道子(母)の金策
道子(母)の実家。
居間で家族が寛いで居る。
マコトは玩具で遊んでいる。
悩んだ顔の道子が、清吉(道子の弟)と良子(弟の嫁)に父の浪費癖をぶち撒けている。
「もうヤンなっちゃうよ。あの甲斐性無しには。パチンコばっかりッ!」
清吉はタバコの先を灰皿に押し付けながら、
「兄貴はあれが性分だからしようがねえよ・・・」
道子は呆れた顔で、
「ショウブン? 冗談じゃないよ。一万円ちょっとの給料で四千円も五千円もやられたらたまったもんじゃない」
良子は道子を見て、
「え~えッ! そんなに使っちゃうの」
清吉は湯呑みのお茶を一口飲み、
「兄貴は昔から博打が好きだからなあ。パチンコぐらいは・・・」
道子の語気が徐々に強く成る。
「ショウブンだ、グライだ、なんて。アタシだって内職ぐらいやって少しは家計の足しにしたいわよ。でもあそこは駐在所と違い、下の大家さんに知れたらみっともないじゃないか。亭主は警察官だよ?」
清吉はため息を吐いて、
「困ったもんだなあ」
道子は清吉を見て言い難そうに、
「また・・・今度の賞与で返すから」
「しようがねえ」
立ち上がる清吉に良子が、
「犯人を捕まえるのは天下逸品だけどねえ」
清吉は箪笥の引き出しを開ける。
分厚い財布を開き、一万円札を三枚取り出し道子に渡す。
道子は得も言われぬ顔で、
「本当にすまないねえ」
続く




