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17 笑いで腹筋を鍛えます

 世話役と見張り役・・・本当にやりたくない。

学校やすんじゃおうかな・・・「セリ?遅れるわよ」

え~、ちょっと行きたくない気分ていうか、行きたくない。

「なんかやすみたいかも~なんて」

母様がガシッと両肩を掴む。

「セリ、前にも言ったわね、貴女の双肩にはこの男爵家の未来がかかっているの。

第2王子殿下に失礼のなきように、間違ってもさぼろうなんておもってないわよね?」

母様、肩痛いです・・・。

家にも味方がいないようです。


仕方なく学園に行くと、馬車の溜まりが騒がしい。

何だ?


「だから、ミーナリア嬢は学年が違うから一緒のクラスには行けないんだって言ってるだろう?」

「えぇ~、でもぅ、知らない人ばかりのところに行くなんて、ミーナこわぁ~いですぅ」

うえぇ、朝からねちっこいしゃべり方が聞こえてくる。

「ねぇ、アレク様もミーナが可哀そうだとおもうでしょう~?」

ミーナ様はくねくねしながらアレクセイ殿下の腕に絡みついている。


げ、あの顔はかなり機嫌が悪いぞ。

キラキラとした顔ではあるが、やばい、オーラがどす黒くなっている。


見つかるとやばい、後からネチネチ嫌味が来る。

そーっとその場を離れてこそこそと移動を始めた。

よし、大丈夫、さすがミーナ様、このまま悪魔に絡みついとけ!

ほっと息を吐いた瞬間、

「おーセリ、おはよう、こんな隅っこで何してんだ?」

くそ、ゴウゼル様か・・・。


「セリ、来てたのか?」

ぎぎぎ、と音がするように首を回すと、目があった。

「おはよう」

ひぃ~~、やばいやばい、何とかしなきゃ。

「お、おはようございます。あら、ミーナリア様、いらっしゃったんですね~、

それではクラスにご案内しますね~。皆様、ごきげんよ~」

悪魔に絡みついたミーナ様をバリっと引きはがして、腕を絡めてずんずんと歩いていく。

よし、勝った!


「ちょっとぉ~、あたしは、アレク様とギルと一緒にいきたいのぉ~」

暴れるミーナ様を離してはいけない。

「また会えますって、(今日中に)」

「でもぅ~」

「あのままだと遅刻してしまいますし、クラスの皆様にも自己紹介しないといけませんから」

なんかぶつぶつ言っていたが、しぶしぶついてきた。


クラスに入るとみんながこちらを驚いたように見ていた。

「とりあえずこちらの席にお座りください」

前の方の席で空いてるところに座らせる。

馬車溜まりで騒いでて、時間がギリギリだったのですぐに先生がやってきた。


「皆、ウェステリアからの留学生が今日から一緒に学習をする。

仲良くするように。

さて、自己紹介をしていただけるかな?」


ミーナ様は勢いよく立ち上がると自己紹介を始めた。

「皆様ぁ~はじめましてぇ~、あたしミーナでぇす。

みんなのミーナでぇす~。よろしくぅ~~~」

バチンとウィンクつき・・・・。


みんなのミーナ・・・ぐふっ、駄目だ笑っちゃだめだ。

クラスの皆も下を向いてプルプルしている。

お腹に力を入れないと笑ってしまう。

みんな頑張れ!私もがんばれ!


そんな笑ってはいけない状況に、何を思ったかミーナ様は攻撃を追加してきた。

「女子の皆様、ごめんなさいねぇ~、

男の子ってミーナを見るとみ~んなミーナを好きになっちゃうのぉ~。

みんなミーナが好きなのよぉ~~」


「げふっ」

誰だ、噴出したの!

そのまま全員がひーひー言いながら笑い転げる。

かくいう私もだ。

涙出てきた。


「なに?なに?どうしたっていうの?なにがあったの?」

一人わけのわからない様子のミーナ様、ごめん。

面白すぎる。

何とか笑いを収めた先生が場を取り繕うまで私たちの腹筋は笑いで鍛え上げられたのだった。



セリはミーナの事を人前では ミーナリアと呼んでいます。

そのうちミーナで統一するはずです。

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