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中心にある時計塔を通り抜け、北へ向かうと、木造の建物が2つ見えてきた。
「はい、ここが学生寮!右が男子で左が女子ね~。庭と一階は共有スペースで、2階からは各々の部屋。皆1人部屋だから安心して、ゆったり過ごせるようになってる。今なら寮母さんがいるから挨拶しようか。」
「マキさん!転入生来たよ~。 」
てっきり中には入るのかと思っていたら、ヨルさんは大声で外から声をかけた。
すると、は~い。と女子寮からパタパタと走ってきた女性。 赤いエプロンをつけてピンク髪を後ろで1つに束ねた女性が駆け寄ってきた。
「お疲れ様~。寮母のマキ・ セワシです。マーネちゃんよね?これからよろしくね。」
よろしくお願いします。とマーネも挨拶する。
荷物は先に預かってて、部屋にいれてあるからとマキさんは中へと入っていく。ヨルさんはどうするんだろうと振り返えれば。丁度時計塔の鐘が鳴って、午後3時を告げた。
「女子寮はオレ入れないから、中はマキさんに案内してもらってね。終わったら東校舎の職員室まで行って、イチカ先生を訪ねて。オレはこのまま授業に出るから、またね、ノクスウェルさん。」
ヨルさんは言い終わると走っていってしまった。
授業間に合うんだろうか?と思ったら、闇魔法で消えてしまった。 またねと言い返せば良かったなとマーネは思ったが、次、会ったときは自分から挨拶しようと決めた。
女子寮へ入ると白いフローリングにパステルピンクの壁。調度品があり、奥には綺麗なキッチンがあった。所々に置かれている動物のぬいぐるみは誰かの忘れ物だろうか?
「ご飯は朝6時から8時の間にここへ降りてきてね。お昼は作ってないから各自で準備するか、食堂を利用してね。夜は7時から8時の間に食べに来てね。時間外だと食べれないから気をつけて、ご飯は時間厳守よ~。」
マキさんはうふふと微笑みながら説明していく。
「マーネちゃんは何か食べれないものとかある?アレルギーとか、気を付けてるものとか…?」
「大丈夫です。何でも食べれます。あ、あとこの子、オルレアって言うんですけど…。動物は飼えますか?この子も何でも食べれます!」
マーネは掌にオルレアを乗せてマキさんに見せる。
マキさんは一瞬まあっ!と驚いたが、綺麗な子ね~と言うと、大丈夫。ちゃんと準備するわと言ってくれた。
「アニマを飼ってる子は少ないけどいるのよ~。だから、その子も自由にさせてあげてね。庭に住んでる子がいるから後で行ってみて。」
良かった。オルレアも窮屈な生活にはならなさそう。自由にして良いと分かると、早速飛び降りて歩き始めたオルレア。走って庭の方へ行ってしまった。マーネはこれから部屋に向かうが、オルレアは後から匂いを辿ってくるのかもしれない。
「お部屋は階段上がって2階の205号室ね。バルコニー、ベッド、勉強机、トイレとお風呂が備え付けてあるから自由に使って。
あとは、これね。」
マキさんは赤いリボンをマーネに手渡した。
「…これは?制服用のリボン?」
戸惑いがちに訊ねると、マキさんはリボンの上に手を置いてするりと撫でた。
すると、リボンが変形して金色の鍵になった。鍵には205号室と描かれたタグが着いている。
唖然としているマーネをマキさんが茶目っ気たっぷりの瞳で見つめる。
「ビックリした?サプライズよ~。魔法で鍵をリボンに変えてるの。失くさないようにするために考えたんだけど、アクセサリーだと被っちゃって着けれなかったりするから。制服のリボンにしたの。また撫でればリボンに戻るわ。」
「凄いです! マキさんが考えた魔法なんですか?」
「そうよ~、自慢じゃないけど、裁縫とか得意だからそういうのに長けた魔法ばっかり使ってると、閃いちゃうのよね。この学校は変な人が多いから見慣れちゃうと普通なんだけど。」
謙遜するマキさんにマーネはそれでも凄いです!素敵な魔法ですね。とマーネが答えると、マキさんは嬉しそうに頬を染めて喜んだ。
「このリボン着けて、これでようやくここの生徒ね~。」
マキさんは満足そうに頷いた。
「このまま部屋で休めるけどどうする?」
マキさんの提案に思わず頷きそうになったが、マーネはヨルの言葉を思い出す。
「職員室まで行かないと行けないので、このまま行ってきます。」
「そうなのね~、 4時には授業が終わって、先生達も帰っちゃうから急いだ方が良いかも…。」
マキさんにありがとうございますと手を振って、職員室へ向かう。
出掛ける際にオルレアを迎えに行こうか悩んだが、
何か探し物をしているみたいだったので誘うのをやめた。急いだ方がいいかな…? 時計塔の針が4時半に差し掛かってるのを見て、マーネは全力で走りだした。




