5
「はい、到着~! ここは生徒会室だよ。」
陽気な声と共にマーネとオルレアは真っ暗闇から解放されると、屋内へ移動していた。一瞬で景色が変わったので、キョロキョロと辺りを見渡すマーネ。どこかの一室のようで、真ん中の長机には紙束が積まれていて、対面するように置いてある椅子は埃を被っている。全ての窓は全開だが、掃除していないのか、とても埃っぽい部屋だった。後ろを向けばドアがあり。生徒会室と書かれた札がぶら下がっている。ほんとに生徒会室だった。と少し安堵する。
オルレアはまた闇魔法使いやがったなと少年を睨み付けた。
マーネは悪い奴ではないと判断をしたみたいだが、まだ信用できない。場所は移動してるのに、嫌な視線はまだ感じるし。どこからか私達を見てるのか…。オルレアはそれを探ろうとするが、何かに阻害されてしまう。
「えっと? ブライトさん??」
混乱するマーネにこっちきてー。と手招きするヨル。
いつの間に移動していたのか、紙束の向こう、一番置くの窓辺に立っていた。
「これ生徒会長のカジ・ブライト。オレの兄貴。ブライトさんだと被るから、ヨルで良いよ。こっちはカジで良いから。いやー、説明するか悩んだんだけど、手っ取り早く魔法で連れてきちゃった。ごめんね。」
ヨルの指差した方にはすやすやとソファで眠っている赤髪の少年。寝ている手元にはお菓子が散らばっていた。
マーネは呆気に取られた。
なんと言えば良いのか…。さっきのが魔法?何が起こったか分からなかった。門の時と同じだ。気がつけば違う場所にいる。
「あの、どうして生徒会室に?」
声をかけても起きない生徒会長に、つついてイタズラをするヨル。マーネの質問に少し考えた素振りをした。
「あんた、じゃなくて…ノクスウェルさん、今日初日でしょ?
転校生を迎え入れるのも生徒会の仕事だから。
先生呼んでくるからここで待っといて。」
ヨルさんは適当に座ってていいからー。と言い残してさっきの魔法を使って消えていった。残されたオルレアと目を見合わせる。
「この部屋汚過ぎるわ…。鼻がさっきからムズムズしてイライラしてきた。視線もよく分かんないし…。」
視線?と首を傾げるマーネ。
オルレアは気にしなくて良いわ。と手を振る。
マーネの肩からテーブルへ移動するオルレア。
紙束の周りをペタペタと歩いてみれば、足跡がついていた。ついでに足裏には埃が付着。
ゲンナリした顔のオルレアをマーネは宥める。
「暇だし掃除しようか。…起こさないよう静かに。」
マーネが指差した方には捨て置かれた、掃除道具一式が置いてあった。
マーネが掃除を始めてからしばらくして。
ノックの音がして扉が開かれた。
入ってきたのはヨルと丸メガネをかけたよれよれの白衣を着た男性。ヨルが呼びに行ったと思われる先生だ。
「1年生担当のイチカ・ヨルズクです。迎えが遅くなり申し訳ない。」




