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「あなたが転入生のマーネ・ノクスウェルさんですね。今日からよろしくお願いします。」
イチカ先生は丸メガネを頭の上へ押し上げてマーネに微笑んだ。30代くらいに見えたがメガネを外すともっと若く見える。銀髪を後ろでくくっており、腰まである長髪。年齢不詳の先生。でも優しそうな先生で良かった。同意を求めるように、マーネはオルレアに目配せする。
「ブライト弟君がいてくれて良かった。
実は校内で爆発事故が多発してまして、対応におわれており、今日の案内が出来そうになくて…。代わりに彼にお願いしようかと思っているんです。」
「爆発!? 怪我人とか出てるんじゃ…?」
マーネが心配そうに訊ねるとイチカ先生も困ったように眉を下げた。
「そうなんです。私も行かなければ!なのでブライト弟君、彼女をよろしくお願いします!校内の案内と寮へ連れていってあげてください。終わったら職員室で会いましょう。」
イチカ先生はそう言うと、メガネをかけ直して、ドアから出ていった。
忙しないわね…と呟くオルレア。
「歓迎の花火の代わりに誰か爆弾でも投げたのかしら」
「物騒な学校だよね~。いつものことだから気にしなくて良いよ。」
オルレアの冗談に笑うヨル。
「じゃあ、行こうか。……の前に、なんかこの部屋綺麗になってない?」
辺りを見渡すヨル。
マーネが出来たのは、乾拭きと床掃除のみ。大したことはしていない。オルレアのくしゃみは止まったみたいだけどまだやれるところはたくさんあった。
「少しだけ掃除しました。でも全部は出来ませんでした…。」
チラリと見れば、書類の山奥に眠る赤髪少年を見て微笑むヨル。
「充分でしょ。オレ達掃除苦手で全然してなかったから助かったよ。これでしばらくは掃除しなくて良いね!」
ぐっと親指を立ててニコッと笑うヨルに、いや、ちゃんと掃除しなさいよ。とツッコむオルレア。呆れの方が勝ってきたのかオルレアのヨルに対する警戒心が解かれてきているのが分かるマーネ。自然と口角が上がる。仲良くなれそうで良かった。
「じゃ、そろそろ行こう。案内する場所まで魔法で行くのと歩いていくのどっちが良い?」
ヨルのふざけた質問にオルレアが目を光らせて睨み付ける。
「さっさと歩いていくわよ闇魔法使い。また跳び蹴りされたくなかったらね!」




