↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/27

 自 宅

 道子が心配そうに、


 「どこに行っちゃたのかしら・・・」

 「放(ホ)とけ。その内に戻って来る」

 「そんな事言っても、お金も持ってないし、自殺でも・・・捜索願い」

 「バカ! そんなモノ出せるか」


 夕方。

マコトは家の前の麦畑の中から自宅を覗いている。

チャーコ(猫)が屋根からマコトを見ている。

道子は庭の物干しに掛けた布団を叩いている。


 「ガチャン」


自転車の倒れる音が。

道子は道路に出て来る。

倒れている自転車の傍に傘が。

道子は驚いて、


 「マコト? マコトッ! 出てらっしゃい!」


マコトは麦畑の中から顔を出す。

道子はマコトを見て、


 「どこに行ってたの! 心配したじゃない」


道子の目からは涙が。

マコトが畑から出て来る。

道子はマコトを痛いほど抱き締める。


 「父ちゃんも心配してたんだよ。オマエの事、何とも思ってないから・・・」


 その夜。

松葉杖を突いて職場から戻って来る憲司

居間で正座して、俯うつむいているマコト。

憲司がマコトの傍に来る。

突然、マコトの頬を思い切り平手で殴る。

道子は驚いて、


 「父さんッ!」


マコトは目から涙が溢れ出す。

憲司はマコトを見つめ、


 「・・・風呂に入れ」


マコトが頷(ウナズ)く。

風呂上り、マコトは俯いてテーブルの前に座った。

憲司は椅子に座って新聞を見ている。

マコトは憲司に近づいて、


 「父ちゃん・・・」

 「うん?」

 「足・・・だいじょうぶ?」


憲司は苦笑して、


 「・・・痛てえ」

 「ごめんなさい」


憲司は新聞を見ながら、


 「マコト・・・」

 「え?」

 「もう包丁はよせ」


道子が台所で涙を拭いている。

                          続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。