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64話 逃亡と対峙
お久しぶりです
「逃げましょう」
愚か者の愚行にいち早く気づいたNは目の前の男にアニーの手をひきそう叫ぶ。
彼女は目の前の彼が何者か全く知らないが、戦いと危険の事ならよく知っている。
そんな彼女の本能はためらいなく彼に付き従うことを選んだ。
そして二人は部屋を飛び出し長い階段を駆け上がっていく。
階段を駆け上がる二人。
「助けてくれ」
逃げ遅れた男たちの叫び声と争い、おそらくは一方的な虐殺が正しい、の音が地下から聞こえる。
「やめろ。やめ」
「誰か」
「どうして」
「助けて」
二人はその声に耳を傾けない。
耳を傾けて足を止めたら次は私たちだ。
ほんの少しの間続いた地獄の責め苦のような音はすぐに終わり、隊列を組んだ怪物たちが彼らを追って地獄の底から駆け上がってくる足音に変わっていた。
「出口です」
先を走っていたNはアニーに告げる。
扉は締まっている。
後ろからは足音
扉を開けるあいだに追いつかれるだろうというのは、アニーの経験でわかった。
「扉をお願いします」
そこでアニーは振り返り、突進する怪物たちと対峙するという選択をする。




