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21 次の作戦へ

 ミーナリア様の歓迎会はにこやかに終了。

ミーナ様は大満足のご様子。

良かった良かった。


「何者なんだ、あの〈仲良くしたい隊〉・・・」

ギルバート殿下がものすごく驚いている。

何者って【貴婦人会】の皆様ですよ。

あれほどすごい人たちだとは、悪魔もびっくりだな。


それから数日は朝教室までおしゃべりしながら移動、昼食は一口サイズに切られたものがなぜか用意されており、口に物を入れたまましゃべろうとすると

「ミーナリア様、私達急いでおりませんから、ゆっくりお召し上がりになってくださいませ」

などと言って、飲み込むまで皆で微笑んで見つめているのだ。

さすがにじっと見つめられると恥ずかしいのか、しっかり飲み込んでから話をするようになった。

女神の集団か?

拝んどこう、なんかいいことあるかもしれん。


ある日、珍しく午後の授業後に呼ばれた。

「ミーナリア様。ご一緒にお勉強しませんか?」

「え?」

「ミーナリア様はせっかく学園に通っていらっしゃるのに、授業がわからないってこまってらしたでしょ?」

「ですから私たちがお助けしたらどうかと思いまして」

「・・や・よ」

「え?」

「いやよ」

まさかの全力拒否。

「まあ、そんなに嫌ですか?」

「い、や」

「そうですか・・・・」

どんより、という言葉がぴったりの雰囲気。

うぉ、泣いてる人もいる。


しかたない、私が聞いてみよう。

「あの・・・ミーナリア様?なんでそんなに嫌がるんですか?」

「・・・・」

「ミーナリア様もここ数日楽しかったでしょ?この方たちはミーナリア様を助けたいと思っていますよ」

「・・・」

「わからないならわかるところから始めましょうよ。クラスの皆も協力してくれますよ」

ミーナ様は子供がイヤイヤをするように首を横に振る。

「だって・・・どうせ」

「何ですか?」

「どうせあなた達もお義姉様と私を比べるんでしょ!」

あぁ、そういう事か。

ミーナリア様は王子の婚約者にまで選ばれたリリーナ様と比べられてたんだ。

「お義姉様ならこの歳にはできていたとか、お義姉様ならそんな間違いしないとか、皆してお義姉様を見習いなさいって!誰もミーナを見てくれないの!

パパとママだけがお義姉様よりも可愛いって言ってくれたの」

うわ~んと泣き出すミーナ様・・・。


ハンカチでミーナ様の顔を拭いてあげる。

ありゃ、メイクがはがれてしまった、ま、いっか。

そのままミーナ様の目を見ながら話す。

「あの、ミーナリア様、私は比べたりしませんよ?」

「嘘よ!皆比べるのよ!お義姉様と違って私は勉強もマナーもできないから!!!」

「嘘なんてつきませんよ。だって・・」

「だって、何よ!」

「私、ミーナリア様のおねえさま知らないですもん。

そんな見たこともない知らない人とどうやって比べるんですか?」

「あ・・・」

やっと気が付いたんかい。


マリアンヌ様が続ける。

「私たちもですよ、ミーナリア様。どんなに素晴らしいおねえさまだとしても、あった事もない方とは比べようがないですから」

周りの皆様もうんうん頷いている。

「ほんと・・二?いやにならない?」

「まあ」

と言って〈仲良くしたい隊〉の皆様はミーナ様の周りを囲んで手やら肩やら優しくさする。

「みんなのミーナ様でしょ?一緒にがんばりましょう」


なんて心温まる光景だ。

友情って素晴らしい。


「おい」

人生捨てたもんじゃない。

「おいって言ってるだろう!」

あ?うるさいな、誰だよ、と思ったら、まさかのフリッツ様。

何しに来たんだ。


「誰?」

そう聞いたミーナ様を見たフリッツ様が口をあんぐり開けている。

どうした?フリッツ。

だんだんと顔色が赤くなっている。

病気か?

熱か?

大丈夫なのか?

なんか顔が気持ち悪いぞ。

そう思っていると、周囲がざわざわしてる。


~人が恋に落ちる瞬間を見ました?

えぇ、驚きましたわ。

ステキな瞬間に立ち会えましたわね。

でもミーナリア様はまだ気が付いてないわ。

フリッツ様の事をミーナリア様が好きになったら応援しましょうね。

こ・れ・は!

淑女をお育てしつつ、恋に落ちたフリッツ様とどうなっていくのか見守るという作戦が始まるのね。

まぁ忙しくなるわ。~


次の作戦が決まった瞬間である。


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