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EP-38 埋め立て地(Day +199)

神戸空港展望ロビー


大手物流会社CEOのチェンは、朝の第一便で到着したロバート駐日大使を空港のロビーで出迎えた。


チェン

「お待ちしておりました。大使閣下」


ロバート

「グッモーニン。Mr.チェン。昨日は三宮にお泊りですか?それともポートアイランド?」


第2六甲アイランドを見つめるチェン

「六甲アイランドです。ずっと南の埋め立て地の工事を眺めていました。あそこに我が社の新しい物流拠点が入ります。」


同じく第2六甲アイランドを見つめるロバート

「大災害を乗り越えて、貴社が発展を続けているのは喜ばいい。」


続けて、第七艦隊事件や在日アメリカ人社会の動向について意見交換を行う2人。途中で数人の有名な在日アメリカ人が話に加わる。急に人が増えてきたことを警戒するロバート


チェン

「単刀直入に、閣下。州知事、いや、大統領になりませんか?

第2六甲アイランドを自治権付きで購入して新しい合衆国を作るのです。

我々はメリケンを信用できない。

さらわれる危険のある本土より、安全な日本で暮らしたい。

第2六甲アイランドなら安全だ。神戸空港と橋で結んでもいいし、大阪、神戸も近い。

在日アメリカ人の総意とは言わないが賛同者は多い。スポンサーもいる。

日本も埋め立て地なら国土を売り渡したと言われなくて済む。

全員が住むわけじゃ無い。

主権をもった土地というアイデンティティの根っこが必要なんだ。

ヨーロッパ系の財閥や華僑の一部も賛同している。

彼らは新しい埋め立て地の0.1平方kmを欲してるんだ」


ロバート

「在日米軍基地の土地で建国することを考えていたが、あなたのプランの方が現実的かも知れない。

各国の駐日大使の間でも度々話にはなる。大使館だけでも購入したいとか。現実的ではないだけで」


チェン

「我々は日本で暮らしていけるが、アイデンティティーは別だ。亡国の民にはなれない。

我々が欲しいのは、広大な国土ではない。帰るべき場所だ。

決断してほしい。」


いつの間にか空港ロビーは在日外国人の有力者達であふれていた。

ロバートは自分が引けなくなっていることを悟った。



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