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EP-18 華共産中央委員会 極秘会議(Day+55)

■ 華共産党中央委員会 極秘会議


重厚な扉が閉じる。


窓はない。


空気は——最初から重い。


机上の数字。


誰も疑わない。


人口、五億。

必要出生、年一千二百万。


人口計画部が読み上げる。


「革命前世代、退場段階に移行」


「生殖アクセス回数、減衰中」


淡々と。


「現状、年2500万」


「五年後、2000万」


「十年後、1500万」


一拍。


「二十年後——150万」


誰も動かない。


それが何を意味するか、全員が知っている。


国家の時間が尽きる。


医薬局。


「春丹X」


短く。


「残り寿命引き換え、追加50回。使用後、意識回復なし」


劉主席。


「壮年男性の献身に、党は感謝する」


誰も反応しない。


感謝は、意味を持たない。


別の声。


「必要条件、再確認」


「年2500万アクセス」


「稼働男性、25万」


「若年名家女性、8万」


紙の上の数字。


だが、それが国家そのものだった。


■ 外交案


曹外交部長が立つ。


「外交部、歴史的成果」


資料が配られる。


「在日華人、八十万」


「帰還希望者、受け入れ」


「生殖アクセス権」


一拍。


「初年度、五十万回」


「最大、五百万回まで拡張」


さらに。


「核兵器放棄と引き換えに——」


わずかな間。


「アンモニア合成技術の取得」


空気が、わずかに揺れる。


それは単なる肥料ではない。


食料制約を外す技術。

人口上限を書き換える技術。


曹外交部長は断言する。


「国家再生の唯一の道です」


沈黙。


劉主席が、ゆっくりと口を開く。


「評価する」


一拍。


「だが—— 1桁足りない」


空気が変わる。


■ 三案


劉主席が指を三本立てる。


「甲」


「在日華人帰還+日本人移住」


「若年層中心、二十万確保」


「武力不要」


「関係維持可能」


だが。


「南と競合」


「時間がかかる」


「世論で停止」


短く。


「不確実」


次。


「乙」


「特区利用」


「武力不要」


「関係維持」


だが。


「量が足りない」


「永遠に日本男性に依存」


切り捨てる。


「それは国家ではない」


最後。


「丙」


空気が沈む。


「北海道、または沖縄」


一拍。


「短期占領」


「二十万規模、即時移送」


沈黙。


「即効性あり」


だが。


「対日関係、完全破綻」


「資源・技術、全断」


静かに。


「不可逆」


■ 議論


沈黙の後、軍部。


「鬼士突撃」


「回天特攻魚雷、千本、百ノット突入」


「桜花特攻機、千機、超音速突入」


短く。


「勝利、確信」


別の声。


「外交では間に合わない」


曹外交部長、即座に反論。


「日本は供給可能」


「一時的譲歩、許容すべき」


「邪馬台国経由も選択肢」


夏将軍


「時間がない」


短い応酬。


どの選択も、国家を削る。


それだけが、共通している。


■ 結論


劉主席が手を上げる。


沈黙が落ちる。


「甲・乙、併用」


誰も驚かない。


「時間を買う」


続ける。


「日本および邪馬台国の軍事力——徹底分析」


そして。


「南とは——」


一拍。


「一時同盟」


さらに低く。


「南が先に動けば、後ろから斬る」


空気が張り詰める。


劉主席は、わずかに目を伏せた。


(時間は買える。だが、時間がたつほど次の手が狭まる。)


顔を上げる。


「機会が来れば」


一拍。


「丙を実行する」


沈黙。


誰も異議を唱えない。


それは——


国家としての、最後の意思決定だった。

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