オルレアの心配
マーネ、ヨルと違う気配を感じて、とっさにベンチの下に隠れたオルレア。ヨルの言葉に呼応するように見知らぬマギアの匂いが強くなる。
やがて声が聞こえたかと思うと、爆発音が聞こえ、土埃で視界が遮断されてマーネの匂いが薄くなった。何が起こっているのかと覗いてみる。徐々に視界がひらけてきた。マーネの姿がない。オルレアは必死で探すも匂いが途切れた。
分かる範囲で追いかけようとベンチから飛び出すと誰かに掴まれ持ち上げられる。全力で手足をバタつかせ抵抗してみるも、持ち上げたのは見知った奴だった。
「ちょっと!!」
「オルレア、ノクスウェルさんが捕まった!!オーディンと協力して居場所を突き止めて欲しい。…オレはあいつに足止めくらってるから、後で合流するよ。」
急いでヨルはそう言って目の前に視線を戻す。ヨルの視線の先には一人の男子生徒が地面に両手を当ててしゃがんでいる。ヨルが思いっきりオルレアを真上へ投げ飛ばすと同時に、ヨルの方へ順に地面が空へ突き刺すように盛り上った。ヨルがマギアを使って避ける姿をオルレアは空中で見ていたが、浮遊感がなくなり重力に引っ張られるように下へと体勢が変わった時、黒い何かがオルレアの尻尾を掴んだ。そしてそのまま空高く舞い上がる。オルレアは匂いで分かった。
「オーディン!…ありがとう。ある程度の距離が取れたら地面に下ろしてくれる?マーネを探すわ。」
「分かっている。」
オーディンはオルレアを背中に放り投げ、背中に掴まったオルレアを見届けると急降下した。
「あいつ、大丈夫なの?」
「…主の事か?問題ない。後で追いつくと言っていた。」
オーディンの言葉にオルレアは指先に力を込める。
「そう…。アタシはマーネが心配だわ。怪我してなければ良いけど。」
オルレアの小さな声を聞いて、オーディンはスピードを上げた。オルレアは本当に心配だった。マーネが誰かを怪我させてるかもしれないと。




