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73話 ラストです

 この町は都市計画というものがない。

 しかし都市計画がないなりにそれなりの特徴というものもある。

 例えば人が集まる広場や施設。区画にもよるがそういった場所をを中心に町が広がっていくことも多いので、そこに至る道は大きな道ということが多い。

 この町の住人はそういった些細な特徴をよく覚えることで、初めて来た区画でもなるべく迷わないように動くことができる。


 最後の一匹となった怪物が何を意図したか、そこまでわからない。

 わからないがこのモンスターは細い脇道に目を向けず大きな道をがむしゃらに走り抜けた。

 その結果、先ほどまで市民が避難していた広場にたどり着くことになる。

 そこにいたのは二人の男。



 獲物を見つけた怪物の怒声。突進。




「君も哀れだな。人のおもちゃにされて」


 メッサ―はそう呟いて魔法を唱える。

 大きな氷の塊が現れ、怪物の正面から打ち込まれた。

 モンスターは素早く両腕で顔を守って、正面衝突。飛び散る氷。銃弾を食らっても耐えれるのだ。この程度じゃびくともしない。


「しかしまぁ」


 しかし大きな氷の塊は視界を遮ることにはなった。

 怪物は二人を見失う。


「こうなっちゃね」


 視界の外側に回り込んでいたメッサ―。

 手には、炎で燃える剣。

 いや、炎が剣になっている。


「恨まないでくれ」


 そしてメッサ―はその剣を怪物の右脇に突き立てる。

 部位によっては銃弾も遮る頑丈な体。しかしその剣はパンにナイフを突き立てるようにするすると体の中に入り込んでいった。

 そしてその剣から燃え上がる右腕。

 悲鳴。罵声。怒声。

 何をいいたいのか。人には何かわからない声。


「止めはお前だ」


 反撃を食らわないように素早く逃げたメッサ―。

 その言葉に反応してモンスターの視界の外から突然顔の前に現れる吸血鬼


「死して安寧の地に帰り給え」


 そういって右手を怪物の顔に押し当てて、そのまま顔の中に手をいれた。

 水面に手をいれるかのように、モンスターの顔の中に手がするすると入っていく不思議な光景。


「哀れなり。哀れなり」


 そういって彼はモンスターの顔から手を引きぬく。

 そこには、まだ動いている脳みそ。

 怪物はもう悲鳴すら上げない。なにも反応できない。うごきもしない。


「さようならだ」


 吸血鬼はそういいながら手に持っている脳みそを地面に叩きつける。

 石畳の広場に飛び散る怪物の脳みそ。


 怪物はそのまま糸が切れた操り人形のように倒れた。

 メッサ―の炎の剣はそのまま勢いよく燃え上がり、怪物の体を灰にすることになる。


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