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ゼファは中庭を走り抜ける。水風船の中をぷかぷかと浮遊するマーネを連れて。後ろでヨルさんが誰かと戦っていたが、どんどん距離が離れていって見えなくなった。中庭で休憩していた生徒達が爆発音を聞いて校舎の中へ避難していく。マーネはマギアを使えばこの水風船を割って誰かに気付いてもらえるかもしれないと考えた。しかしここで割ってもまた捕まる可能性がある。その場合、次は気絶させられるだろう。それならば、このまま大人しくしておこう、もしこの人が旧派閥の人なら派閥争いについて話が出来るかもしれない。
マーネが連れていかれたのは時計塔の中だった。隠し扉から中へ入って螺旋階段を登っていく。大広間のような空間へ出ると、誰かが持ってきたのかソファーやらテーブルやら家具が設置されていた。どこか既視感のある風景。ゼファはソファーの横にある檻へマーネを入れると、入り口を閉じてマギアを解いた。水が弾けて辺り一面水浸しになったが、マーネは濡れていない。マーネは格子に近づいて、試しに揺らしてみるが、出れそうになかったので肩を落とした。鍵穴なども見当たらない、これもきっとマギアで作った檻なのだろう。あとは…頼れるのはオルレアだけど、オルレアはマギアの気配を感じて、ベンチの下に隠れたからきっとこの人にはバレていないはず。匂いを辿って来てくれるだろう。それまで出る方法はないとマーネは格子に額をくっ付けて溜め息をついた。ゼファはソファーに座りながらマーネを面白そうに眺めている。
「えらい落ち着いてるなぁ?無理やりでごめんな。転校生のマーネちゃんやっけ?あいつ等誘き寄せるために餌になってもらうで。それまで俺が話し相手なったるさかい、何でも聞いてや。」
ゼファはにっこりと微笑んだ。




