はじまり
少女は巨大な門を目前に頭を抱えていた。
ソフィアスコラ。
この学校はとても有名で、魔法を学ぶには知らない者はいない学校だからだ。多くの者はこの学校で魔力の原石である石を貰い、学びながら育て宝石にすれば卒業できる。その後、各々が様々な道に進むのだが…。
少女は胸元に手を当ててため息を吐いた。
掌の中には既に例の宝石を持っていてその宝石は既に加工されてネックレスに成っていた。
「はぁ、どうしよう…。」
少女が呟くと、彼女の胸ポケットがもぞもぞと動きだし、白鼠が顔をだした。
「内緒にしていてもいつかバレるでしょう。なら堂々と見せびらかしたら?」
ふんっと鼻先を鳴らして、白鼠は少女の胸元を叩いた。
「オルレア…。いやいやいや!!そんなの怖いから無理だよ。入学早々友達出来なくなりそう。」
少女は青ざめる顔を押さえて震えだした。
「 ならあいつに確認取りなさいな。あいつがマーネをここに通わせるって決めたんだから。」
白鼠は呆れた様子で少女に聞けば、それが出来たらここにはいないよ~と情けない返事が返ってきたのでもう何も言えなくなった。
オルレアはここに来る前のことを思い出す。元々マーネは戦争孤児で、どえらい田舎の孤児院で育てられていた。水は井戸から汲み上げ、食料は畑で育てたものや川魚。ご近所である村は数キロ離れた場所にあり、歩いて行くのに1日かかる。体力と腕力はめきめきと鍛えられたが、学ぶための時間は余りなく、優しい周りの大人に助けられていた。そんな子が、1日で劇的な出会いと運命に引き合わせられて、今この場にいる。可哀想ではある、が…幸運とも言える…のか? 泣きそうなマーネを見るとそうとも思えなくなってきた。
頭を抱える少女を尻目に、やれやれとオルレアは息をつく。
ただいつまでこの門前にいるのか、少女の覚悟が早く決まれば良いのにと思う白鼠であった。
オルレアはマーネのお姉さん的存在で、2人は仲良しです。




