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 事 件

 数日経った日。

道子は怒った顔で、


 「マコト、父ちゃんを迎えに行って来な」

 「えッ? またパチンコ屋?」


一階(大家さんの部屋)の玄関が開く音がする。


 「あッ! 父ちゃんだ」


マコトが急いで一階に下りて行く。

作業着にゴム長靴の憲司を見て、


 「お帰り! 父ちゃん」


憲司はマコトを見て、


 「マコト、母ちゃんに塩を持って来るように言ってくれ」

 「塩? どうしたの?」

 「仏様を触って来た」

 「ホトケサマ?」

 「死んだ人だ」

 「えッ!」


マコトは道子(母)を呼びに、急いで二階に上がって行く。

暫くして道子が飯茶碗に塩を入れて下りて来る。


 「どうしたの?」

 「林の中に死体があった。かけてくれ」


道子が憲司の背中と胸、手、脚に塩をかける。


 二階に上がって着替える憲司。

道子を見て、


 「風呂に行って来る」

 「分かりました」

 「マコト、一緒に行こう」

 「うん」


 憲司とマコトが銭湯から戻って来る。

憲司は丹前に着替え、四畳半の居間で寛いで居る?

道子は憲司を見て、


 「またパチンコかと思ったわよ」

 「パチンコ? そんな暇はねえ。・・・アレは事件に成るな」

 「事件? どこで?」

 「柏のTだ。通信塔の跡地」


道子はそれ以上は聞かない。

                          続く

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