ソフィアスコラ
マーネ達はヨルに案内されながら道を覚えていく。白い校舎は二階建てで、アーチ型の大きな窓がたくさん並んでいる。廊下は日が射し込むと一気に明るくなり、夕方になると夕日で朱く染まるらしい。所々に飾られているステンドグラスが反射してキラキラと輝いている。天井が高く、長い廊下はそよ風が吹き抜けていった。
さっきまでいた生徒会室は東校舎の右奥にあり、順当に職員室、保健室を巡り東校舎の案内は全て終わった。次はクラスへ行こうと西校舎へ向かう。
中間地点の渡り廊下には休憩所のように長椅子が並べられて、座って中庭が見れるようになっていた。マーネが中庭にある花や噴水を見ていると、
ヨルが一旦休憩しようか?と言ってくれたので素直に頷く。
「西校舎こんな感じだけど、ここまでで何か気になることとかあった?説明不足なところがあれば補足したいんだけど…?」
「学校っていうより、お城みたいだなって思いました。校舎より中庭の方が広いし、中は迷路みたいに枝分かれしてるし。」
マーネの答えにヨルは頷く。
「間違ってないよ。昔は城塞だった。隠し扉、通路は多いし、地下には牢屋があるって噂だし。普通の学校とは雰囲気から違うよね~。
ソフィアスコラは世界大戦後、ガレリア帝国唯一の魔法学校に改装された。書庫には貴重な本が集められてるから、読み耽ってる先生もいれば。元兵士の先生は授業中に筋トレし始める。
変な先生が多いから授業も面白いよ。
独自で魔法具を開発してる変人もいるし。
魔法具知ってる? 魔法具の種類は様々で、防具や身に付けるアクセサリーだったり、自分の武器もそう。魔法で持ち運べるように開発されてる。ここの学生が使って評価して、改良して、良物は騎士団で使われるみたい。模擬戦する授業があるからその時に試用できるよ。」
「…でも、ノクスウェルさんもう持ってるよね?」
ヨルの一言に空気が変わった。マーネは息を飲む、咄嗟に胸元をおさえた。
バレたのだろうか…?外せと言われるかもしれないとマーネは焦った。
不安げなマーネを見て、ヨルはネックレスになってるんだねと言うと、先生には言った方がいいとアドバイスをくれた。
「魔力が高い人には気づかれるから、先生に魔力抑制器もらうといいよ。以前、同じように宝石持ってた子がいたけど、盗難被害に遭ってたから。」
「それは困る!!」
マーネが声を大にして言うと、だろうね。と返ってきた。
「すでに宝石を持ってるなんて理由は限られてるだろうし…。あ、心配しないで聞かないから。
このご時世だし大体予想つくよ。公にはしない方が良いっていうただの忠告!」
「…ありがとう。」
ヨルの親切にマーネがお礼を伝えると、返事の変わりに翡翠の瞳が細くなった。




