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「あの時以来だね。」
フィシトルの言葉にマーネは頷く。フィシトルは座るとマーネにも座ることを促した。マーネはフィシトルの目の前に正座する。
「マギアの訓練の前に少しお互いに話そうか。ここならゆっくり話せそうだ。聞きたい事があれば答えるよ。」
「あの、クラスの子達が言っていた騎士団長って何の事ですか?」
「ああ、ラグナログ騎士団。辺境では防衛軍と呼ばれていたからそちらの方が聞き馴染みがあるかな?その軍のまとめ役を騎士団長と言うんだが、私がその…騎士団長なんだ。前任者が戦争で亡くなってしまって、暫く空席だったんたが。その後に闘技大会で優勝したらいつの間にかなってしまった。」
「じゃあ、あの時も?」
「いや、最初に出会った時は派遣された時だから、まだ末端の兵だったよ。騎士団長になったのはマーネと養子縁組した後で。それから仕事で会えず、ろくに説明も出来ないままマーネは入学して寮に住むようになった。」
「はい。あの時は学校への行き方を記した紙だけがリビングに残されていたので驚きました。無事に辿り着けて良かったです。」
ごめん。と謝るフィシトルにマーネが大丈夫だと笑う。
「君の才能は最初から気付いていたから伸ばして上げたかったんだ。僕が教えてあげれれば良かったんだけど…。でもこの学校ならマーネも自由に過ごせて、マギアも学べる。探している両親の手がかりも見つかるだろう。私は手伝えそうにないから…。三週間後、また遠征に向かうからね。」
フィシトルの言葉にマーネの顔が険しくなる。
「帰ってきたばかりなのに?また国境辺りですか?」
「そう、獣人国家アガータルの方面にある屯所から連絡があって要請を受けた。今度は南だ。」
フィシトルは真剣な顔でマーネを見据えた。
「…少し、マーネを鍛えてから行こうと思って学校側に頼んで良かった。もし戦争が始まれば王都まですぐに戦火に巻き込まれるだろうから。この学校も生徒達も無事にはすまないだろう。」




