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63話 殺人と反撃


 彼は撃った。ためらいなく。


「誰だ。なんだ」


 ギルドのボスの胸に赤い点。そしてその場に崩れ落ちるように倒れる

 銃声に反応した一人が周りを見渡し、この地下室唯一の出入口の物陰に隠れていた二人を見つける。

 一人は手にライフル。もう一人は金髪。あれは戦鬼だ。

「ギルドからの依頼で取り締まりに協力しているものです」

 Nは腰に差していた銃剣をライフルの銃身に突き刺しながら続ける。

「殺したのか。なぜ、どうして」

「どういった根拠でですか?いかなる殺人に正義もありません。必要なのは実力だけです」

意味が分からない答えだが、聞いた側も何を聞きたいのかわからないまま口を開いたのでその答えに納得してしまう。

「私たちはあなた方に実力を示すことができる。しかし実力を示すようなことはできれば、したくない。良心的な答えを期待はしませんが、皆さんには賢い選択を期待したです」

 銃剣の刃先を向けながらNはは問う。


 二対複数人。相手は実力者とは言え数では有利だ。

 しかし残ったものたちは檻にもたれかかる様に倒れているボスを見て、

「わかった。降参する。抵抗はしない

わかりきった答えを選んだ

 この二人を倒したところで、外にいるギルドの人間を倒せるわけがない。最終的に全員ボスと同じ状態になるだけだ。


 しかしだ。その当たり前の結論に乗らなかった人間が一人だけいる。

 胸に銃弾を浴びても、当たり所がよく、悪くかもしれない、死に至らなかった人間。

 彼は残った力で呪文を唱えて

「実力を示せ。そして」

 その言葉ともに死んだ。


 そして檻は開かれて怪物たちが動き出す



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