66話 爆発により戦闘準備
「今こそ実力を示すときです」
出口から飛び出してきたアニーは自分を止めたNに対してそう怒鳴りつける。
ギルドで話した時とは目の色が違う。金髪は返り血で真っ赤だ。
戦鬼と呼ばれる冒険者の姿がここにある。
しかしNはその恐ろしい形相に戸惑いもせず
「実力を示そうとした人間がどうなるかみたでしょ。あぁなりたいのですか」
と怒鳴り返して、アニーに馬小屋から逃げるように指示。
「真実を語り給え」
Nは階段の前に立ち、体制を立て直し階下から迫る足音に向かって銃剣付きのライフルをやり投げの要領で投げつける。
こんなもの投げたのは初めてだから狙いなど付けれなかったが、階段は狭く相手はでかい。悲鳴が聞こえたという事は刺さったという事だろう。
「テンペランス」
どこに刺さったかなど確認もせず、Nは呪文を唱える。
爆発。爆風。しかしまだ隊列が止まる気配はない。
そこで腰から丸い玉を取り出し、階段の下に投げ込む。
「役に立てばいいが」
そういって出入口の扉を閉めて、彼も馬小屋の外に飛び出していった。
そして地響きを起こす爆発。
その破裂音は周辺にまで響く。
「庭の方か」
査察の指揮をしている事務方の人間はその音に狼狽えて
「俺らの出番だ。事務方の連中は下がってろ。冒険者は庭に集合。警戒しろよ」
なんとなく一番偉そうにしているペドロファミリーの狼人間がほかの冒険者に指示をだす。
上下関係的には逆だが、場数を踏んでる査察の人間たちは上下関係を気にする状態じゃないことを一瞬で察する。
「わかりました。そちらの指揮はお願いします。外の西の部隊に連絡と本部に応援の伝令を走らせろ。周辺住民への注意喚起も怠るな」
そして自分ができることとして、自分の部下に思いつく限りの指示をだした。
「なんだ」
地域の封鎖を行っていた若手の守衛隊長はその破裂音で念のために地面に伏せる。
「爆弾だろう」
守衛隊の隊長と一緒にいた西の部隊を率いる隊長は火薬を使う彼らにとって聞きなれた音から距離を察する。
「立場的にあなた方にとやかく指示を出せる立場にはないんだが、爆弾が使われたという事は何か起きているってことだ。用意をした方がいい。私らも用意を始める」
「助言を聞き入れるしかありません。ご安全に」
「君もな」
そういって二人は部下に指示を出すために走っていった。




