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「なぁ、ヨル。何か門の辺りが五月蝿くないか?監視鳥が反応してる。」
「あー…、転校生来てるみたい。誰かと話してるけど誰と話してるかは見えないんだよねー。」
生徒会室にて、学生服を着た2人が会話している。1人は黒髪の男の子ヨル。窓側で返事をしながら腕に乗ってる黒鴉を優しく撫で下ろしている。もう一人は赤髪の男の子カジ。走らせていたペンを置いてヨルを見る。転校生なのか?それ不審者では?と疑い始めたところだ。
「え、何それ怖っ。独り言か?大丈夫なやつか?ヨルみたいにアニマを連れてるだけかもしれんが…。どっちにしても、校門の前はマズい。ここに連れてくるかー。まあ、俺は忙しくて無理なんだが。」
突然仕事を押しつけようとするカジにヨルは眉をひそめた。
「は?嘘つきー。オレにはソファに寝そべってお菓子食べてるように見えますけど?」
「休憩させてくれーー。めちゃくちゃ働いてるのにこの減らない仕事!!まだこんなに残ってるんだぞ!」
泣きそうな顔で山盛りの書類を指差すカジに、首を左右にふるヨル。
「自業自得。元々ここで働いてたやつを追い出すからこうなるんだよ。」
「俺は悪くねぇー!あいつら全く仕事してなかったの知ってるだろ?このままじゃ俺達の大事な学生生活が何事もなく終わってしまう…。よくない、よくないぞ!」
「何もないほうが平和で良いじゃん?」
カジの熱弁にも何処吹く風のヨルに等々しびれを切らした。うがーっと雄叫びを上げて、ヨルを睨み付ける。
「とにかく!!連れてこい。これは兄貴からのお願いだ。ついでに生徒会メンバーに入れると今決めた。正直猫の手も借りたいところ、人手不足が深刻すぎる!!」
以上! もう何も言うまいと目と口を閉じたカジを尻目に、ヨルは面倒な事を押しつけられたなと思った。唐突に始まったカジ主体の生徒会執行部は現在2名で運営されており、確かに人手不足ではあるが、兄と2人でやるのは弟は嫌ではなかった。溜まっていた書類を一から見直し、今まではやっていたのだが…。一向に減らない仕事にカジの方が折れてしまったようだ。
今日からあなたは生徒会役員です!と初日に言われた転校生を想像する。
いや、訳分かんないし、可哀想…。
さて、どうやって説明するか。
ヨルは少し考える素振りをしてから、黒鴉に目で合図を送り、足元に広がる果てのない闇に自ら飛び込んでいった。




