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16 ようこそ留学生+

 ウェステリア国からの留学生がやってきた。

まずは王宮で顔合わせ。


「ようこそ我が国へ、楽しく滞在していただけますよう」

「アレクセイ殿、早速のお迎え感謝する。来週からは学友としてよろしく頼む」

「ギルバート殿、こちらこそよろしくお願いします」


おぉ、悪魔がキラキラ王子を演じてる。

相手の王子は普通だな、顔は良い、なんかいい人ですって顔だな。

頭の中でそんなことをつぶやいていると、他の側近たちが自己紹介を始めた。

アクセル様、ニール様、リシャール様、ベント様、ハント様、と、あれ?女性がいる?


「ギルバート殿、そちらの女性は?」

「あぁ、彼女は「あ、あたしはぁ、ミーナっていいますぅ」」

おいおい、自国の王子にかぶせていいのか?

何つーか、ひらひらした服だな。

ほぼレースとリボン、ま、好みは人それぞれだしね。

両手を目に組んでアレクセイ殿下を見上げている、距離、近っ。


「ごほん、ギルバート殿?」

アレクセイ殿下がギルバート殿下に顔をむける。

説明しろよ!って伝わってくるな。

「あ~、その彼女は私の婚約者の義妹で・・・」

「そうなんですぅ、あたしぃ、ギル様の婚約者の妹なんですぅ」

なんかしゃべり方がうっとうしいな。

「婚約者の義妹?」

「婚約者はフェイト公爵家のリリーシャだ」

「で、今は義妹殿が来ている?」

え~、なんか複雑で面倒くさい匂いがする。


「セリ、ミーナ嬢をお茶にお連れしてくれ」

え~ヤダよ、こんな変な子と行くの。

「え~~~この方とだけですかぁ?ミーナ皆でお茶がいいわ~~」

は?なんだこいつ・・・。

「ミーナ嬢他にもまだ打ち合わせがあるから、先にお茶をしていてほしいんだが」

「ん~、ギル様がそういうなら、でもぅ、早くミーナに会いに来てくださいねぇ」

仕方がない、変な子を連れてサロンへと案内することにしよう。


「ねぇ、貴女なんて名前?」

さっき名乗ったんだけど?聞いてなかったのか?

「セリーヌ・ベロウドです」

「ふ~ん、伯爵?子爵?」

「男爵家です・・・」

「男爵家?な~んだ」

な~んだってなんだ、喧嘩売ってんのか?

 

「ねぇ、アレク様ってすご~くかっこいいわねぇ~。クロード様もカイト様も!」

「・・・」

「アレク様って婚約者いるのぅ?どんな人ぉ?」

王宮の廊下ででかい声で語尾を伸ばしながら話すなよ。

すれ違う王宮の使用人の方々が振り返って驚いている。

素早く歩けよ、のそのそと遅いし、声はでかいし・・・うっとうしい!


暫くしてサロンにつき、侍女さん達に事情を説明する。

お茶の用意ができていく。

その間ミーナ様はじっとしていない。

サロンの中をウロウロ、あぁ、そんなフリフリヒラヒラで歩き回ると調度品とか花瓶に引っかかるって。

あ、引っかかった。

転んだ。


「いた~いぃ、あんた早く助けなさいよ!」

おぉ、語尾に伸びがない、それが素か。

ほっておくとうるさいので、仕方なく手を貸す。

「お茶の用意が遅いからよ!愚図なのね、この国の侍女は!!」

はぁ~?喧嘩売ってんだな、こいつは。

殴ってやる、思わず手をぐーに握ったが、さすがは王宮の侍女様方、小さく首を横に振って合図をしてくれた。

側を通るときに小さな声で

「馬鹿を相手にするもんじゃないわよ、セリちゃん」

ですよねぇ、うん全くその通り、馬鹿は真面目に相手にしない。

ミーナ様はギルバート殿下たちが来るまでショーもない独り言をしゃべりながらお茶を飲み、お菓子をガツガツ食べていた。


後で説明をされたが、フェイト公爵家のリリーナ様は先妻のお子様だそうだ。

先妻が亡くなってすぐに再婚してできたのがミーナ様。

フェイト公爵は後妻にメロメロで、娘のミーナ様も溺愛されているそうな。

産まれた時からギルバート殿下の婚約者であるリリーナ様は、公爵家では邪魔者として扱われていたらしい。

実際に身の危険を感じることもあったらしい、こわっ。

それに気が付いたギルバート殿下は、リリーナ様を王子妃教育と称して王妃様に託し、現在は王宮にかくまっている。

フェイト公爵夫妻はミーナ様を王子妃にしたいらしく、ことあるごとにギルバート殿下とミーナ様を

一緒に行動させたがるのだそうだ。

今回の留学もフェイト公爵の横やりが入り、ミーナ様が付いてきてしまった、という事らしい。


「ギルバート殿は今回の留学で、ミーナ嬢を排除したいらしい。

まあ、自国ではフェイト公爵の息がかかった者も多いだろうし、なかなか身動きが取れないからな」

「アレク様、他国でそんなことをしたらウェステリア国の恥をさらしてしまうのでは?」

「クロードの懸念も判る。だが今回はウェステリア王家からのお願いなんだよ、

ミーナ嬢を排除とともに、フェイト公爵を失脚させる狙いもあるから、他国でミーナ嬢がしでかした方がやりやすいってことだな。

こちらとしても、ウェステリアに恩が売れるしな」

へー、なんだか面倒くさいな。

関わり合いにならないようにしようっと。


「セリはミーナ嬢と同じ学年だから世話係兼、見張り役を頼むな」

い~~~や~~~~~!!!


セリは全力で机に突っ伏した。


セリは側近候補として王宮に通って勉強させられていたので、王宮の使用人たちは顔見知りです。


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