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ヨルが噴水を睨む。声をかけた方角には誰もいないように見えたが、徐々に水位があがり水が溢れた。溢れた水はゆらゆらと蠢きはじめ人の形を作っていく。完成した水人形がぱしゃんと弾けると中から人が現れた。彼は気だるそうにヨルを見るとニヤリと笑った。
「バレてもーたか。やっぱ闇属性の相手に隠密ではかなわんなぁ。まぁ、聞きたかったことは聞けたさかい…ええか。」
男生徒はマーネと目が合うとひらひらと手を振る。マーネは初めて会う人だったので手を振られたことに戸惑っていると、ヨルがマーネを隠すように前に出た。ヨルは黙って相手を睨み付けている。
「…ゼファ。何か用?」
「おー怖っ。そないに睨んでどうしたん?情報収集はお前の十八番ってか?真似されたからってそないにキレなや。今日はお前に用ないねん、俺らが用あるんは…そっちの子や。」
ゼファが愉快そう笑う。ゆっくりとマーネを指差すと同時に地面がぼこぼこと盛り上がった。この前見た土人形と似たものが4つ、マーネとヨルに迫ってくる。
「悪いな。今日は一人とちゃうねん。お前はあいつと遊んどき。」
「っ!…クラウスもいるのか。くそっ!ノクスウェルさん、クラスへ!!」
ヨルがマギアを使おうとした瞬間。狙ったように土人形が爆発して土埃が辺り一面を覆って何も見えなくなった。
「ヨルさん!!!」
マーネが咳き込みながら何度も名前を叫ぶもヨルの声は返ってこない。視界は遮断され続けている。砂埃は落ち着くことなく空中を漂い続け、マーネは違和感の正体に焦った。普通の砂じゃない。早く抜け出さないといけない。マーネが勘づいた頃には時既に遅く。マーネは誰かに後ろから抱き締められた。
「捕まえた。任務完了や。」
耳元で聞こえた声はゼファだった。マーネが叫ぶよりも前に体全体が水に包まれて宙に浮く。内側から叩いても割れない頑丈な水。ゼファは風船のように紐を付けて持ち、引っ張って行く。マーネが中から叫んでもどこ吹く風で、誰にも聞こえていないようだった。




