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警察署
窓ガラスを雨水がつたわる。
道子が憲司の傷の止血をしている。
救急車が静かに玄関の前に停まった。
ガラス戸を叩く音。
道子が玄関に向かおうとすと憲司が、
「待て、道子! 包丁を抜け」
「え!」
「包丁が刺さってたらまずい」
道子は急いで憲司の膝の包丁を抜く。
「うッ・・・」
救急隊員の肩を借り、足を引きずりながら苦笑して車に乗り込んで行く憲司。
救急車が走り去る。
署内の廊下を松葉杖を突いた憲司が歩いて来る。
すれ違う弘子。
「あら、黒沢さん。その脚どうされました?」
「へへへ、昨夜飲み過ぎて転んじまったよ」
弘子は呆れた顔で、
「黒沢さん、お酒もほどほどにしなくちゃ」
「署長みたいな事いうな」
弘子が笑う。
「あ、そう言えば昨夜、町でマコトちゃんに会いましたよ。塾に通ってるんですって?」
「マコトと会った? ジュク?・・・」
「? どうかしました」
「あッ、いや、アイツも来年は高校の受験だからなあ」
続く




