。
行ったことあるところもあれば、初めてのところもある。初めてだなぁと思っていても、来たことあるとか。
目的地に行く途中に別の石碑を見つけたり、思いがけない店があったりして横道それるのも面白い。
次々と気になることがあって、調べまくるのに似てる。
まったく観光客に会わないところや、日本人しかいないとかも面白い。
学校の帰りに寄り道しようと思っていた寺が、直線距離だと近いんだけど、山の向こう側で結構遠回りだし、閉山時間もギリギリで、もちろん家とは逆方向。
日曜日に改めていく。
自転車で行くと学校も近いし、なんで自転車通学ダメなのよ。
いや、それにしてもわかってはいるけど、人、人、車、車…自転車乗ってると逆にやばいので八幡宮近くからは引いて歩く。
道路って駐車場みたい。ここって駐車場だったんだぁ…バカバカし。
細い道だけど人は多い。博物館やカフェがあって、通り抜けると横須賀線沿いに出る。
線路沿いって人多い。でもそこからはあっという間に着いた。
線路沿いから住宅街に入ると、人はまばら。
寺ってあるの?って雰囲気。
住宅街の中にぽつんとあるのかな。寺の周りに家が建ったんだけどね。
一気に雰囲気が変わる。寺や神社ってどうしてなんだろう。山門や鳥居をくぐった途端に空気とか風が変わる。不思議だけど、やっぱり外界とは違うよということか。
中学の修学旅行で京都奈良に行った時、別のクラスの女子が、ある寺の敷地内に入るのを嫌がって、門の外で待ってたと言うことがあった。
霊感が強いのか、なんだか知らないけど、普段そんなわがまま(?)言ったりしないので、先生達もクラスメイト達も戸惑っていた。
グループ行動の時、とある寺の山門で一人待つその子に、受付の人が声をかけてくれ事情がわかると、僧侶を1人呼んできた。
僧侶とは、どこから来たかとか好きな教科など他愛のない話をした。
僧侶はその子にお札をくれて、ポケットに入れて何かあったら服の上からでいいから触りなさいと言った。
その子はスカートのポケットにお札をたたんで入れて、その寺で参詣ができたそうだ。
その後の日程は何事もなくこなせた。
不思議な話だ。
お札は多分、気休めと言うと言葉は悪いが、お守りのような心の支えで、気持ちの持ち方しだいなんだなと思った。
寺には数人いたが、皆、日本人だったというか観光客という感じではない。
仏殿でお参りして、境内を見学。
後ろが山なので、細くて急な石段を登って行かねばならないところもあるが、後日ということにして境内をぶらつく。
建物は古い木造で、裏手の山や植栽に馴染んでいる。宝物館に重要文化財の本尊が鎮座していて本堂にもなっている。
静かで落ち着く寺で、今度は必ず山の上に行って景色を眺めてみたい。
帰りに横須賀線沿いで、中学時代通っていた塾の講師に出会った。
「三崎じゃない?オレ、オレ」
「錦先生…」
え? 錦?
同じクラスの錦のお父さんだった!
「裕司がさ、古典を三崎ってクラスメイトに教えてもらったって言ってたから、三崎だろうなと思ってたんだよね。同じクラスだったとは」
錦先生は藤沢の予備校の先生で、週一で僕が行ってた塾に国語を教えに来てた。
錦は文系が苦手らしかったけど、国語の先生の息子だったとは…狭い狭すぎる世間が…
錦先生は塾の先生だったけど、よく授業が脱線した。授業と全然関係ない雑談が多くて嫌がってる生徒もいたけど、なんだかんだ喋っていつのまにか元に戻ってた。僕としたら面白かったけどね。
なんで横須賀線沿いにいたかというと
「親戚がこの近く」
だそうだ。家は藤沢。
僕も理由を話すと
「へえ、いいじゃん。面白いだろ?」
と言い、
「塾に来ればいいじゃんか。俺もまだ行ってるよ。大学受験だって見てるし」
僕が行ってた塾は、表向きは中高受験専門だけど、一部大学受験生も見てる。
僕は高校合格して辞めてしまったけど、声はかけられていた。塾があまり好きじゃないからだけど、大学行くとなったら、母じゃないけどやっぱり“受験のプロ”と繋がってたほうがいいだろうなとは思ったけど…
今度見学に行きますとか言って別れたけど悩むなぁ。




