マギア
「…はぁ、まあ良いや。次は勝つ。マギアも使って勝負する。それで負けたらちゃんと認めるよ。…負けたらね!」
「約束ですからね?ではマギアの使い方を教えてください!」
マーネはイチカ先生が使っていたマギアが自分にも出来るのだろうかと想像を膨らませる。もしできたら…。とワクワクする気持ちを抑えながらヨルの言葉を待っていた。
「あんたさー…。いや、何でもない。マギアね。マギア。」
ヨルはどうやって教えるかと悩んでいたが、その辺に落ちてた小枝を拾ってきて地面にガリガリと文字を書いていく。
「まずは属性からかなー。あんた何属性だった?」
「光属性でした。」
「はぁ?光?」
ヨルが声を荒げて聞き返す。マーネがこくこくと頷くと、マジかー。と言ってガリガリと円を描いていく。その円を区切るように2本の直線を斜めに交差して引く。上に火。下に水。右に風、左に土。そして円の外へ。上に光、下に闇。と書いた。
「これは、属性の相性を表してる。上から火は風に強く。風は水に、水は土に強くて、土は火に強い。対極してるもの同士はお互いが弱点になる。例えば、火と水。風と土。円の外側にある光と闇はお互いが弱点になるけど、この円の中にある4つの属性には強い。」
「ヨルさんは4つの属性に強いと。」
マーネが円を見ながら指で確認していく。
ヨルは分かりやすいようにと矢印を書き足してそういうこと。と答えた。
「でも唯一光属性には弱い。」
「はい、私に弱いと。」
マーネは真剣に聞いているのだが、言葉選びが悪かった。イラッとしたヨルは円を枝で消してしまう。そしてその上からガリガリと違う言葉を書いていく。
「あんたも俺に弱いからな!お互い様だから。前にも言ったけど、基本は相反する属性とパートナーは組まない。何故なら戦う時にお互いの魔法が当たると打ち消してしまうから。」
「じゃあ、組んでる人は誰もいないんですか?」
「…………それがいるんだよねぇ。俺の兄貴なんだけど。」
「えっ!!カジさん?!」
マーネが驚きの声をあげる。
長い沈黙の後、ヨルは深刻そうに頷いた。
「まぁ、互いの属性の弱点をカバー出来るっていうメリットもあるから。ただ相性が悪いだけあって毎日のように喧嘩してるけど。」
あの優しかったカジさんと喧嘩?とマーネは思ったが、目の前に居る人を見て納得する。第一印象だけで決めてはいけない、突然変化する人もいる、と。マーネは自分とヨルさんもそういう風になるのだろうかと考えたが、もう既に喧嘩した後だったのを思い出す。
「喧嘩するほど仲が良いって言いますよね。」
「何言ってんの?仲良いなら喧嘩しないでしょ。」
マーネのフォローは一刀両断されて、自分に跳ね返ってきたのだった。




